なぜなに彼女 - タテ書き小説ネット

なぜなに彼女
春日まりも
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︻小説タイトル︼
なぜなに彼女
︻Nコード︼
N8674D
︻作者名︼
春日まりも
︻あらすじ︼
ちょっと変わり者でナゾが多い彼女を好きになってしまった、今
話題の売れっ子アイドルである<俺>と恋されてしまったナゾの多
い<あたし>のなやめる恋物語です。
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プロローグ
髪型はいつも二つぐくり、まるメガネをかけてて、今時の子として
はめずらしくちゃんと校則を守っている彼女。
勉強はいっつも上位のくせに、体を動かすのはちょっぴり苦手で﹁
もしかして、ドジッコ?﹂って思わせるぐらいよくこける彼女。
さっきまで、女子のグループでみんなを笑わせていたくせに、少し
男子が苦手なのか男子が話かけてくると無愛想になる、ギャップの
ある彼女。
強がっているけれど、実は結構怖がりな彼女。
そして、誰にでも実はやさしい彼女。
俺は・・・
俺はそんな彼女に恋してしまった、自慢ではないが、今話題の売れ
っ子アイドル。
2
プロローグ︵後書き︶
こんにちは。
春日まりもです。
この作品をよんでいただき、本当にアリガトウございます。
まだまだ新米の私ですが、応援よろしくお願いします。
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第1話 カカワリ
ごく普通の日常。
クラスに絶対一人はいるまじめそうな子、藤田舞︽ふじたまい︾は
最近、悩んでいた。
その悩みというのは・・・
﹁見られてる﹂
登下校時はもちろん、移動教室の時も授業中にも・・・・・
﹁そりゃぁ、あれよ、舞は恋されたのよ﹂
そう言ったのはあたしの親友である池田綾香︽いけだあやか︾だ。
﹁恋?そんなわけないよ、だってあたし恋されるたちじゃないもん﹂
﹁まぁ、舞は男に厳しいからな、俺は舞が恋されたどうかより仮に
恋されたとしてどこに惚れられたかに興味あるけどな﹂
今、男っぽく話したのはもう一人の親友である橘優姫︽たちばなゆ
うき︾だ。
﹁そうよねぇ、舞の男嫌いは徹底してるからねぇ﹂
綾香は悩んでるようにため息つきながら言う。
﹁う、うるさいなー綾香は、あたしは別に男が嫌いじゃないの、ち
ょっと苦手なだけで・・﹂
﹁はいはい、あと、そのダサい髪型とメガネも変えような∼﹂
﹁も∼、優姫まで∼﹂
﹁あっ、そのふくれた顔もかわいいっ﹂
﹁からかわないでよ、あたしは本気で悩んでるんだよっ!﹂
﹁あっはははは﹂
あたし達は移動教室からの帰りだった。
するとそこへ一人の男子が来た。
﹁あのー、藤田さんですか?﹂
﹁そうですけど、何か用ですか﹂
﹁さっき何か渡してくれって頼まれたんすけど﹂
4
そういうと、そいつは手紙を渡してきた。
﹁手紙?﹂
綾香と優姫が興味心身にその手紙を見てくる。
﹁いったい誰から・・・・﹂
あたしが誰からかと聞こうとしたら
﹁確かに渡しましたからね∼﹂
と男は去って行った。
﹁受け取ってしまった﹂
それが最初の<俺>と<あたし>のかかわりだった。
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第2話 シッタトキ
∼舞視点∼
﹁な、なんてベタなんだ・・・﹂
舞は受け取った手紙を読んで仰天した。
﹁ナニナニ、何て書いてあったの∼﹂
﹁俺たちにも見せろよー、舞﹂
綾香と優姫はその手紙が例の︵仮︶舞に恋している人からじゃない
かと内容を読みたがっている。
﹁あっ﹂
ついには二人に無理やりひったくられてしまった。
﹁ちょ、ちょっと、返してよー﹂
舞は返してもらおうとしたがそれはすぐに不可能になってしまった。
なぜかというと優姫に手紙を上に上げられてしまったからだ。
実は舞はこの三人の中で一番背が低いのだ、そして優姫はこの三人
の中では、いや、このクラスの女子の中では群を抜いて一番高い。
綾香なら︵もしかしたら︶まだしも、優姫にやられてはもう、あき
らめるしかない。
舞はそう思い
﹁はぁ∼﹂
とため息をつき大人しくいすに座った。
﹁ナニナニ、・・・藤田舞さんへ お話があるので明日、放課後
裏庭へ来てください。・・
・だってさ﹂
﹁うわっ、何てベタなのー、そりゃ男子に告られた事のない舞だっ
て﹃なんてベタなんだ﹄って思っちゃうね∼﹂
﹁う、うるさいな∼、そういう経験なくて悪かったですねっ!﹂
﹁はいはい、ごめん悪かった﹂
﹁そんなことより、これ、いったい誰が書いたんだ?差出人の名前
6
が書いてないぜ﹂
﹁そうよねえ∼、う∼ん、多分、高橋裕也︽たかはしゆうや︾はあ
りえないと思うわ∼﹂
﹁そりゃそうだろ﹂
舞は今の会話で不思議に思ったことがあった。
﹁その高橋何チャラって、誰?﹂
そう言った瞬間、さっきまで話していた二人が会話をやめ、ありえ
ないって言う顔で舞をみてきた。
﹁うそだろ、仮にもクラスメイトだぜ﹂
﹁そうなの?﹂
もう一度舞はたずねた。
﹁まぁ、舞は男に興味ないからしょうがないか﹂
﹁そうだな﹂
二人は同時に
﹁はぁ∼﹂
と深いため息をついた。
それが舞には気に食わなかったがあえてスルーした。
﹁あのね、高橋裕也っていうやつはね今話題の人気アイドルの︽Y
UU︾にメチャクチャ似てるという、女子の間ですっごく人気の男
子よ﹂
﹁ふぅーん、そうなんだ﹂
﹁﹃ふぅーん﹄って、それだけっ!﹂
﹁うん、それだけ﹂
舞がそう言った瞬間、二人は
﹁ありえない﹂
と言ってまた、
﹁はぁ∼﹂
とため息をついた。
﹁いったい、何回今日はため息の音を聞いただろうか?﹂
舞は手紙のことなど忘れてそんなことを考えていた。
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悲しいかな、それが<あたし>が<おれ>を初めて知った時だった。
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第2話 シッタトキ︵後書き︶
こんにちは、春日まりもです。
評価でご指摘されたので、今回から<∼視点>と書くことにしまし
た。
この作品を読んでくださった皆様、本当にアリガトウございます。
もしよければ、これからもよろしくお願いします。あと、またまた
もしよければ、私の勉強になるので評価してもらえたらと思ってい
ます。
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第3話 ショウタイ
∼<俺>視点∼
夜も更けてきた午後七時代。
俺は車の中にいた。
﹁次の予定は○○テレビでの﹃芸能人、料理の腕前は?﹄で審査員
としてゲストでPM7:30から収録あるから、よろしく﹂
車を運転しながら俺の横で次のスケジュールを言ったのは、俺のマ
ネージャーである川崎美知子︽かわさきみちこ︾さんだ。
俺がデビューして以来ずっと一緒の彼女は結構まじめで姉御肌な独
身の二十七歳だ。
彼女いわく、
﹁女の魅力は二十代後半から﹂
らしく、趣味は﹃美容の研究﹄だそうだ。
俺は﹁美知子さん﹂と読んでいる。
そういう、俺の名前は高橋裕也、十六歳。
そして、今話題のアイドル<YUU>でもある。
最近は学校でも﹁似てる﹂と噂されているらしい、親友の泉悠介︽
いずみゆうすけ︾に聞いた事だが。
﹁やっぱり、メガネだけじゃいつかバレルかな∼﹂
俺がそんな事を車の窓から見える景色を見ながら︵といっても見え
るのは車と高いビルだけだけどね、今走ってるとこ高速道路だし・・
・・・・︶悩んでいると、
﹁何、悩み事?﹂
と美知子さんが聞いてきた。
﹁う、うん、まーねぇ﹂
﹁そう、何かあるなら相談しなさいね﹂
俺は美知子さんに聞かれて思い出した事があった。
﹁そういえば、今日、悠介に勝手に藤田さんに手紙出されたんだっ
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た﹂と。
実は今日の昼休み、クラスの男子達による恋の話、つまり女子で言
う“恋バナ”に無理やり誘われてしまた。そこで、自分の好きな人
を皆それぞれ言っているのだが、はじめ俺は何も言うつもりはなか
った。しかし、その話の中に藤田さんが出てきて、
﹁俺この前、あいつに何もしてないのに睨まれた﹂
とか、
﹁俺もただ、あいつに、先生に伝えといてと言われた事を言おうと
呼び止めたらいやな顔された﹂
など藤田さんの悪口を言い始めて最後に
﹁あいつはない、ない﹂
と言われたので、俺はちょっとカチンときて、だれにも聞かれない
ように
﹁藤田さんは実はちょっと男が苦手なだけなのに﹂
と言ったら、見事に隣にいた悠介にそれを聞かれており︵あいつの
耳は地獄耳だっ︶、昼休みも終わり、五限目が終わった後に
﹁お前、藤田のこと好きだろう﹂
と言われ、ギクってした俺を見て
﹁そう思って、俺がお前の代わりに手紙渡しておいたぞ﹂
と言われた。
その時の俺の顔は凄かっただろう。
それを聞いたとき、正直俺は、初めて親友を怨んだ。
﹁よくも余計なことをっ!﹂と。
それが後でその親友に感謝する事になろうとは・・・・・・
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第4話 イグスリ
∼<裕也>視点∼
﹁さ、ついたわよ﹂
さっきまで明日のことについて悩んでいた俺は美知子さんにそう言
われて初めて目的地に着いたことに気づいた。
﹁あ、もう着いたんだ﹂
﹁着いたけど・・・・・・どうしたの?
さっきからボーとしてたけど・・・・・・﹂
美知子さんが心配な顔で俺を見てくる。
﹁ど、どうもしてないよっ﹂
﹁そう?
そうならいいけど・・・・・・﹂
﹁ほ、本当に大丈夫だからっ﹂
俺はそう言いながら、
﹁俺ってそこまで心配されるような顔で悩んでたのか?﹂
と思いながら○○テレビ局のビルに入った。
∼○○テレビ局内∼
﹁よろしくお願いしますっ!﹂
俺は局内で会う人、会う人にきちんと言う。
﹁おうっ、よろしくな﹂
言った相手から返事が返ってくる。
まだまだ、新米な俺の挨拶にこうやってほとんどの人が快く返事を
返してくれるが中には嫌な顔をしながら
﹁はいはい﹂
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と手であしらう人もいる。
﹁まぁ、まだ新人だからしょうがないか﹂
と俺は思いながら今夜収録するスタジオに向かう廊下を歩いていた。
ちなみに美知子さんはお手洗いに行っている。
俺がスタスタと廊下を歩いていると前方から顔なじみの奴がやって
きた。
﹁よっ﹂
たく
奴はそう言いながら片手を挙げた。
﹁拓っ!
お前もこっちで仕事か?﹂
たかはしたく
﹁おー、でももう終わったけどな。
今から帰るところだよ﹂
この奴というのは名︵芸名︶を高橋拓といい、俳優を目指している。
俺と同じ事務所の同期で、しかもこっちの世界︵芸能界︶での唯一
同年代の友人だ。
しかし、お互い本名などプライベートは知らないが・・・・・・。
﹁何の仕事だったんだ?﹂
﹁雑誌の撮影。
そういうお前は今から仕事か?﹂
﹁うん。
俺は今から﹃芸能人、料理の腕前は?﹄で仕事だよ﹂
俺がそう言った瞬間、さっきまで普通だった拓の表情が見る見る内
に変わり何だか顔色が青くなった。
﹁マ、マジかよ・・・・・・。
お前、それって‘食う’方?
それとも‘審査’の方?﹂
拓が恐る恐る俺に聞く。
﹁何でそんなに顔色が悪いんだ?﹂
と俺は疑問に思いながらも
﹁‘審査’の方だけど?﹂
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と答えるとますます拓の顔色が悪くなった。
そして急に俺の肩をガシッと掴んで真剣な表情で俺を見た。
﹁実は俺も一度、それに審査員として出たことがある﹂
﹁へぇー、そうなんだ﹂
﹁そんな俺から大ィーー事な友人へアドバイスをやる﹂
﹁アドバイスって?﹂
﹁いいか、よく聞けっ。
今からでもまだ間に合うだろう、後でマネージャーにでも買って
もらうといい。
胃薬をっ﹂
その瞬間、俺は
﹁八ッ?胃薬?﹂
と驚いた。
でも、この友人のアドバイスは後で俺の命を救うことになったのだ。
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PDF小説ネット発足にあたって
http://ncode.syosetu.com/n8674d/
なぜなに彼女
2012年10月18日16時30分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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