Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2016年6月)発表日:2016年7月29日(金)
~雇用情勢は好調持続~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
09
1.4
完全失業率(季節調整値)
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
1.3
有効求人倍率
1.2
新規求人倍率(右目盛)
2.2
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
10
11
12
13
14
15
16
0.4
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○雇用は着実に増加
総務省から発表された2016年6月の完全失業率は3.1%と、前月から0.1%Pt改善した(市場予想:3.2%)。
これは1995年7月以来の低水準であり、労働需給が引き締まった状態にあることが示されている。
季節調整済みの就業者数は前月差+47万人(5月+2万人)、雇用者数が前月差▲1万人(5月+3万人)
と、特に就業者数の増加が大きかった。月々の振れは大きいものの、均してみれば就業者数、雇用者数とも
引き続き増加基調にある。また、前年比でみると就業者数が+1.1%、雇用者数が+1.3%と高い伸びとなっ
ている。就業者数、雇用者数とも、昨年と比べて伸びが拡大傾向にあり、雇用が着実に改善していることが
みてとれる。
○ 求人も好調持続
厚生労働省から公表された16年6月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント改善の1.37倍、新規求人倍率
は前月から0.08ポイント悪化の2.01倍となった。有効求人倍率は4ヶ月連続の改善で、1991年8月以来の高
水準となっている。新規求人倍率は低下したが、4、5月に急上昇した反動の面が大きく、均してみれば非
常に好調な状況が続いていると判断される。また、より企業の求人意欲の実態を示す求人数を見ると、有効
求人数が季節調整済み前月比+0.4%(5月:+0.3%)、新規求人数は前月比▲2.3%(5月:+3.1%)と
なっている。新規求人数は反動から減少しているが、均せば順調。求人の増加傾向に変化はない。このよう
に、雇用者数の動きに先行する求人数が改善傾向を続けていることからみて、先行きも雇用情勢は堅調さを
持続する可能性が高いだろう。なお、有効求人数、新規求人数を前年比でみても、昨年と比べて伸びが高ま
っているように見える。景気は停滞感の強い状態が続いているが、求人数はむしろ伸びが加速しているよう
だ。こうした良好な雇用情勢は、景気の停滞感が強いなか、数少ない好材料である。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
(万人)
6500
(万人)
5750
就業者数(季調値)
6450
5700
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
雇用者数(季調値)
5450
6200
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
有効求人数(季調値)
260
新規求人数(季調値)
105
240
95
220
85
200
75
180
65
160
55
140
120
08
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
16
45
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。