不等式の表す領域 数学 II・B 授業ノート 1 不等式の表す領域 1 方程式 y = 3x + 1 を満たす点 (x, y) の全体は (0, 3),(− , 0) を通る直線である.これに対し, 3 y > 3x + 1 を満たす点 (x, y) は直線 y = 3x + 1 の上側にあり, y < 3x + 1 を満たす点 (x, y) は直線の下側にある. y = 3x + 1 y y > 3x + 1 y < 3x + 1 1 − 3 1 O x 一般に,x,y についての不等式を満たす点 (x, y) 全体の集合を,その不等式の表す領域という. 一般に次のことが言える. ✓ ✏ 1. 不等式 y > mx + n の表す領域は直線 y = mx + n の上側 2. 不等式 y < mx + n の表す領域は直線 y = mx + n の下側 ✒ ✑ 例えば,y ≧ mx + n の表す領域は,y > mx + n の表す領域と境界となる直線 y = mx + n をあわせたもので, 境界を含む領域となる.領域を図示するときは,その境界を含むかどうか必ず補足を入れておく必要がある. 1 また,直線に限らず一般の関数 y = f (x) の場合についても,同じように考えて,次のことが成り立つ. ✓ ✏ 1. 不等式 y > f (x) の表す領域は曲線 y = f (x) の上側 2. 不等式 y < f (x) の表す領域は曲線 y = f (x) の下側 ✒ ✑ 2 円の内部・外部 例えば点 P(x, y) が,不等式 (x + 1)2 + (y − 2)2 < 10 √ √ を満たすということは, (x + 1)2 + (y − 2)2 < 10 を満たすということで,点( − 1, 2) と点 P との間の距離が √ 10 より小さいことを意味する.したがって,この不等式を満たす点 P(x, y) 全体は,円 (x + 1)2 + (y − 2) = 10 の内部で,境界部分は含まない. 一方, (x + 1)2 + (y − 2)2 > 10 は円 (x + 1)2 + (y − 2) = 10 の外部で,境界部分は含まない. y 2 O −1 x 一般の円 (x − a)2 + (x − b)2 = r2 について,この円を C とするとき,次のことが成り立つ. ✓ ✏ 円 (x − a)2 + (x − b)2 = r 2 を C とする. 1. (x − a)2 + (x − b)2 < r 2 の表す領域は,円 C の内部 ✒ 2. (x − a)2 + (x − b)2 > r 2 の表す領域は,円 C の外部 3 演習問題 1. 次の不等式が表す領域を図示せよ. (a) y ≦ 2x − 1 (b) 2x − y + 2 < 0 (c) y ≧ 4 2 ✑ (d) 2x − 4 ≦ 0 (e) y ≦ x2 (f) y − 3 ≧ −(x − 2)2 (g) (x − 1)2 + y 2 > 4 (h) x2 + y 2 + 6x − 4y ≧ 0 3
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