2.2 連立方程式の解き方

2 年生 数学 α
第 2 章《連立方程式》
No.15
2.2 連立方程式の解き方
2.2.1 大原則 : 1 文字消去する
1 次方程式を解くときには, 等式変形を用いて x = . . . の形にすることを目標にして解
を求めた. いわば, x という変数が散らばっているのをひとつにまとめる作業をし, だんだ
んと簡単な式に変形していったわけである.
連立方程式を解く場合も, 1 次方程式を解く場合と同様に, より簡単な式に変形していく
わけだが, 1 次方程式の場合と大きく違う点がある. なによりも, :::::::::::::::::::
正体不明な数 x と y の::
2
つがウロウロしていてやっかいである
. そこで, 連立方程式を解くときの一番の目標は, 1
::::::::::::::::::::::::::
つの文字だけに注目し, もう一方の文字にはさっさと消えてもらうことである. そのため
の方法が, これから説明する加減法と代入法である. どちらの方法でも連立方程式は解け
るが, 両方できるようになっておこう.
2.2.2 加減法
次のような連立方程式を解くことを考えよう.
{3x + y = 250
x + y = 150
⃝
1
⃝
2
⃝
1 の左辺から⃝
2 の左辺を引くと, 2x となる. また, ⃝
1 の左辺から⃝
2 の左辺を引くと, 100
となる. したがって,
⃝
3
2x = 100
となる. これは単純な 1 次方程式なので, これを解くと,
x = 50
2 に代入すると,
である. この値を⃝
y = 100
となる. よって, この連立方程式の解は,
(x, y) = (50, 100)
(2.5)
である†2 .
†2
{
x = 50
連立方程式の解の書き方は, 「(x, y) = (50, 100)」の他にも, 「x = 50, y = 100」や「
」
y = 100
のような書き方をしてもよい.
担当:岡崎正悟
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No.16
1, ⃝
2 のように x, y の両方を含む式から, ⃝
3 のように y を含まない式を
このように, ⃝
導くことを「y を消去する」という. 今のように, 1 つの文字を消去するために両辺をひく
のではなく, 両辺をたすことによって 1 つの文字を消去することもできる.
例 2.3
次の連立方程式を, 左辺どうし, 右辺どうしをたすことによって解いてみよう.
{
2x + y = 7
5x − y = 14
以上のように, 連立方程式を解くのに, 左辺どうし, 右辺どうしをそれぞれたすかひ
くかして, 1 つの文字を消去する方法を加減法という.
練習 2.4 次の連立方程式を加減法を用いて解きなさい.
(1)
(2)
{
6x − y = 22
6x + 5y = −2
(3)
{
3x − 2y = 19
5x + 2y = 21
{
x+y =6
−x + y = 10
♣ どちらの文字を消去すれば良いかを考えよう.
次のような連立方程式も加減法で解くことができる.
{x + 2y = 4
⃝
1
⃝
2
2x + 3y = 5
そのまま両辺をたしたりひいたりしても, 1 つの文字を消去することはできない. そこで,
⃝
1 の両辺を 2 倍すると†3 ,
2x + 4y = 8
⃝
1’
1 ’ から ⃝
2 をひけば, x を消去することができる. 実際に計算すると,
となる. これで, ⃝
y=3
1 に代入して,
となる. この値を ⃝
x = −2
を得る. よって, この連立方程式の解は
(x, y) = (−2, 3)
(2.6)
である.
†3
「そんなことしてええんか!?」と思う人もいるかもしれないが, ちょっと前 (プリント No.11) に学習し
た「等式の変形」で【両辺に同じ数をかけても等式としては変わらない】ということが出てきたのを思い
出そう.
担当:岡崎正悟