超短パルスレーザー光を用いたステンレス 鋼表面の応力腐食割れ防止方法 ナノ・材料 No. 3-5 超短パルスレーザー光をステンレス鋼の表面に集光照射することで、その表層を蒸発除去する ことが出来ます。ステンレス鋼の表面が引っ張り残留応力状態にある場合、ハロゲンイオンや 放射線照射により割れが発生することが知られています。蒸発除去により割れに強い表面にす ることが可能です。 技術の特徴 切削や溶接などの加工が無くては大型構造物の製造・建設は出来ませんが、このような 加工を行うと材料強度は著しく下がります。 ナノ秒パルスレーザーを使い水中でのレーザーパルス照射による表面に圧縮応力導入 することで割れを防止する技術が実用化されています。 しかし、水を使うことで装置を防 水構造にする必要があることや、水を嫌う対象の場合は制限があります。 超短パルスレーザー蒸発は、水を使うことなく乾燥大気中で引っ張り残留応力の存在す る表面を除去するもので、割れ防止として、効果的な手法です。 引っ張り残留応力が残っているステン レス鋼表面は応力腐食割れが発生 超短パルスレーザー光による表層の蒸発除去 500µm シュラウド表面 100µm 冷間加工により生じた 表面硬化層 炉心シュラウド (SUS316L)のひび割れ 従来技術との比較 1 水を必要としない 2 問題となる表面を除去するため応力が 残留しない 研究のステージ 試作検討段階(実証機による試験) 利用分野 1 溶接部分の応力腐食割れ防止 2 放射能汚染した表面のクリーニング 知財関連情報 特許第4528936号 [email protected]
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