第2学年 「数と式」 さ 題 1 2 材 「連立方程式 っ さ だ て -左々立を利用して- 」 この題材で身に付けさせたい力は何か ○ 方程式を連立させることの意味や連立方程式の解の意味を理解すること ○ 加減法や代入法の手順を理解し,連立方程式を解くことができること ○ 連立方程式の形に応じて,工夫しながら解くことができること この題材事例で解決しようとしている課題はこれだ 左々立を通して,2つの未知数を求める方法を考え,連立方程式の解の意味を探るよ 3 ここが指導のポイント ○ 左々立を教師が演示することにより,課題への興味・関心を高める。 ○ 具体的な事象の中にある簡単な関係に気付かせ,その関係を利用して問題解決 を図る。 ○ グループ学習を通して,いろいろな考えを大切にし,それに基づいて自分の考え をさらに深めようとする姿勢を育てる。 4 実際に授業をしてみよう 題 材 「連立方程式 (1)目 -左々立を利用して- 」 標 ① 事象の中の簡単な関係に気付き,その関係を利用して問題を解決しようとする。 ② 2元1次方程式や連立方程式の解の意味を理解する。 ③ 加減法,代入法の解き方の手順を理解し,連立方程式を解くことができる。 ④ 文字を2つ含む連立方程式から文字を1つ含む方程式を導く方法を考えることができ, そのよさを見いだすことができる。 ⑤ 形に応じて手際よい処理をし,いろいろな連立方程式を解くことができる。 77 (2)学習指導計画(全6時間) 時 1 主 な 学 習 活 動 ポ イ ン ト 評 価 の 観 点 (本時) ・左々立ゲームの謎を解明しよ ・教師の演示により,なぜそう ・左々立ゲームに潜んでい うと,グループでいろいろな なるかという課題解決への意 る連立方程式に気付き, 考えを出し合う。 欲を高めさせる。 解法を考えようとする。 ・左々立ゲームに潜んでいる連 ・課題解決するためには,どん 立方程式に気付き,解法を考 な方法でもよいことを明確に ・左々立ゲームを通して, える。 し,いろいろな解法を大切に 連立方程式とその解の意 ・左々立ゲームを通して,連立 扱う。 味について理解する。 方程式とその解の意味につい ・x,yの文字を使って,一つ て理解する。 一つ帰納的に数を当てはめ, 2つの条件を満たすx,yの 値を見つける過程を大切にさ せる。 2 ・ 3 ・加減法の意味を理解する。 ・具体的なもので,操作させな ・連立方程式を1つの文字 ・消去の意味を理解する。 がら,具体物と式とを関連さ を消去して一次方程式の ・加減法による連立方程式の解 せ,1つの文字を消去して1 解法に帰着し考えること き方を身に付ける。 元1次方程式として解く考え ができる。 方を大切にする。 ・加減法の原理を理解し, ・減法の縦書きの計算は誤りや それを用いて連立方程式 すので,計算をする際には十 を解くことができる。 分気を付けさせる。 ・式の係数に応じて,効率 ・どのようにしたら1つの文字 的な文字の消去の方法を を消去できるかを強調して指 考えることができる。 導する。 4 ・代入法による連立方程式の解 ・文字に式を代入することは, ・代入法の原理を理解し, き方を身に付ける。 初めてであるため,丁寧に扱 それを用いて連立方程式 う。 を解くことができる。 ・代入した式をかくときは,代 ・連立方程式の2つの式の 入する式を括弧でくくってか 形に応じて,加減法,代 くように指導を徹底する。 入法のいずれかの方法を 選択することができる。 5 ・ 6 ・括弧をふくむ連立方程式を解 ・括弧をはずして,整理した形 ・括弧をふくむ形の連立方 く。 にしてから連立方程式を解く 程式の解法を理解し,そ ことを理解させる。 れを解くことができる。 ・小数係数,分数係数をもつ連 ・x,yの係数が,分数や小数 ・小数,分数係数をもつ連 立方程式を解く。 のまま解く経験をさせ,その 立方程式の解き方を,一 後,整数になおしてから解い 次方程式の解法をもとに た場合を比べさせ,その有効 して考え,解くことがで 性にも気付かせる。 きる。 (3)第1時の指導 ① ねらい ア 左々立ゲームに潜んでいる謎を解明しようとする。 イ 左々立ゲームを通して,連立方程式とその解の意味について理解する。 78 ② 準備物 教師・・・・・・黒板添付用磁石,掲示用のコイン 生徒・・・・・・ワークシート,おはじき ③ 指導過程(1時間目) 学 習 活 動 主な発問と予想される生徒の反応 ○留意点 ★評価の観点 ○黒板に掲示用のコイン30 【教師によるゲームの説明と演示】 枚を準備し,2名の生徒 30枚のコインがあります。このコインを2枚と3枚のグル を指名する。 ープに分けてください。ただし,分けるたびに『サ』と声を掛 ○教師は教室後方に黒板に けてください。それだけで2枚のコインのグループと3枚のコ 背を向けて準備する。 インのグループがいくつかを当ててみましょう。 ○生徒は分けるたびに大き な声を出す。 ○右と左に2枚と3枚グル (1) 掲示用コイン30枚を黒板の上に並べておく。 ープにはっきりと分かれ [○○○○○○○○○○○○○○○ るように掲示させる。 ○○○○○○○○○○○○○○○] (2) ○生徒の実態に合わせて, 指名生徒2名が黒板の前で1名が声を出し,1名が掲示する。 1枚と2枚の分け方でも ○○『サ』,●●●『サ』,●●●『サ』,●●●『サ』 良い。 ○○『サ』,●●●『サ』,●●●『サ』,●●●『サ』 ●●●『サ』,●●●『サ』,○○『サ』, 【種明かし】 『サ』を11回発したの (3) 『サ』の掛け声は全部で11回。 で,1×3=3。 (3) 教師が解答する。 2枚のコインは3つ 「2枚のグループ○○が3つで,3枚のグループ●●●は8つ」 (4) 3枚のコインは8つ これを数回やる。 ★ 【課 題1】 ねらいア ○グループごとに,生徒用 『サ』という掛け声だけで,どうして2枚のコインのグルー プと3枚のコインのグループの数が分かるのか。 おはじきを30個ずつ配 付し実際に操作させ,自 分なりの種明かしを考え させる。 ① 課題1を操作しながら 考える。 ①・表を作って調べる。 ○『サ』の掛け声の数が重 「サ」 10 11 12 13 14 15 要なヒントになることを 2枚 0 3 6 9 12 15 助言する。 3枚 10 8 6 4 2 0 ・実際に図をかいて,その関連を見つ ける。 ② 種明かしを発表させる。 ② ・3枚のグループの数は,30から 79 ○種明かしができたグルー 『サ』の回数の2倍を引いた数。 プに演示させて,確かめ る。 ・2枚のグループの数は,『サ』の ○この単元のまとめで,種 回数の一の位を3倍した数。 明かしを証明すると予告 する。 【課 題2】 『サ』のかけ声が11回の場合の2枚のコインのグループの 数と3枚のコインのグループの数を文字を使って求めることは ③ ★ ねらいイ ○xとyの文字を使い,種 できないだろうか。2枚のグループの数をx,3枚のグループの 明かしの理由を一般化さ 数をyとして考えてみよう。 せながら説明させる。 課題2を考える。 ③ <掛け声の数の式> ・x,yで式をたてる。 ○x,yの値は,整数であ x+y=11・・(1) ることを確認させる。 <コインの枚数の式> 2x+3y=30・・(2) ・(1)のx,yの関係を表 ○方程式と表を関連させな (1)より にまとめる。 ・(2)のx,yの関係を表 がらx,yの値を求めさ x 1 2 3 4 5 6 7 8 y 10 9 8 7 6 5 4 3 (2)より にまとめる。 せる。 ○(2)のyの値が分数であ x 1 2 3 4 5 6 7 8 る場合,題意に適さない y - - 8 - - 6 - - ので考えなくてもよいこ ・(1)(2)の共通の解を求 とを確認する。 める。 ・(1)と(2)の表でx,yが両方同じ値 ○(1)(2)おのおのの条件を をとるのは,x=3 y=8。 満たすx,yの値は無数 ・2枚のコインのグループは3 にあるが,両方の共通す 3枚のコインのグループは8 るx,yは1組だけしか 存在せず,それが解であ ④ ⑤ まとめる。 ることを確認する。 * 2つ以上の方程式を組み合わせたもの(連立方程式) * 2つの方程式が成り立つxとyの値(連立方程式の解) 次時の内容を知る。 ⑤ 次時は実際に連立方程式を解いてみ る学習であることを知る。 5 参考資料 東京書籍 2年資料集「連立方程式」p128~p129 「左々立」(ttp://tani.cn1.jp/ken/97.html) 80
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