Science Translational Medicine 2015 年2 月 11 日号ハイライト

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米国東部標準時 2015 年 2 月 11 日(水)午後 2 時
SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE
2015 年 2 月 11 日号ハイライト
癌のグルタミン中毒によって脳腫瘍を明らかにする
Science Translational Medicine は米国科学振興協会(AAAS)発行の国際的ジャーナル(週刊)
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癌のグルタミン中毒によって脳腫瘍を明らかにする
Cancer’s Glutamine Addiction Exposes Brain Tumor
腫瘍のグルタミン中毒を利用して脳腫瘍を検出するイメージング技術が、神経膠腫患者
の臨床試験において成功裏に実証された。癌は通常、グルコースなどの栄養を摂取して
自らの増殖を促進している。PET は、トレーサーと呼ばれる放射性化合物を用いて、こ
の代謝活性亢進を利用して腫瘍を描出する。グルコースのトレーサーは、糖を好む細胞
に集積するので、PET 装置で体内の腫瘍の画像が構築できる。しかし、現行の PET イメ
ージングは神経膠腫(脳腫瘍)には使用できない。脳では正常な細胞も癌細胞もグルコ
ースを消費するためである。Sriram Venneti らは、腫瘍が消費するもうひとつの主な栄
養であるグルタミンのトレーサーを開発した。Venneti らは、神経膠腫のマウスモデル
で、グルタミントレーサーが、脳腫瘍に吸収されるが、周囲にある健康な組織には吸収
されないことを明らかにした。神経膠腫患者 6 例を対象とした早期試験では、グルタミ
ントレーサーが腫瘍の輪郭を明確に描出し、高代謝活性を示す悪性腫瘍と、増殖してお
らず代謝的に不活性な腫瘍を区別することもできた。グルタミンをベースとした PET イ
メージングは、脳の癌を検出し、治療中に腫瘍の代謝活性の変化をモニタリングする強
力なツールとして有望である。