Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2017年1月)発表日:2017年3月3日(金)
~雇用情勢は引き続き良好~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
2.8
09
完全失業率(季節調整値)
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
1.6
2.3
2.2
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
有効求人倍率
1.4
新規求人倍率(右目盛)
1.2
1
0.8
0.6
10
11
12
13
14
(出所)総務省統計局「労働力調査」
15
16
17
0.4
09
10
11
12
13
14
15
16
17
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○雇用は改善傾向持続
総務省から発表された2017年1月の完全失業率は3.0%と、前月から0.1ポイント改善した(市場予想:
3.0%)。極めて低水準での推移が続いており、労働需給が非常に引き締まった状態にあることが改めて確認
できる。
季節調整済みの就業者数は前月差+5万人(12月+20万人)、雇用者数は前月差▲12万人(12月+30万人)
だった。雇用者数は減少しているが、前月に大きく伸びた反動に過ぎない。就業者数、雇用者数とも明確な
増加基調にあると判断される。また、最近の傾向として、女性に比べて改善が遅れ気味だった男性の雇用者
数が伸びを徐々に高めていることも注目される。雇用の頭数だけでなく、内容も良化傾向にある点は好材料
だろう。雇用情勢は非常に良好だ。
○ 求人も増加基調
厚生労働省から公表された17年1月の有効求人倍率は1.43倍と前月と同水準、新規求人倍率は2.13倍と前
月から0.6ポイントの低下となった。極めて高い水準での推移が続いており、労働需給の引き締まりを示す結
果といえる。また、より企業の労働需要を適切に示すと考えられる有効求人数は季節調整済み前月比+0.6%
(12月:+1.5%)、新規求人数は前月比▲2.9%(12月:+2.7%)だった。新規求人数の減少幅が大きいが、
前月不自然に急増した反動に過ぎない。有効求人数、新規求人数とも増加傾向は明確であり、企業の求人意
欲が引き続き旺盛であることが確認できる。雇用者数の動きに先行する求人数が改善傾向を続けていること
からみて、先行きも雇用情勢は堅調さを持続する可能性が高いと思われる。年内にも、失業率の2%台突入
が実現する可能性が高いだろう。
17年も賃金の伸びに期待できないことに加え、コスト高を背景に物価上昇が予想されていることも消費に
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
はマイナスだ。17年も消費には期待できないだろう。もっとも、雇用者数の増加が引き続き見込める分、個
人消費が減少するという事態は避けられると予想している。
(万人)
6550
(万人)
5800
就業者数(季調値)
雇用者数(季調値)
5750
6500
5700
6450
5650
6400
5600
6350
5550
6300
5500
5450
6250
08
09
10
11
12
13
14
15
16
08
17
(出所)総務省「労働力調査」
09
10
12
13
14
15
16
17
15
16
17
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
(万人)
11
有効求人数(季調値)
新規求人数(季調値)
105
280
260
95
240
85
220
75
200
180
65
160
55
140
45
120
08
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
16
17
08
09
10
11
12
13
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(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。