業務委託契約に通謀虚偽表示を認めず

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税務
業務委託契約に通謀虚偽表示を認めず
審判所、支払手数料を給与とする更正処分を全部取消し
内国・外国法人間の業務委託契約
に基づく支払手数料が代表取締役
(請求人)への給与に当たるか否か
が争われた事案で取消裁決。
審判所、業務委託契約に虚偽表示
を認めず、支払手数料は内国法人
に帰属と判断。
無効であるとした。
これに対し審判所は、Y 社と請求人との
間に請求人を Y 社の指揮監督下においた上
で請求人の労働力を提供させる目的が認め
られるとしても、X 社を通じて請求人に Y
社の指揮監督下で労働力を提供してもらう
という本件業務委託基本契約によってもそ
の目的は達成可能であると指摘。契約自由
本事案は、内国法人 X 社(代表取締役:
の原則に照らし、Y 社の指揮監督下におい
請求人)と外国法人 Y 社が締結した業務委
て請求人の労働力を提供する債務を X 社の
託基本契約について、原処分庁が、仮装と
みが負うことも、また、請求人および X 社
指摘し、当該契約に基づく支払手数料(報
の双方が負うことも一切許容されない関係
酬)は、Y 社と請求人の雇用契約に基づく
にはないとした。そのうえで、Y 社と請求
給与であると認定したもの。
人との間の雇用契約における請求人の債務
原処分庁は、①本件業務委託基本契約の
と、Y 社と X 社との間の本件業務委託基本
業務内容と(請求人と Y 社が締結してい
契約における X 社の債務とは相互に排斥し
た)本件雇用契約の業務内容に違いがな
合う関係にあるとはいえないことから、Y
い、② Y 社および請求人も本件業務委託基
社と請求人との間に雇用契約を締結する意
本契約と本件雇用契約の業務を明確に区分
思があったというだけでは、本件業務委託
できない、③請求人の労務または役務提供
基本契約が虚偽表示によるものとの理由と
の態様は、Y 社との間で決められた勤務時
はならないとしている。
間・勤務場所などの時間的・空間的拘束を
さらに、審判所は、本件業務委託基本契
受けたもので、同社の指揮監督に服する従
約と本件雇用契約とは法律上併存しえない
属的なものであったなどと主張。本件業務
関係になく、業務内容が区分できないこと
委託基本契約における当事者の真の合意内
は一方の契約を虚偽表示と基礎付ける理由
容は、Y 社を使用者、請求人を労働者とす
にはならないと指摘。有効に締結された本
る雇用契約であり、Y 社と X 社とが両者通
件業務委託基本契約に基づく Y 社の X 社に
じて虚偽の意思表示をしたものであること
対する業務委託手数料は、請求人の給与に
から、通謀虚偽表示(民法 94 条)により
は当たらず、X 社に帰属すると判断した。
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No.578 2015.1.12
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