Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
テーマ:労働力調査・一般職業紹介状況(2016年12月)発表日:2017年1月31日(火)
~雇用、求人とも大幅に増加で、ヘッドライン以上に内容は良好~
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
(%)
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
4
3.8
3.6
3.4
3.2
3
2.8
09
完全失業率(季節調整値)
(倍)
求人倍率の推移
(季節調整値)
(倍)
1.6
2.3
2.2
2.1
2
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
有効求人倍率
1.4
新規求人倍率(右目盛)
1.2
1
0.8
0.6
10
11
12
13
14
15
(出所)総務省統計局「労働力調査」
(注)2011年3~8月は、補完推計値を用いた参考値
16
0.4
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
○雇用者数が大幅に増加
総務省から発表された2016年12月の完全失業率は3.1%と、前月から変化なし(市場予想:3.1%)。極め
て低水準での推移が続いており、労働需給が非常に引き締まった状態にあることが改めて確認できる。また
今月は、労働参加率が上昇するなかでの失業率横ばいであり、見た目よりも内容は良好だ。実際、季節調整
済みの就業者数は前月差+31万人(11月▲11万人)、雇用者数は前月差+43万人(11月▲27万人)と、それ
ぞれ大幅に増加している。雇用は明確な増加基調にあると判断される。また、最近の傾向として、女性に比
べて改善が遅れ気味だった男性の雇用者数が伸びを徐々に高めていることも注目される。雇用の頭数だけで
なく、内容も良化傾向にある点は好材料だろう。雇用情勢は非常に良好だ。
○ 求人も増加基調
厚生労働省から公表された16年12月の有効求人倍率は1.43倍と前月から0.02ポイント上昇、新規求人倍率
は2.18倍と前月から0.7ポイントもの上昇となった。有効求人倍率は1991年7月(1.44倍)、新規求人倍率は
1991年2月(2.18倍)以来の高水準であり、労働需給の引き締まりを示す結果といえる。また、より企業の労
働需要を適切に示すと考えられる有効求人数は季節調整済み前月比+1.9%(11月:▲0.1%)、新規求人数
は前月比+5.4%(11月:▲0.3%)とともに大幅に増加している。増加傾向は明確であり、企業の求人意欲
が引き続き旺盛であることが確認できる。
雇用者数の動きに先行する求人数が改善傾向を続けていることからみて、先行きも雇用情勢は堅調さを持
続する可能性が高いと思われる。年内にも、失業率の2%台突入が実現する可能性が高いだろう。こうした
良好な雇用情勢が、先行きの消費の下支え要因になることが期待される。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
(万人)
6500
(万人)
5800
就業者数(季調値)
雇用者数(季調値)
5750
6450
5700
6400
5650
6350
5600
6300
5550
6250
5500
5450
6200
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
08
09
10
11
12
13
14
15
14
15
16
(出所)総務省「労働力調査」
(万人)
有効求人数(季調値)
280
新規求人数(季調値)
105
260
95
240
85
220
200
75
180
65
160
55
140
120
45
08
09
10
11
12
13
14
15
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
16
08
09
10
11
12
13
16
(出所)厚生労働省「一般職業紹介状況」
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。