Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2016年11月)発表日:2016年12月27日(火)
~失業率は小幅悪化も、雇用情勢は非常に良好~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
2.8
09
1.4
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
完全失業率(季節調整値)
2.2
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
有効求人倍率
新規求人倍率(右目盛)
1.2
1
0.8
0.6
10
11
12
13
14
15
16
0.4
(出所)総務省統計局「労働力調査」
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○均してみれば好調さ持続
総務省から発表された2016年11月の完全失業率は3.1%と、前月から0.1ポイント悪化した(市場予想:
3.0%)。もっとも、極めて低水準での推移でありことには変わりなく、引き続き労働需給が非常に引き締ま
った状態にあることが確認できる。
季節調整済みの就業者数は前月差▲11万人(10月+6万人)、雇用者数は前月差▲27万人(10月+16万人)
となった。ともに大きく減少しているものの、これまでかなりのハイペースで伸びてきた反動と考えるのが
妥当だろう。雇用は均してみれば明確な増加基調にあると判断される。また、トレンドとしてみれば、女性
に比べて改善が遅れ気味だった男性の雇用者数が伸びを徐々に高めていることや、非自発的失業者数が着実
に減少していることなど、雇用や失業の内容も良化傾向にある。雇用情勢は引き続き非常に良好だ。
○ 求人も増加基調
厚生労働省から公表された16年11月の有効求人倍率は1.41倍と前月から0.01ポイント上昇、新規求人倍率
も2.11倍と前月から変わらずとなった。有効求人倍率は1991年7月(1.44倍)、新規求人倍率は1991年4月
(2.12倍)以来の高水準であり、労働需給の引き締まりを示す結果といえる。なお、有効求人数は季節調整
済み前月比▲0.1%(10月:+1.4%)、新規求人数は前月比▲0.3%(10月:+0.7%)とともに微減だが、
均してみれば着実に増加している。企業の求人意欲も引き続き旺盛だ。
雇用者数の動きに先行する求人数が改善傾向を続けていることからみて、先行きも雇用情勢は堅調さを持
続する可能性が高いと思われる。失業率の2%台突入も、近いうちに実現する可能性が高いだろう。こうし
た良好な雇用情勢が、先行きの消費の下支え要因になることが期待される。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
(万人)
6500
(万人)
5800
就業者数(季調値)
雇用者数(季調値)
5750
6450
5700
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
5450
6200
08
09
10
11
12
13
14
15
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
08
16
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
有効求人数(季調値)
新規求人数(季調値)
105
280
260
95
240
85
220
200
75
180
65
160
55
140
120
08
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
16
45
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。