Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2016年3月)発表日:2016年4月28日(木)
~雇用情勢は引き続き良好。来月の結果に注目~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
09
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
1.4
完全失業率(季節調整値)
1.3
有効求人倍率
1.2
新規求人倍率(右目盛)
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
10
11
12
13
14
15
16
0.4
09
(出所)総務省統計局「労働力調査」
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○雇用情勢は良好
総務省から発表された2016年3月の完全失業率は3.2%と、前月から0.1%ポイント改善した(市場予想:
3.3%)。失業率の水準は依然非常に低く、労働需給の引き締まりが示されている状況に変わりはない。ただ
し、季節調整済みの就業者数は前月差▲13万人(2月▲58万人)、雇用者数が前月差▲18万人(2月▲14万
人)と減少しており、内容的には前月から改善しているわけではない。
就業者数、雇用者数とも2ヶ月連続の減少だが、ともに1月に異様な急増をみせていただけに、2、3月
に反動が出たと考えるのが自然だろう。就業者数の3月の水準は、1月に急増する前(15年12月)の水準に
戻った程度であるほか、雇用者数は15年12月の水準を上回っている。均してみれば好調持続とみられ、雇用
情勢は引き続き良好と判断している。
とはいえ、雇用の2ヶ月連続減少という数字が気にかかるのも事実。水準的には非常に良好な状態であり、
現時点では特に問題ないと思われるが、仮に来月の数字が悪化し3ヶ月連続減少となるようであれば、「景
気低迷 → 雇用鈍化」というシナリオも再検討する必要が出てくる。その意味で、来月公表の4月分の労働
力調査は要注目だろう。
○ 新規求人数は急減したが・・・
厚生労働省から公表された16年3月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント改善の1.30倍、新規求人倍率
は前月から0.02ポイント悪化の1.90倍となった。
また、より実態を示す有効求人数では前月比▲0.4%(2月+1.3%)、新規求人数は前月比▲6.7%(2月
+1.7%)となった。有効求人数は前月の増加の反動とみられ、好調持続とみて良い。新規求人数の急減は不
可解だが、前月比で過去にないような落ち込みになっている割に前年比では特に不自然な動きはみられてい
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
ないことなどから考えて、季節調整が上手くかかっていないと見るのが自然だろう。4月にリバウンドがみ
られる可能性が高く、求人数の増加基調継続が確認されるとみている。果たしてこの見立てが正しいのかど
うか、前述の労働力調査と併せ、4月の結果が注目される。
(万人)
6500
(万人)
5750
就業者数(季調値)
6450
5700
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
雇用者数(季調値)
5450
6200
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
08
09
10
11
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
(万人)
12
有効求人数(季調値)
新規求人数(季調値)
95
260
90
240
85
80
220
75
200
70
65
180
60
160
55
140
50
45
120
08
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
16
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。