Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2016年8月)発表日:2016年9月30日(金)
~失業率は悪化も、雇用情勢は非常に良好~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
2.8
09
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
完全失業率(季節調整値)
1.4
1.3
有効求人倍率
1.2
新規求人倍率(右目盛)
2.2
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
10
11
12
13
14
15
16
0.5
0.4
(出所)総務省統計局「労働力調査」
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○均してみれば改善基調
総務省から発表された2016年8月の完全失業率は3.1%と、前月から0.1%Pt悪化した。もっとも、引き続
き低水準であり、労働需給が引き締まった状態にあることに変化はない。失業の内容をみても、非自発的な
離職が(今月は微増とはいえ)明確な減少傾向にあり、雇用情勢は引き続き非常に良好といって良い。
また、季節調整済みの就業者数は前月差▲12万人(7月+20万人)と減少しているが、これまでの急ピッ
チでの増加からのスピード調整といったところだろう。均してみれば好調持続とみて良い。雇用者数も前月
差▲1万人(7月+11万人)と微減だが、こちらも均せば明確な増加傾向にある。また、前年比でみても就
業者数が+1.3%、雇用者数が+1.5%と高い伸びが続いている。就業者数、雇用者数とも、昨年と比べて伸
びが拡大しており、雇用が着実に改善していることがみてとれる。
○ 求人も増加基調
厚生労働省から公表された16年8月の有効求人倍率は1.37倍と前月と同水準、新規求人倍率は2.02倍と前
月から0.01ポイントの改善となった。有効求人倍率は1991年8月以来の高水準であり、労働需給の引き締ま
りを示す結果といえる。有効求人数は季節調整済み前月比▲0.1%(7月:+0.7%)、新規求人数も前月比
▲0.8%(7月:+1.4%)と、求人数こそ今月はやや減少しているが、ともにこれまでの増加の反動の域を
出ず、均してみると着実な増加傾向持続といった評価で問題ない。
このように、雇用者数の動きに先行する求人数が改善傾向を続けていることからみて、先行きも雇用情勢
は堅調さを持続する可能性が高いと思われる。失業率の2%台突入も、近いうちに実現する可能性があるだ
ろう。個人消費は未だ回復感に乏しい状態が続いてるが、こと雇用情勢に関してはむしろ加速しているよう
にも見える。こうした良好な雇用情勢が、先行きの消費の下支え要因になることが期待される。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
(万人)
6500
(万人)
5750
就業者数(季調値)
6450
5700
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
6200
08
09
10
11
12
13
14
15
5450
16
08
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
雇用者数(季調値)
09
10
11
12
13
14
15
16
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
有効求人数(季調値)
新規求人数(季調値)
105
280
260
95
240
85
220
75
200
180
65
160
55
140
45
120
08
09
10
11
12
13
14
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
15
16
08
09
10
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12
13
14
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。