伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊 円の接線の見方についての考察 いしはら 石原 さとし 諭 伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊 特集 教材研究 伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊 伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊伊 §0.はじめに E(X ℓ,Yℓ) は円 O の外部にあるので,⑵により 円の接線の公式における接点を,円外や円内に動 X ℓ +Yℓ =r かすことにより,接線の公式のもつ意味が広がって は Aℓ,Bℓ を 通 る きます。ここでは,偶然つながった 2 通りの見方に 直線である。これ ついて述べます。 が 点 P(,) を 通るので代入する §1.円 + =r と点 P(,) と方程式 +=r の関係 円 O: + =r および点 P(,) につい と X ℓ +Yℓ =r が成り立つが,こ て,方程式 +=r は の式は ⑴ +=r 上に E(X ℓ,Yℓ) があることを表して 点 P が円周上にあるときは,点 P における 接線の方程式を表す。(これは教科書で学習 よって, ℓ を点 P を通る任意の直線とすれば,点 します。) ⑵ いる。 点 P が円の外部にあるときは,点 P から円 O に 2 本の接線を引き,接点を A,B とする E は直線 +=r 上にある。 逆に,+=r 上の任意の点 E(X,Y ) を とき, 2 点 A,B を通る直線の式を表す。 とると, E から円に 2 つの接線が引ける。(点 E が (この性質はよく知られています。) 円の外部にあることは,直線 +=r と原点 r −r > =r>0 と な る こ と よ r + (⑵の理由) A(,) における接線の式は との距離が +=r であり,これが点 P を通るので りわかります。) その接点を A,B とすれば,2 点 A, +=r ……① 同様にして,B(,) とすれば +=r ……② ①,②は,直線 +=r が点 A,B を通るこ とを示している。 終 ⑶ B を通る直線は X+Y=r ……① である。 一方,E(X,Y ) は +=r 上にあるので, X+Y=r を満足している。このことは①,す なわち,A,B を通る直線は点 P を通るということ 点 P が円の内部にあるときは,点 P(,) を通る任意の直線 ℓ を考え, ℓ と円 O との 2 を表している。よって逆も成り立つ。 以上により,証明された。 終 つの交点を Aℓ,Bℓ とする。また,Aℓ,Bℓ に §2.反転との関係 おける円 O の接線を,αℓ,βℓ とする。 αℓ と βℓ の交点を E(X ℓ,Yℓ) とすると, ℓ が 点 P を通ってかつ,傾きを変えながら変化す るとき,点 E の描く軌跡が +=r と なる。 (理由) 8 ℓ を任意にとり固定する。このとき, このことは実は反転と関係があることがわかりま す。 次の図のように,OP を直径とする円Kを考え ると αℓ と βℓ の交点 E は,円Kと直線 OE との 交点 F の円 O に関する反転である。 Q を半直線 OP と直線 +=r との 交点とすると,OP⟂EQ であることがわかるので, §3.感想 ∠OQE=90° である。また,∠FOP=∠QOE であ 転像の軌跡を 2 つの接線の交点から描いたという るから,△OFP△OQE となる。 描き方の違いであるということになります。 (理由) ゆえに,OP:OE=OF:OQ であるから, OE⋅OF=OP⋅OQ= + ⋅ −r =r + 結局,点 E の軌跡は円Kの反転像であり,⑶は反 数研通信 No. 39 の遠藤一成先生と内藤弘嗣先生 の記事を読んで,円の接線と反転との関係を初めて 知りましたが,この性質はその証明からすぐにわか よって,点 E は点 ることであると,後になって気がつきましたので, F の円 O に関する 今回ご報告させていただきました。 反転であり,また, 点 Q は点 P の円 O に関する反転であ る。 終 《参考文献》 〔1〕 遠藤一成,内藤弘嗣+=r と反転 について数研通信 No. 39 数研出版 (静岡県立気賀高等学校) 9
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