演習テスト 2回目

熱力学演習 第 2 回
2009.6.8
解答に自信がない問題はレポートとして受け付ける。一週間以内に物
理事務室の小坂のメール BOX まで提出のこと。裏面にも設問あり。
1. カルノーサイクルを T-S 平面で図示し(何故そのように書けるかも
説明すること)、サイクルを表す閉曲面で囲まれた面積が何を意味
するのか説明せよ。
2. 理想気体を体積 V から V に自由断熱熱膨張させるときのエントロ
ピー変化を求めよ。
3. エンタルピー H の物理的意味は、ある系に一様な圧力 P を外側から
加えている仕事源とその系の合成系の内部エネルギーといえる。気
体を閉じこめたピストンに M[kg] の重りを乗せた状態を例にとり、
これを説明せよ。
4. 外界との間に物質の出入りがない場合、等温変化で取り出すことが
できる仕事 d W はヘルムホルツの自由エネルギーの変化分 dF に相
当することを説明せよ。
裏面へ続く。☞
5. 図のように針金の枠に石けん膜を張り, 枠の一辺 XY は動くことが
できるようにしておく。膜を広げるには仕事が必要で, 表面張力(単
位長さ当たりの力の次元を持つ)を γ とすれば, 石けん膜の表面積
A を dA だけ準静的かつ可逆的に増加させるとき, なされた仕事は
d W = γdA で表すことができる。絶対温度を T , エントロピーを S
とする。以下の問いに答えよ。
(1) 熱力学の第 1 法則より, 内部エネルギー U の微小変化 dU を
γ,T ,dS,dA を用いて示せ。
(2) ヘルムホルツの自由エネルギー F = U − T S の微小変化 dF を
求め, 表面張力 γ は単位面積当たりのヘルムホルツの自由エネ
ルギーに等しいことを示せ。
(3) ヘルムホルツの自由エネルギーが表面全体の面積に比例する (F = γA) ならば, エントロピー S が
S = −A
dγ
dT
で表せることを示せ。
(4) 単位面積当たりの内部エネルギーを u = U/A とすれば
u=γ−T
dγ
dT
で表せることを示せ。
(5) 温度一定で石けん膜の表面積を準静的かつ可逆的に A1 から A2
まで ∆A(= A2 − A1 ) だけ増すとき, 石けん膜が吸収する熱
量 ∆Q を求めよ。