Economic Indicators 定例経済指標レポートテーマ：労働力調査・一般職業紹介状況（2016年９月）発表日：2016年10月28日(金) ～雇用情勢は好調持続～第一生命経済研究所経済調査部担当主席エコノミスト新家義貴 TEL：03－5221-4528 （％） 5.6 5.4 5.2 5 4.8 4.6 4.4 4.2 4 3.8 3.6 3.4 3.2 3 2.8 09 完全失業率（季節調整値）（倍）求人倍率の推移（季節調整値）（倍） 1.4 1.3 有効求人倍率 1.2 新規求人倍率（右目盛） 2.2 2.1 2 1.9 1.8 1.7 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1 0.9 0.8 0.7 1.1 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 10 11 12 13 14 （出所）総務省統計局「労働力調査」（注）2011年3～8月は、補完推計値を用いた参考値 15 16 0.4 09 10 11 12 13 14 15 16 （出所）厚生労働省「一般職業紹介状況」 ○雇用の増加が止まらない総務省から発表された2016年９月の完全失業率は3.0％と、前月から0.1％Pt改善した。極めて低水準での推移が続いており、労働需給が引き締まった状態にあることに変化はない。今月に関しては、就業者数が減少する一方、労働市場からの退出が増えた影響で失業率が低下しており、良い形での失業率改善ではないことは確かである。ただ、後述のとおり、就業者数は均してみれば明確な増加基調にある上、雇用者数も順調過ぎるほど順調に増えている。雇用情勢は引き続き非常に良好と評価して構わない。季節調整済みの就業者数は前月差▲15万人（８月▲12万人）だった。２ヶ月連続で減少しているが、これまでの急ピッチでの増加からのスピード調整といったところで、特に問題はない。また、16年に入ってから、自営業主・家族従業者が月ごとに大きく振れていることが撹乱要因になっていることも、ここ２ヶ月の就業者数減に影響している。就業者数は均してみれば好調持続とみて良い。また、季節調整済みの雇用者数は前月差18万人（８月▲１万人）とはっきり増加となった。こちらも明確な増加傾向にある。なお、７-９月期でみると、就業者数は前期比＋0.6％、雇用者数は＋0.3％と着実に増加を続けていることに加え、前年比でも就業者数が＋1.3％、雇用者数が＋1.5％と高い伸びとなっている。雇用の増加基調が鮮明だ。 ○ 求人も増加基調厚生労働省から公表された16年９月の有効求人倍率は1.38倍と前月から0.01ポイント上昇、新規求人倍率は2.09倍と前月から0.07ポイントの上昇となった。有効求人倍率は1991年８月以来の高水準であり、労働需給の引き締まりを示す結果といえる。また、有効求人数は季節調整済み前月比＋0.4％（８月：▲0.1％）、新規求人数も前月比＋0.9％（８月：▲0.8％）とともに増加している。引き続き、求人数は着実な増加傾向にある。本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。雇用者数の動きに先行する求人数が改善傾向を続けていることからみて、先行きも雇用情勢は堅調さを持続する可能性が高いと思われる。失業率の２％台突入も、近いうちに実現する可能性があるだろう。個人消費は未だ回復感に乏しい状態が続いてるが、こと雇用情勢に関してはむしろ加速しているようにも見える。こうした良好な雇用情勢が、先行きの消費の下支え要因になることが期待される。（万人） 6500 （万人） 5750 就業者数(季調値） 6450 5700 6400 5650 6350 5600 6300 5550 6250 5500 雇用者数(季調値） 5450 6200 08 09 10 11 12 13 14 15 16 08 （出所）総務省「労働力調査」（万人） 09 10 11 12 13 14 15 16 （出所）総務省「労働力調査」（万人）有効求人数(季調値）新規求人数(季調値） 105 280 260 95 240 85 220 75 200 180 65 160 55 140 45 120 08 09 10 11 12 13 14 15 （出所）厚生労働省「一般職業紹介状況」 16 08 09 10 11 12 13 14 15 16 （出所）厚生労働省「一般職業紹介状況」本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。