第 12 回名所巡り「武蔵野の自然と歴史」 「武蔵野の俤(おもかげ)は今わずかに入間郡に残れり」と自分は文政年間にできた地図 で見たことがある。これは明治の文豪、国木田独歩の小説「武蔵野」の書き出しである。 その入間郡とは、元弘三年、源平の合戦の古戦場で、小手指ヶ原の付近のことで、江戸時 代に既に「いまわずかに入間郡に残れり」で有るから、現在は推して知るべしである。今 回の名所巡りのテーマは、「武蔵野の自然と歴史」であるから、さて何処へ行くのやらと思 案しながら吉祥寺駅に着いた。もちろん行き先は自ら案内したのだし、また、日頃付近は 車で通っているので普段から分かっているはずだが、今回 は何かそんな思いがしたので有った。 個人の思いとは別に時間は流れて行く。来るはずの人が 来ない。一人は仕事ゆえ事前に連絡が有った。しかし他の 人は別の事情で有った。単純に日にちを間違えていたので、 電話の先では、 「今日だっけ」で有る。まあ、細かなことは 別に、早速揃ったメンバーで武蔵野の俤が残っている、井 の頭公園から探訪を始めた。皆さんそうだと思うが、名所とは「何度も行っているよ」と 思いがちで有るが、以外な発見も有る。池の周りには、出店いえ失礼「井の頭公園アート マーケッツ」と言うイベントみたいなお店がたくさん出ている。一つのお店で聞いてみた。 どこから?横浜から。何故?近所だと家族に監視されるから。儲かる?全く、道楽ですよ。 出店にいくら掛かる?お金より登録が大変、全て手作りでないと いけない。ビンのリサイクル作品だが、電気炉が必要で電気代が 掛かる。費用はクラウンが買える位掛かっている。逆質問で、お 宅何やっているの、何処から?練馬から。電気屋。あまり長くな るので、祈健闘の言葉で別れる。(写真 参照)。その後、井の頭公園を十分時間 を掛けて探訪。写真はお茶の水の源泉 です。 場所を移して、通りを挟んだ井の頭自然文化園の分園に、入場 料を払って入園。お代は 400 円。但しお年を召した方は 200 円。 該当者が 2 名もいた。5 名しかいない中でだ。園内は動物園と言 ったところで、像の「花子」の存在を知ったのを含め、自身は初 めて入った。園内には彫刻館が存在。その外にはブロンズ像がた くさん有り、館内には、その型になる石膏の原形が展示されてい る。今回特別イベントで北村西望氏の研究家 が聞けた。北村西望と言っても分からない 方が多数だと思うが、原爆投下地の長崎の 平和祈念像の作者だと言えば、像は目に浮 杉谷昭夫氏のお話 かぶことでしょう。熱心に説明を聴き、隣のアトリエを見学し、 何だか得をした気分で園を出た。 その後は、文学散歩ではあるが、あまりその気が無いメンバー ではあるので、山本有三記念館は、お庭を拝借して、記念撮影で、 館内に入った気分とした。すれ違ったおばさん達も、「路傍の石」ってどんな内容だったけ 等と話していた。こちらも、教科書にお題目が載っていたのを覚えている程度である。 次ぎに太宰治の、玉川上水への入水自殺の現場を訪ねた。よく 知られた場所で、実際は想像の範疇で有るらしいが、太宰の住ま いからして、ほぼその辺であろうとは推測できる。暫く歩き、太 宰治文学サロンに立ち寄った。熱心なボラ ンティアガイドと思し召す方が、一生懸命 に説明してくれる。こちらも、知識のある 結城さんを中心に、一応頷きながら、聞いている。この間合いが難し い。一通り聞いて、丁重に礼を言って開放される。やれやれと言った ら失礼か? その後またしばらく繁華街を歩き、途中で昼食を豪華に中華料理とし、柿の話で盛り上 がった末に、禅林寺に到着。ここは太宰治のお墓と、森林太郎こと鴎外いや、鴎外こと林 太郎か、その墓があるお寺である。私事ながら、仕事では隣の八幡神社付近にしょっちゅ う来ている場所だが、お寺には入ったことは無かった。 一通り参った後、既に昼食を済ませ、そばも腹に入らないし、深大寺界隈は省略し、一 路三鷹駅に歩き出す。駅で今回の米山幹事の労をねぎらい、ご友人の山本氏のご自宅に柿 の実を貰うことに決まり、約一名だけ同道した。私は別便で後から向かうことで、挨拶後 散会とした。ご苦労様でした。元々の企画をして頂いた木村さんありがとうございました。 参加者紹介遅くなりましたが、鶴田,結城,米山,山本,石井でした。急な欠席が 2 名い ましたが、また今度は一緒しましょう。サイナラ。 石井記
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