天使の笑顔 悪魔の素顔 歯車兎 タテ書き小説ネット Byヒナプロジェクト http://pdfnovels.net/ 注意事項 このPDFファイルは﹁小説家になろう﹂で掲載中の小説を﹁タ テ書き小説ネット﹂のシステムが自動的にPDF化させたものです。 この小説の著作権は小説の作者にあります。そのため、作者また は﹁小説家になろう﹂および﹁タテ書き小説ネット﹂を運営するヒ ナプロジェクトに無断でこのPDFファイル及び小説を、引用の範 囲を超える形で転載、改変、再配布、販売することを一切禁止致し ます。小説の紹介や個人用途での印刷および保存はご自由にどうぞ。 ︻小説タイトル︼ 天使の笑顔 悪魔の素顔 ︻Nコード︼ N9874Y ︻作者名︼ 歯車兎 ︻あらすじ︼ ホント、お前って悪趣味。 1 ︵前書き︶ 考えなしに書いたら内容が滅茶苦茶に。 2 ﹁ね、ね、この前話した事ちゃんと考えてくれた?﹂ いきなり家に押しかけて来たと思ったらソレか。 フワフワとした金髪、大きな二重の青い目ん玉をした天使のよう な容姿の古い友人、ニコルは後ろに飼い犬を二匹ほど引きつれて今 俺の家のリビングに居る。ソファにゆったりと腰かけそのすぐ後ろ に犬を立たせている。金髪と茶髪。どっちも初めてみる犬だ。 ﹁何度も言うが、答えはノーだ。﹂ ﹁えぇー、もう良いじゃん!なんで断るの?﹂ プクッと頬を膨らまして不満げなニコル。 いや何も知らなければ可愛いと思うかもしれないけど俺はお前の 素顔知ってるからそれ気持ち悪いだけだからな。 ﹁悪趣味なんだよ。ホントお前趣味悪いよ。﹂ ﹁貴様ッ!﹂ 嫌悪感むき出しで口に出せばニコルの後ろにいた金の犬が一匹吠 える。もう一匹は黙っているが俺にヒシヒシと殺気を向けてくる。 ニコルの躾がなっていないのか、それともバカなのか。まぁ後者だ ろうな。 ﹁⋮躾がなってないぞ。﹂ ﹁心外だね、悪趣味だのなんだのいっておいてさ。でも、ま、今の マスター はパットが悪いよね。﹂ ﹁しかしご主人様!俺は、﹂ 3 ﹁お黙り。﹂ ﹁⋮⋮。﹂ ニコルは後ろを振り返り犬を咎める。パットと呼ばれた犬は飼い 主であるニコルを罵られたから吠えたのだろうが、ニコルは反論を 許さなかった。 まったく良く躾けられているじゃないか。まぁニコルに対してだ けの様だが。ニコルが俺の方に向き直ると悔しそうに唇を噛み締め 俺を睨みつけてきた。 キミ ﹁良いじゃん、アルフィーには金が入る。僕にも金が入る。万々歳 じゃなぁい?﹂ ﹁⋮じゃあ俺が攫った人間はどうなるんだ?﹂ ﹁僕が躾けて変態の金持ちに売るのさ。﹂ ﹁やっぱり悪趣味だ。そうゆう仕事はしたくない。﹂ やれやれとため息をついて傍に置いていた煙草に火をつける。が、 ニコルに取り上げられてしまった。 俺から奪った煙草をふかしケラケラと笑うと大きな目ん玉を歪め てニコルは煙を俺に吹き付ける。 ﹁悪趣味悪趣味って、よく言うよ。死体にしか欲情できない変態の クセに。﹂ ﹁⋮じゃあお互い様って事で。﹂ ﹁アッハハハ!そうだね、お互い様だね。﹂ ニコルにが俺に煙草を返す。パイプに葉は残っておらず灰しかな かった。相変わらず吸うの速いな。 パイプに葉を詰め直し火をつける。吸うと煙が灰を満たすのがわ かる。ニコルに煙が当たらないように横に向いて煙を吐き出すとニ 4 コルが口を開いた。 ﹁で、やるの、やらないの?やるって言え。﹂ はんぶんこ ﹁はいはい、やりますよ。その代り60%だぞ。﹂ ﹁えぇー!僕破産しちゃう!フィフティフィフティで良いじゃん!﹂ ﹁しょうがないな。﹂ ニコルは満足げににっこりと笑うとパチンと指を鳴らした。する と後ろにいた茶髪の犬が手に持っていた鞄から封筒を取り出しニコ ルに渡す。 ﹁ありがとうキット。コレ、攫ってほしい連中の写真と住所。期限 は一週間。﹂ ﹁了解。用意周到なことで。﹂ ニコルは封筒を俺へ渡そうと差し出すが何か思いついたのか思い 出したのか、キットと呼ばれた犬がニコルに耳打ちする。 かお キットはまた鞄から封筒を取り出しニコルに渡す。ニコルは忘れ てたとでも言いたげな表情で封筒を受け取り差し出していた封筒に 受け取った封筒をのせ俺に渡した。 キミ ﹁アルフィー好みの子たちのファイル。全部木曜に葬儀に出される から引き取るのならそれまでにね。﹂ ﹁⋮どうも。﹂ 受け取った封筒を開ける。勿論葬儀屋に今いる奴等の方。こっち の方が仕事より興味あるし。 しかしファイルを見ていると見知った名前があった。ナサニエル、 エドウィン、マシュー⋮、これは確か⋮。 5 ﹁こいつら全部お前の犬じゃないか。死んだのか。﹂ ナット ネッド マット ﹁うん、仕事でヘマしたんだよね。好みって言ってたでしょ?あぁ キミ ナサニエルはとても賢くてエドウィンは忠実でマシューは愛らしか ったのに。アルフィーなんかにはとても勿体ない!﹂ ﹁はいはい、ありがたく頂戴しますよ。﹂ ニコルはまたにっこり笑うとソファから立ち上がる。パットがニ コルにコートを羽織らせる。 ﹁じゃあねー、また来週。﹂ ﹁あぁ、また来週。﹂ ニコルは小さくひらひらと手を振ると玄関へと向かっていく。犬 二匹は俺に嫌々ながらも一礼してからニコルについていく。 が、ニコルが急に足を止める。パットの方に振り向くとその愛ら しい顔の口は三日月のように吊り上っていた。 ﹁そういえばパット、ちゃんとアルフレッドに謝ってないよね?﹂ ﹁っ⋮⋮。﹂ と、急にそんな事を言い出した。退屈嫌いのニコルの事だから俺 の目の前で躾をするつもりなのだろう。まぁ躾という名のニコルの 気まぐれだが。 パットは俯きながら気まずそうにチラと俺を見る。助けを求めて るようだが、俺にはどうにもできない。ニコルは俺の言う事なんて 聞きやしないんだから。 マスター ﹁パートリィーック、僕の言葉、聞こえた?﹂ ﹁は、い⋮ご主人様。﹂ ﹁違うでしょ?アルフレッドになんて言うの?﹂ 6 ニコルはパットの頭と肩ををつかむと無理やり俺へと向かせる。 10センチも身長差があるがパットは抵抗しない。正確にはできな い、だが。 マスター ﹁で、ですが、あの男がご主人様に暴言をッ⋮うっ!⋮ッ!﹂ ﹁言い訳はいらないよ。﹂ ニコルはポケットから小さなスイッチのようなものをとりだすと、 そのスイッチを押した。 パットは小さく唸ると首の首輪に手をかけガクンと膝をつく。電 流でも流れる仕組みなのだろう。それをニコルが思いっきり蹴飛ば し、パットは床に顔が当たる前に手を付けたがニコルがパットの肩 を躊躇も手加減もなく踏みつぶしたためガクッとまた体勢が崩れる。 あれは痛いだろうな⋮。床に右頬を押し付けられる状態でパットが 痛みに顔を歪ませる。 キットが心配そうにパットを見たが動かない。下手に手を出した ら自分も巻き添え食らうからな。 ﹁アルフレッドは僕の古くからの大切な友達なんだよね。﹂ ﹁⋮⋮﹂ ニコルは心底楽しそうな笑みを浮かべながら足をどけないまま、 むしろ全体重をのせながら話す。 その間もパットは痛みに顔を歪めているが唇をかみしめ耐えてい る。まぁ歪めてるっても痛みより悲しげな感じだが。 ﹁犬のお前と対等な立場だと思ってるの?ばっかじゃないの、身の 程を弁えなよね。お前とアルフィーを同じ天秤にかける事なんてこ れから先一生ないんだから。﹂ 7 パットの目からポタリと一粒だけ涙がこぼれた。多分今の痛みじ ゃなくて、心が痛んだんだな。全くニコルも自分が躾けた犬絶対死 んでからじゃないと触らせないくせに。独占欲が強いんだかなんな んだが。あぁ、ただのサディストか。 ﹁ホラ、ね、パットはイイコでしょ?﹂ ニコルは満足したのか足を退ける。 パットはのろのろと立ち上がると俺の顔を見ないまま深く頭を下 げて申し訳ございませんでした、と言った。 ﹁ん、イイコ!﹂ ニコルはとびっきりの笑みを浮かべるとパットの頭をクシャクシ ャと撫でる。 パットは嬉しそうに目を閉じる。 ﹁⋮目の前でSMショーだったりいちゃつくの見せつけるの止めて くれないか。﹂ ﹁なに、混ざりたいの?﹂ ﹁お前らが生きてなかったらな。﹂ ﹁変態。﹂ ﹁サディスト。﹂ ニコルはケラケラ笑うとあ、そうだ!と俺のもとへ近寄ってきた。 ﹁今日泊まって良い?キットパットは床で寝れるからさ。﹂ ﹁えー⋮。襲うなよ?﹂ ﹁アルフィーはタイプじゃない。﹂ 8 ﹁⋮複雑。﹂ ﹁嘘嘘、すっごいタイプ。襲っていい?勿論俺が上ね?﹂ ﹁嫌だ。犬に相手させとけ。﹂ ﹁そうだね4Pもたまには良いかもね。﹂ ﹁違う違うそうじゃない!﹂ あぁ、もう本当、この天使には誰も逆らえないんだ。 9 PDF小説ネット発足にあたって http://ncode.syosetu.com/n9874y/ 天使の笑顔 悪魔の素顔 2012年10月18日16時44分発行 ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。 たんのう 公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、 など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ 行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版 小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流 ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、 PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。 10
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