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SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE
2014 年 7 月 9 日号ハイライト
見た目は似ていても分子レベルで違う皮膚コンディション
見た目は似ていても分子レベルで違う皮膚コンディション
Look-Alike Skin Conditions Differ at Molecular Level
たった 2 つの遺伝子の発現状態によって乾癬と湿疹を区別できる可能性があることが、新た
な研究によって報告された。一部の乾癬と湿疹のタイプは非常によく似ているため、専門の
医師でもお互いに区別することは難しい。乾癬と湿疹を正しく診断することが重要であるの
は、どちらにも専用の高価な治療が存在し、患者の診断を間違えると効果が得られないため
である。分子レベルでは、これら 2 つの慢性炎症性皮膚疾患はそれぞれ異なった姿を見せる
が、両疾患のよりよい治療を可能にするために、研究者は両者の基礎に分子機序に関するよ
り優れた手がかりを求めてきた。Maria Quaranta らは、湿疹と乾癬の患者 24 人の分子的特徴
を比較した。遺伝子発現プロファイリングを用いたところ、乾癬が湿疹と異なるのは、乾癬
はほぼ創傷治癒反応と似ており、皮膚のより上部における免疫応答の過剰活性化(鱗状のプ
ラーク形成を引き起こす)を伴うことが示された。これに対して湿疹には、皮膚における表
皮バリアと免疫応答を損なう別の免疫細胞サブタイプが特徴的に見られた。その結果、湿疹
の皮膚反応にはほとんど常に細菌、真菌、ウイルスの定着が伴い、このために皮膚の炎症が
悪化する。これらの結果を合わせると、数個の遺伝子を用いてこれら 2 つの皮膚の病態を区
別できることが示唆される。この結果は、乾癬と湿疹における異なる分子的特徴に基づいて
薬物治療戦略を開発するきっかけとなるものである。
Article: "Intraindividual genome expression analysis reveals a specific molecular signature of
psoriasis and eczema," by M. Quaranta; N. Garzorz; M. Mattii; D. Pennino; C. Andres; C. Traidl-
Hoffmann; J. Ring; C.B. Schmidt-Weber; S. Eyerich; K. Eyerich at Technische Universität Munich in
Munich, Germany; M. Quaranta; M. Mattii; D. Pennino; C.B. Schmidt-Weber; S. Eyerich at
Helmholtz Center Munich in Munich, Germany; B. Knapp; F.J. Theis at Helmholtz Center Munich in
Neuherberg, Germany; V. Pullabhatla at King’s College London School of Medicine in London, UK;
V. Pullabhatla at Guy’s Hospital in London, UK; A. Cavani at Istituto di Ricovero e Cura a Carattere
Scientifico in Rome, Italy; F.J. Theis at Technische Universität Munich in Garching, Germany.