労働力調査・一般職業紹介状況(2016年1月)

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2016年1月)発表日:2016年3月1日(火)
~雇用情勢は引き続き良好~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
09
完全失業率(季節調整値)
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
1.3
1.2
有効求人倍率
1.1
新規求人倍率(右目盛)
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
10
11
12
13
14
(出所)総務省統計局「労働力調査」
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
15
0.4
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○雇用者数は増加傾向維持
総務省から発表された2016年1月の完全失業率は3.2%と、前月から0.1%ポイント改善した(市場予想:
3.3%)。失業率の水準は依然非常に低く、労働需給の引き締まりが示されている状況に変わりはない。また、
季節調整済みの就業者数が前月差+61万人(12月+28万人)、雇用者数が前月差+50万人(12月+26万人)
と大幅に増加するなど、ヘッドラインだけでなく内容も強い。雇用情勢は引き続き良好だ。
ただ、就業者数や雇用者数の増加幅については、ある程度割り引いてみた方が良い。今月の就業者数や雇
用者数の増加幅は異様に大きいことに加え、労働力人口なども不自然な急増となるなど、極端な動きとなっ
ている(就業者数、労働力人口とも、前月差では1973年10月以来の増加幅)。単月の振れに加え、季節調整
が上手くかかっていない可能性があるだろう。雇用情勢が堅調という事実は疑いないが、今月の結果は鵜呑
みにしない方が良い。来月以降の結果と均して見るべきだろう。
○ 求人は堅調持続
厚生労働省から公表された16年1月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント改善の1.28倍、新規求人倍率
は前月から0.17ポイント改善の2.07倍となった。有効求人倍率は1991年12月(1.31倍)以来、新規求人倍率
は1991年6月(2.10倍)以来の高水準である。低水準の失業率と同様に、労働需給の引き締まりを示す結果
と言える。
新規求職者数の急減(前月比▲9.1%)によって新規求人倍率の改善が誇張されている面があることに注意
が必要(新規求人数は前月比▲1.0%、有効求人数は前月比▲1.6%)だが、均して見ても、求人動向は堅調
に推移していると判断される。。
2015年の景気は低調な推移となった上、2016年に入っても冴えない経済指標が目立っている。筆者はこの
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
景気停滞の影響が雇用に波及してくる結果、雇用も伸び悩んでくると予想していたが、筆者の想定以上に雇
用情勢は好調さを保っている。
(万人)
6500
就業者数(季調値)
(万人)
5750
6450
5700
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
6200
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
雇用者数(季調値)
5450
08
09
10
11
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
(万人)
6700
12
労働力人口(季調値)
新規求人数(季調値)
95
6680
90
6660
85
6640
80
6620
75
6600
70
6580
65
6560
60
6540
55
6520
50
6500
08
09
10
11
12
13
14
15
16
45
08
(出所)総務省「労働力調査」
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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