朝日がさすまで - タテ書き小説ネット

朝日がさすまで
みやこ
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タテ書き小説ネット[X指定] Byヒナプロジェクト
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︻小説タイトル︼
朝日がさすまで
︻Nコード︼
N7362BA
︻作者名︼
みやこ
︻あらすじ︼
﹁目覚める日﹂の志賀千晶と三崎透の、学生時代のおはなし。馴
れ初めとかアレとかソレとか。お酒はほどほどに。
1
前編︵前書き︶
﹁目覚める日﹂のBefore
Storyです。が、特にあちら
をお読み頂かなくとも大丈夫なハズです。
2
前編
ふと目覚めると、薄暗い部屋のふすまが視界に入る。
見覚えのない景色に一瞬混乱を来たすけれど、徐々に思い出してく
る。
そうだ、今日はゼミの仲間と卒論完成打ち上げで温泉旅館に来てい
たんだった。
お酒を飲む場は好きだけれど、とにかく弱い私。
ある程度を超えて飲むと、とたんに眠くなる。
この後帰らなくてよいという気の緩みから、いつもよりつい過ぎて
しまった。
そして例によって例のごとく寝オチ、と。
飲み部屋から移動した覚えはないけれど、誰か連れてきてくれたの
かな、
とそこまで思い出し、ようやくホッと落ち着いた。
とたんに急に喉の渇きを感じる。
お酒を飲むと、なんでか喉が渇くんだよなぁ。
廊下の向こうから、飲みに興じる仲間たちのにぎやかな声が聞こえ
てくる。
目も覚めたし、もう一度あちらに戻ろうと決めるも、なぜか身体が
動かない。
足、腰にがっちりと絡みつく何か。
無理やり背後に顔を向ければ、見慣れた透の寝顔。
ああ、部屋に運んでくれたのは透だったのか。
三崎透とは大学3年の終わり頃から付き合っている。
3
3年のゼミの進振りで初めて会い、その後、週一のゼミ会のたびに
色々と話すように。
共通点の多い男で、音楽や好きな作家、好きな店、好きな服、好き
な食べ物、好ましいと思うものが、あれこれ、本当に似ていた。
自分の持っている本を貸し、相手の持っているCDを借り。
親しくなるのに時間はいらず、昔からの仲間のように過ごすように
なっていった。
ゼミの日だけでなく、他日も同じ講義を隣り合って受ける。
バイトの休みが会えば、映画を見に行く。
周囲からは﹁付き合ってるの?﹂と訊かれたけれど、そんな関係じ
ゃなかった。
﹁親友だよ!﹂と胸を張って答えていた。
変化があったのは、3年の終わり頃のこと。
ゼミ合宿で同じゼミの仲間である別の男に告白されたのがきっかけ
だった。
あまり異性と﹁付き合う﹂ことに興味が持てずにいた私は、過去に
も何人かの男性に告白めいたことをされたけれど、全てお断りして
きた。
この時も、あまり良く知らない彼に、同じ理由で断りの言葉を告げ
ようとした。
﹁でも、志賀さんは俺のこと良く知らないでしょ?
だから少しでいいからまずは俺のこと知って。
それから考えて。返事は急がないから﹂
と先回りして言われてしまい、言葉をなくした。
結局その日はそのままサヨウナラをして帰った。
それからも、大きな変化はなかった。
件の彼とはたまにお話をするようになっていた。
押し付けがましくない程度に私に近付いてくる彼の態度は、もしか
4
したら﹁付き合う﹂ならこういう相手がいいのかもと思わせるのに
十分だった。
透との関係も相変わらずだった。
週末は映画を見に行こう、と、好きな監督の新作に胸を躍らせ約束
していた。
迎えた週末、待ち合わせの場所にやってきた透はなんだか変な顔を
していた。
あんなに楽しみにしていた映画なのに、見終わった後も楽しんだ様
子がない。
映画後は即カフェに行き、﹁あの役者がこんなことを﹂﹁あそこの
伏線は﹂などという話を交し合うのが常だったが、カフェに入って
からの透はいつもより無口だった。
﹁期待はずれだったの?﹂と訊くと﹁いや、違うんだけど﹂と答え
る。
なにがなんだかわからない。
体調が悪いのかと思い、残念だけれど帰ることを申し出てみた。
けれどもう少し話したいと言われ、結局私の家へと向かうことにし
た。
私の家に透が来るのは初めてではない。
物の貸し借りも多いため、月に数度は訪れてくる。
男女の関係ではない私たちは、例え二人しかいない家、という密室
空間であっても、女友達と一緒であるのと変わらないと思う。
そもそもわが家は母との同居だ。
仕事に出ている時間が多くて、ほとんど二人きりだけれど。
でもそもそもの友人関係からして、何かあるなんて思うほうが失礼
だろうな。
5
今日は夜まで仕事と聞いていた母はやはり不在。
ひとまず押し黙ったままの透を居間に通し、お気に入りのクッショ
ンとテレビのリモコンを渡して、台所へ向かう。
何か思い悩んでいる様子の透の口を割るには、やはり酒かな。
まだ夕方になったばかりだけれど、たまにはこんな日もいいかと用
意する。
母子共に飲めぬ酒がうちに常備されているのは、透と酒豪の女友達
の持込だ。
私たち親子用には自家製の梅酒もあるけれどね。
私用にごくごく薄めた梅酒と、透用のボンベイサファイアとロック
グラス、昨日の残り物の惣菜を準備して部屋に戻ると、入ってきた
ときのままコートも脱がずに体育座りする透の姿。
﹁・・・なんかあったの?﹂
とさすがにこちらから訊きたくもなるよ、その姿。
石油ストーブに乗せたやかんからしゅんしゅんと湯気の経つ音がす
るころ、ようやく透の口が滑らかになりだした。
映画の感想、キャスティングの良し悪し。
いつもよりその内容は浅かったけれど、それでもようやくいつもの
調子に戻ってきてくれてホッと一息ついた頃、爆弾は落とされた。
﹁千晶はさ、山口と付き合うの?﹂
﹁ななななんで山口くんと、あれ、話したっけ?﹂
あ、山口くんって、アレね。先日告白してくれたゼミ仲間の子。
いや、話してないはず。こんな話どう話したらいいんだかわかんな
い。
﹁いや、昨日の男飲みで山口がそんなことを言っててさ。
もし付き合うんなら、こんな風に週末一緒に過ごすのも、さ。
千晶のお母さんがいたとしてもまずいよな、と思ってさ、ちょっ
6
と。﹂
予想外の悩みネタに驚いた。
いや、本当に驚いた、驚いた。
﹁いや、申し出を頂いたのは確かだけど、でも、その、お返事はま
だしていません﹂
﹁いつもみたいに断ってないんでしょ?付き合うの?﹂
畳み掛けるように問われ、だんだん考えるスピードが追いつかなく
なる。
﹁えええ、わかんないよ!だって付き合うとかよくわかんないし。
あと付き合ったら友達と仲良くするのはだめなの?
映画は透と見に行きたいんだけどなぁ!﹂
うん。
たとえ山口くんにこの先好意を持てて、お付き合いするようになっ
たとしても、映画は透と見に行きたい。あとライブも透とがいい。
同じものを同じように楽しめる人がいい。
無理に付き合ってもらうのイヤだし、見た後はすぐに感想を言い合
いたい。
そこまでセットで楽しいんだもの。
透はその辺、全部問題なくクリアできる人だからなぁ。
どうしよう、お付き合いってそういうことに制約をかける関係なの?
だったら全然付き合うとかいらないんだけど、それって、どういっ
たらいいんだ?
と、混乱しながら考えていたことは全部口から出ていたらしい。
私の口めェ・・・。
﹁俺がもし山口の立場だったら、いやだと思うんだよね。
﹃付き合う﹄ってさ、たぶん﹃特別﹄って約束を言うんだと思う。
﹃特別﹄は他よりも優先されていて欲しいと思うんだよ、きっと﹂
7
あー、そうなんだ、もし透に﹃特別﹄が出来たら、私も遠慮しなき
ゃいけなくなるってことなのか。
それは困るなぁ、イヤだなぁ。
﹁うん、たぶん。他の女の子にこの関係は理解してもらえないと思
う﹂
・・・本当に締りのない口だ。
考えていることダダ漏れか。
別にね、透に自分のことを常に優先してほしいなんて思っていない。
共有できなさそうな趣味、例えば透のゲーム、私の歴史小説。
これは今だって別々に楽しんでいる。
服を買い物に行くには、高校時代からの女友達と一緒が楽しい。
ゲーセンに行く透は、男友達と一緒だ。
ただ、たまたま透とは共有できるものが多くある。
そして共有して楽しく過ごせる。
だから一緒にいる時間が多くなっているだけなんだけれど。
・・・その多いってことがハードルになるのか。
急に黙り込んだ私に、透は取り成すように語りかける。
﹁でも俺も、映画もライブも千晶と行きたいんだよ。
やっぱり千晶と行くのが一番面白いんだよな。
一人で行くのもつまらないし、行かないって選択肢はもっとない。
だったらさ、一緒に行くのは千晶、って約束を作っちゃえばいい
と思うんだ﹂
そのときの私は、疑問符だらけの顔をしていたと思う。
﹁だからさ、俺と付き合おうよ、千晶。
そしたら誰にも文句なんていわれないじゃない?﹂
その提案はとても魅力的に聞こえたんだ。
8
始まりにおいて、私と透の間に異性間の愛情はなかった。
だから付き合うといっても、今まで通りの関係からそう大きくは変
わらない。
ただ、以前より二人の間にあった距離は近付いた。
近付くことで、より親愛の情は深まった。
そんな相手への好意を示す表現として手をつなぎ、キスをし、そし
てセックスもするようになった。
私は初めてで、透の方はわからない。
とりあえず私たちはその回数も内容も淡白なんじゃないかと思う。
もちろん誰かと比べっこしたことがある訳じゃないから、推測。
誰かと繋がる約束って、結構幸せなもんなんだなぁ、と感じていた。
穏やかで、優しい時間だった。
そんな透だけど、酔うととたんに面倒くさくなる。
とにかく絡む、絡む、絡む。
誰に対しても、じゃない。
私に対して絡む。
好きだの愛しているだのしつこいくらい繰り返す。
すぐにいたそうとするし、行為自体もねちっこい。
﹁酔うと泣く﹂﹁酔うと陽気になる﹂みたいな感じで、たぶん透は
﹁酔うと愛情過多に﹂なるんだろな、うん。
ホントーーーにねちっこい!
さて、回顧はこの辺にして、現状に頭を向けましょ。
首筋にかかる息は熱い。
これは完全に酔っ払っています、隊長。
・・・危険信号が脳にピッカーンと点った気がします、隊長。
9
隊長って誰。
熟睡しているならば、その隙になんとか腕から抜け出したい。
けれど、このがんじがらめに後ろから絡まった腕と足を外したらさ
すがに起きるかな。
こんな環境で起きられたら、絶対困ったことになるだろう。
これはもう一度寝るしかないよな、と隊長との脳内会議を終え、強
張た身体の力をゆっくりと抜き、目を閉じる。
某国民的人気アニメの猫型ロボットの友人と同じ特技を持つ私は、
こうしてしまえば再び眠りの国まで一直線だ。
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前編︵後書き︶
もう少しつづきます。
11
後編︵前書き︶
終始微エロです。
12
後編
夢を見た。
酔っ払った透に愛されている夢だ。
愛を囁きながら、やさしく愛撫をされる夢だ。
あまりにリアルなその夢は、私の身体に快感までも連れてくる。
全身に震えがくるような快感に思わず目覚めると、あれ、夢、じゃ
なかったの?
先ほどと変わらぬ温泉旅館の一室。
豆電球だけが照らす部屋の中、後ろから抱きしめる透の手が、浴衣
の帯を解かれ解放的になった私の、胸と股の間に、あるんですけど。
あれ、あの、え?
今回の旅の参加者は総勢12名。
男性9名、女性3名。
なので3部屋、男部屋2つ、女部屋1つを手配した。
宴会をしていたのはそのうち男部屋の1つ。
眠くなった人から、それぞれの部屋に行けばいい、という準備もし
てある。
ここが男部屋か女部屋かはわからない。
けれど、つまりいつ誰が入ってきてもおかしくない状況。
頭がしびれるような快感を透の両手から与えられながら、でもその
事がパッと頭に浮かんであわてる。
透、寝ぼけてる!?二人だけだと思ってる?!
﹁ね、透。ちょっとまっ・・・﹂
半身を透の方へと向け、話そうとした途端、透の唇にその言葉の先
を飲み込まれた。
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舌をねじ込まれ、じりじりと歯列をなめ上げられる。
優しくいたずらするかのように触れていた胸への攻撃が、はっきり
と私の快感を引き出す動きに変化する。
下着の上からその形をたどるだけだった右手も、境界を超えるよう
な動きに変わる。
お酒のせいか熱すぎるその手に、私の快感はたやすく引き出される。
ヤバイヤバイこれ、本当にヤバいってば!
キスの合間に、なんとかそれを伝えようとするけれど、もれるのは
快感を告げる声。
あああ、私も酒飲んでいるんだった!
お酒を程よく飲むと、私はいつもより快感が引き出されやすくなる。
酔いが醒めつつある今、絶好調に感じてしまっているじゃないか、
ちょっと待て本当に待ってってば!!!考えられなくなる!
﹁ひゃんっ!ね、とお、る!待ってってば!みんな、が、戻ってく
るってばぁ!﹂
乳首をつまみ上げすりあげられながらも、抑えたトーンで、でも言
うべきことは言うぞとばかりに必死で声を出せば、
﹁大丈夫、この部屋、男部屋じゃないから。
誰も入ってこないから、安心して俺で気持ちよくなってよ﹂
何がなんだかわからないけれど、冷静にならなくても大丈夫である
ことを告げられ、言葉とともに今まで触られずにいた、一番私の感
じる部分を直接ギュッと摘み上げられ、寝ている間から続いていた
緩やかな快感が一気にピークまで引き上げられた。
セックスなんて一番恥ずかしいことをしながら、どこか醒めている
自分がいる。
いつだって快感だけに没頭できることはまずない。
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例えばあんまりおなかについたお肉見られたくないな、だとか。
今日下着何着てたっけ、だとか。
いつもいつも余計なことを考えている。
ついでにマグロだし︵だって何していいかわかんないんだもん︶。
酔うと、羞恥心とかがちょっとどっかに飛んじゃうみたい。
自分から快感を求めるかのように動いちゃうんだよなぁ
などと霞みかかった頭で必死に冷静に分析してみる。
けれど、考え続けることができない。
気をそらすことが出来ない。
ただひたすら追い詰められ、むさぼられる。
いつもなら、足の間に透の頭がある状況なんて恥ずかしすぎて全力
で嫌がる。
なのに、今日は当たり前のように受け入れてしまう。
薄暗い部屋の中で、それでも暗闇に慣れた私の目は、私の白い肌の
上をサワサワと動く透の黒い髪を、はっきりと見てとれてしまう。
お腹なんて快感が生じる場所じゃない。
なのに、そんな髪の毛の動きにまでも快感が呼び覚まされる。
引き出される快感は果てを知らず、見知らぬ場所へ連れ去られる心
持ちがする。
不安になり、つかまるものを探して必死で手を伸ばすと、透がその
片手を伸ばして掴んでくれた。
安心したその瞬間、私の目を見つめながら、じゅるり、というそれ
が何だかなんて考えたくもない音と共に、強く強く快感の芽を吸い
上げられ、同時にナカの入り口付近、私が一番感じるところをなで
上げられる。
残る手の親指の付け根をかみ締め、声にならぬ悲鳴を上げつつ、快
楽の海へ放り出された。
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息も整わないうちに、透がナカに入ってくる。
いつもの、どこまでも穏やかな交わりが嘘のよう。
ただひたすら、性急な動きで自身と私を追い詰める。
両足を顔の横にまで折りたたまれ、強く強く打ち付ける様を私に見
せ付けるかのような透は、このまま首でも絞められるんじゃないか
と思うくらいの獰猛な目をしていた。
マッサージの延長のようないつもの優しいふれあいが、幻と私に見
せ付けるように。
私を見つめながら、汗を散らしながら、血が滲むほどに噛んでしま
った私の左手の代わりに自分の唇を押し付けながら、透が私をさら
に追い上げる。
全身の触覚が、視覚が、嗅覚までもが私を裏切って追い詰める。
ジュプ、グチュン、というどこから聞こえてくるのか考えたくもな
い音までもが私を責めあげる。
どこにも行きたくないのに、どこかに連れ去られそうになる。
全身が熱く敏感になり、汗の滴りさえもが刺激になって私を責めあ
げ、勢いままに奥を突かれた瞬間、私は意識を手放した。
﹁千晶っ﹂という呟きが耳元に注ぎ込まれるのを、遠く聞きながら。
ふと目が覚めると、って今日何度目か。
後ろからきつく巻きついた透の腕と足の拘束、は先ほどに同じ。
違うのは全身異常なまでの倦怠感。
とっくに脱げた浴衣と、ぬるりと汗ばんだ身体。
湿った布団。
そしてナカに入ったままの透。
・・・なんだこれ。
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私の小さな身じろぎに、透が固さを取り戻すのがわかる。
・・・なんだこれ。
﹁いやぁ、汗かいて酔いがさめたなぁ﹂と後ろからのんきな声。
イラッとする。
ムカッとする。
なんだこれ。
﹁・・・事情、説明してもらいましょか﹂
できるだけ冷たく、私のイライラが伝わるような声音で告げる。
なんで、みんなでの旅行中に致してしまっているのか。
なんで、私が寝ている間におっぱじめるのか。
私の納得がいくまで、答えてもらいましょ。
その前に抜いてもらいたいんだけど、身体が動かせないんだけど!
私の出す冷気に気付かぬような、いつもの落ち着いた声音で答える
透。
なに、この温度差。
すっごくムカつくんですけど。
﹁千晶が早々に寝落ちたじゃない?
したら買出しに行っていた4人がさ、なんかいい雰囲気なっちゃ
った訳よ。
付き合い始めるんじゃない、あいつら﹂
﹁それがこの状況とどんな関係が?﹂
﹁まぁ、聞いてよ。
2組がさ、いちゃいちゃ始めてさ、流れで女部屋にいっちゃって。
だから千晶が寝る場所無くなったんだよね。
飲み部屋は騒がしいし、山口とかが居る部屋に寝かせられないし。
仕方ないからもう1部屋取ったんだよ﹂
﹁疑問点は多々あるけど、そこまではわかったことにしとく。
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で、なんで寝てる間に私に断りもなく触ってるのよ﹂
﹁うーん、酔うと千晶触りたくなるんだよねー。
んでちょっと触ってみたらさ。
千晶、寝てるはずなのにいい声で鳴くしさ。つい、うん﹂
﹁・・・じゃあなんでいま入ったままなのよう!﹂
﹁そりゃ、さっき千晶がいつもより気持ちよさそうにしてたからさ、
つい﹂
﹁つい﹂に合わせて、ナカの奥をツン、とつつくように動かしてく
る。
﹁くふぅん﹂
﹁ホラ、いつもより気持ちいいんでしょ?
俺も気持ちいいし、もったいないから出さないで待っとこうと思
ってさ﹂
﹁理由にな、って、ふ、ぁぁぁっ!﹂
﹁うん、千晶の身体は喜んでるよね﹂
﹁ふっ、ふたりだけの、とき、で、ん、ぁぁ、いいでしょ!﹂
﹁でも気持ちいでしょ?ホラ﹂
そのままひたすら苛まれ続けた私は、寝不足の顔に朝日が当たった
瞬間ブチ切れ、裸のままの透を正座させ、﹁もう二度としません﹂
と心からの謝罪を求めたのでした。
しかし、女子部屋に2組ってどんな状況だったんだろう。
絶対に詳細、訊きたくないんだけど。
そして二人で別部屋に消えた私たちがどう思われたか、なんてやっ
ぱり訊きたくない。
恥ずかしくて誰とも顔を合わせられないじゃないか、バカ!
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後編︵後書き︶
なんでっ!みんなでの旅行なのにこういうことするのっ
合意のない相手をどうこうするのは、夫婦間でもレイプなんだよっ!
あたし、同意してないっ
しかもちゃんと避妊してくれてないっ⋮
あたし、本当にこういうの、いっ、いやなの、にっ⋮っ!
2人だけの時しか、いやなの、にっ⋮
と涙目で怒られたところで、のらりくらりと交わしていた透くん平
謝り
千晶ちゃんは明るいとか人前とか絶対NGです。
初心者だからかもしれません。
あと﹁子どもが子ども産んでどうする﹂なので、避妊しないとか絶
対許してあげません。
﹁大丈夫、中に出してないから﹂
﹁それじゃ﹃絶対﹄じゃないんだから!バカ!もう絶対しない!﹂
お許しが出たのは1ヶ月半後、生理が来てからでした。
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オマケ︵前書き︶
フォームが崩れていたのを訂正しました。
内容は変わっていません。
今晩からまた本編を更新致しますので、よろしくお付き合いくださ
いマセ。
20
オマケ
帰りの車中にて
﹁千晶さぁ、割とすぐに寝ちゃったじゃない?﹂
﹁三崎くんがそれからずっと千晶を膝枕して﹂
﹁で、ずーっと千晶をなでなでしてて﹂
﹁千晶が寝たくないーってだだこねてるのをスッゴい優しく宥めて﹂
﹁なんかね、もうそこだけ空気ピンクよ!﹂
﹁あたしら、完全に当てられちゃったもん﹂
﹁外の空気に当たりたくもなる訳よ﹂
﹁ねー!目の毒だったよね?﹂
千晶﹁ああああたし知らない!ごめんなさいだけど知らないもん!﹂
﹁まぁ、とりあえずちょっと外の空気に当たりたくてさぁ﹂
﹁2人で行くのもなぁ、っていうか人恋しいじゃん、千晶のせいで﹂
﹁ね、千晶のせいで﹂
千晶﹁えええだって眠くなっちゃったんだもん⋮﹂
﹁だからさ、前から良いなあって思ってた加藤くんに、
コンビニ行ってくるけど、欲しいものある?ってきいて。
そしたら女の子だけじゃ危ないから、一緒に行くよって﹂
﹁私は小野くーん!小野くん超格好いいよねぇ?
就職もきっちり大手決めてるしさぁ﹂
﹁危ないから、って手をつないでさ﹂
﹁あ、あたし千晶の真似した。
﹃楽しいね、小野くん、一緒にいられて今日すごい楽しい!﹄
って、手をギュッと握って上目遣い﹂
千晶﹁ああたしそんなこと小野くんにしたことないもん!﹂
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﹁当たり前でしょ、私にしたのよ、先週
まぁ、そんで盛り上がってチュウ﹂
﹁あー、そんなんあったのか。こっちはつられチュウだよ﹂
﹁千晶、女相手に女子力発揮するのもったいないよ﹂
﹁男相手に発揮したら、三崎くんが全力で回収するよ﹂
﹁確かに︵笑︶﹂
﹁まぁ、そんなこんなで戻ってきたら千晶完全に寝てて﹂
﹁そこだけピンクなのは変わらなくてさ﹂
﹁しばらく4人で話して。
で、私もちょっと眠くなってきちゃった。
でももう少しお話したかったな⋮、って手をギュッとしながら﹂
﹁したら﹃部屋まで送るよ﹄って﹂
﹁部屋の前で、﹃もう少しだけ、お話しよう?﹄って誘って﹂
﹁お茶飲みながらしばらく話して。
で、眠くなっちゃったね、お布団入ろっかって﹂
﹁それで電気消して、﹂
千晶﹁ちょっ、待って詳しくとか説明しなくていいよう!﹂
﹁えー、だって千晶たちだって朝まで2人で消えたまんまなんでし
ょ?﹂
﹁こんなに﹃オレのモノ!﹄ってマーキング﹂
﹁ねえねえ、三崎くんってベッドでも優しいの?﹂
﹁いや、あれは絶対エロいだろ、ねちっこ﹂
千晶﹁いやあっ!﹂
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オマケ︵後書き︶
男子車では透と加藤くん、小野くんがネホリーナハホリーナ。
たぶんみんな口を割りません。
残りの男子諸君は、同じ宿にいた女子大生グループナンパしたりで、
結局それなりに楽しんだみたいです。
学生時代最後のレジャー︵のひとつ︶ですもの。
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PDF小説ネット発足にあたって
http://novel18.syosetu.com/n7362ba/
朝日がさすまで
2014年3月3日22時26分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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