(2015年11月) ~雇用者数が減少も

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2015年11月)発表日:2015年12月25日(金)
~雇用者数が減少も、均せば増加傾向持続~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
09
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
1.3
完全失業率(季節調整値)
2
1.9
1.2
有効求人倍率
1.1
新規求人倍率(右目盛)
1.8
1.7
1.6
1
1.5
0.9
1.4
0.8
1.3
1.2
0.7
1.1
1
0.6
10
11
12
13
14
15
0.9
0.5
0.8
0.4
(出所)総務省統計局「労働力調査」
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
0.7
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○雇用者数は大幅減だが、均してみれば堅調
総務省から発表された2015年11月の完全失業率は3.3%と、前月の3.1%から0.2%ポイントの悪化となった
(市場予想:3.2%)。季節調整済みの就業者数が前月差▲38万人(10月▲3万人)、雇用者数が前月差▲38
万人(10月+12万人)とそれぞれ大きく減少しており、内容も前月から悪化している。
ただ、後述の通り、求人動向が好調なことを踏まえると、就業者数、雇用者数についてはこれまで順調に
増加していたことの反動の面が大きそうだ。来月も大きく落ち込むようだと話は別だが、現時点では単月の
振れとみておくのが自然だろう。また、失業率についても、前月に急低下(3.4%→3.1%)した後だけに、
多少の上昇は問題ない。失業率の水準は依然非常に低く、労働需給の引き締まりが示されている状況に変わ
りはない。均してみれば雇用情勢は堅調さを保っていると判断される。
○ 求人は堅調持続
厚生労働省から公表された15年11月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント改善の1.25倍、新規求人倍率
は前月から0.10ポイント改善の1.93倍となった。新規求人倍率の改善幅が非常に大きい。有効求人倍率は
1992年1月(1.25倍)以来の高水準、新規求人倍率は1991年11月(1.94倍)以来の高水準であり、労働需給
の引き締まりを示す結果と言える。
有効求人数は季節調整済み前月比+1.2%、新規求人数は前月比+0.3%と、ともに2ヶ月連続の増加だっ
た。新規求人数は10月に前月比+5.0%もの増加となり、反動減が予想されていたが、11月も小幅とはいえ増
加した。求人数は着実な改善を続けており、好調が持続していることが示された。
2015年の景気は全般的に低調な推移が続いた。筆者はこの景気停滞の影響が雇用に波及してくる結果、雇
用も伸び悩んでくると予想していたが、筆者の想定以上に雇用情勢は好調さを保っている。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
(万人)
6450
(万人)
5700
就業者数(季調値)
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
雇用者数(季調値)
5450
6200
08
09
10
11
12
13
14
08
15
09
10
11
12
13
14
15
14
15
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
(万人)
有効求人数(季調値)
新規求人数(季調値)
95
260
90
240
85
80
220
75
200
70
65
180
60
160
55
140
50
45
120
08
09
10
11
12
13
14
15
08
09
10
11
12
13
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。