Embargoed Advance Information from Science Translational Medicine A Journal of the American Association for the Advancement of Science http://www.aaas.org/ 問合せ先:Jennifer Anderson +1-202-326-6466 [email protected] SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE 2014 年 7 月 23 日号ハイライト 嚢胞性線維症治療薬の 1 つがもう 1 つの治療薬の邪魔をする 嚢胞性線維症治療薬の 1 つがもう 1 つの治療薬の邪魔をする One Cystic Fibrosis Drug May Hinder Another 今号の 2 報の論文により、ivacaftor(商品名 Kalydeco)という嚢胞性線維症(CF)治療薬が、 同じ疾患に対する別の治療薬の効果を損ないうることが示された。CF は白人で多くみられ る遺伝性疾患の 1 つで、多くの内臓、特に肺の内側を覆う上皮に存在するある蛋白質の遺伝 子変異が原因となり、上皮細胞の鉄輸送を障害する。CF 治療のために 2 つのタイプの薬剤 が開発されており、上皮の主要な 1 つの蛋白質の適切な成熟と、細胞表面への移動を助ける 「修正」薬と、ivacaftor のように蛋白質のイオンチャネルを長時間開口させておく「増強」 薬がある。Ivacaftor は、あるタイプの CF 変異を有する患者の治療薬として最近 FDA に承認 されたが、この変異を有するのは CF 症例の 5%未満に満たない。一部の研究者は、より頻 度の高い CF 変異に対する治療のために ivacaftor のような増強薬と修正薬を併用しようとし てきた。 今回 Deborah Cholon らは、Guido Veit らとともに、lumacaftor などの修正薬によって 「固定」された蛋白質を ivacaftor が不安定化させる可能性があるとのエビデンスを提示した。 両研究チームはヒト上皮細胞で実験を行い、ivacaftor がわずか 2~3 日でこのような作用を 発揮しうること、またこの作用は ivacaftor の用量に依存するらしいことを示した。ivacaftor だけでなく、多くの増強薬は修正薬に対してこのような抑制作用を示す可能性があると、 Veit らは示唆している。Cholon らはまた、ivacaftor は健康なヒトの正常な蛋白質を不安定化 させる可能性があることも発見した。このため、ivacaftor は慢性閉塞性肺疾患(COPD)な どの他の呼吸器疾患治療の候補薬となる可能性が低くなる。関連する Focus で John Clancy が述べているように、現在 ivacaftor と lumacaftor を併用した大規模臨床試験が進行中である ため、今回の所見は特に留意すべき重要なものである。 Article #3: "Potentiator ivacaftor abrogates pharmacological correction of ΔF508 CFTR in cystic fibrosis," by D.M. Cholon; N.L. Quinney; M.L. Fulcher; C.R. Esther Jr.; J. Das; N.V. Dokholyan; S.H. Randell; R.C. Boucher; M. Gentzsch at University of North Carolina in Chapel Hill, NC. Article #4: "Some gating potentiators, including VX-770, diminish ΔF508-CFTR functional expression," by G. Veit; R.G. Avramescu; D. Perdomo; M. Bagdany; P.M. Apaja; F. Borot; Y.-S. Wu; G.L. Lukacs at McGill University in Montréal, QB, Canada; P.-W. Phuan; W.E. Finkbeiner; A.S. Verkman at University of California, San Francisco in San Francisco, CA; D. Szollosi; T. Hegedus at Hungarian Academy of Sciences in Budapest, Hungary; D. Szollosi; T. Hegedus at Semmelweis University in Budapest, Hungary. Article #1: "CFTR Potentiators: Not an Open and Shut Case," by J.P. Clancy at University of Cincinnati in Cincinnati, OH; J.P. Clancy at Cincinnati Children’s Hospital Medical Center in Cincinnati, OH.
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