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SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE
2014 年 4 月 16 日号ハイライト
早期のはしか感染を阻止する経口薬
早期のはしか感染を阻止する経口薬
Oral Drug Stops Early Measles Infection in its Tracks
麻疹(はしか)がふたたび流行している。この感染性の高い呼吸器系ウイルスに対する効果
的なワクチンが存在するにもかかわらず、一部の国における最近のワクチン接種率の低下に
伴い、麻疹の散発的な集団発生がみられている。今回研究者らは、フェレットを用いて、感
染早期に麻疹に類似したウイルスを抑える経口薬を開発した。この薬剤は、ワクチン接種を
受けておらず、麻疹と接触した可能性のある人の麻疹感染を阻止する有用な先制治療となる
可能性がある。インフルエンザと同様、麻疹は呼吸、咳やくしゃみによって空気感染で広が
る。米国疾病対策センター(CDC)によれば「麻疹は感染性が高いので、免疫がない小児が
ウイルスに曝露されると、感染する可能性が高い」という。感染してから皮疹、鼻水や発熱
などの症状が出るまで、通常は 2 週間かかる。Stephanie Krumm らが開発した抗ウイルス薬
は、この 2 週間という期間、つまりワクチン接種でもはや保護効果が得られない期間に作用
するようとくにデザインされたものである。この小分子阻害薬は、麻疹ウイルスと少数のウ
イルスに特有の酵素複合体である RNA ポリメラーゼを標的として作用する。RNA ポリメラ
ーゼはウイルス複製因子であり、ウイルスの蛋白質発現を引き起こす。麻疹に類似した致死
的な疾患を発病させたフェレットで、感染の 3 日後にこの薬剤を投与したところ感染発症が
完全に抑えられた。投与を受けたフェレットすべてが感染後も生存し、ウイルスに対する免
疫が生じた。重要なのは、この薬剤は適切なワクチン接種の代替法としてそれに代わるもの
ではないということである。しかし今回の結果から、ワクチン接種率が比較的低い地域にお
いて、この薬剤の使用が麻疹の根絶に有用である可能性が示唆される。Krumm らは次に、
ヒトを対象とした臨床試験を行う前に、この薬剤の安全性と有効性をより大型の動物で検討
することを予定している。(本論文の著者 2 名は、この新規薬剤に用いられているリード化
合物の特許申請の発明者である。)
Article: "Sustained Normalization of Neurologic Disease After Intracranial Gene Therapy in a Feline
Model," byV.J. McCurdy; A.K. Johnson; H. Gray-Edwards; A.N. Randle; B.L. Brunson; N.E.
Morrison; N. Salibi; J.A. Johnson; M. Hwang; R.J. Beyers; T.S. Denney; N.R. Cox; H.J. Baker; D.R.
MartinatAuburn University in Auburn, AL; N. SalibiatSiemens HealthcareinMalvern, PA S.G. Leroy;
S. Maitland; M. Sena-Estevesat University of Massachusetts Medical SchoolinWorcester, MA.