アメリカ経済のニュースでよく聞く言葉 - 日興アセットマネジメント

2011年1月12日
ご参考資料
Vol.1
61
今回のテーマ
アメリカ経済のニュースでよく聞く言葉
アメリカ関連のニュースをテレビ・新聞で見ない日はありま
新人くん
2010年、日興アセットマネ
ジメントに入社し、営業推
進部門に配属。少しずつ
投信の役割や面白さが
分かってきたが、まだまだ
勉強不足。
せん。たくさんの指標・統計が発表されていますが、どんな
キーワードに注目すればいいのか、アメリカ経済について
調べてみました!
1.連邦準備制度
アメリカで日銀などの中央銀行に相当するのは「連邦準備制度」
であり、「連邦準備理事会(FRB)」、「連邦準備銀行(連銀)」、
「FOMC(連邦公開市場委員会)」という機関があります。
「FRB」は議長をはじめとして7人の理事で構成され、公定歩合
や預金準備率を決定するとともに「FOMC」という会合を開催しま
す。「連銀」は全米12地区にあり、中央銀行の実務として金融機関
へ公定歩合での資金貸し出し、準備預金の預かりなどを担当して
います。
「物価の安定」とともに、
「雇用の最大化」も重視
した金融政策を決める
ところがポイントです。
「FOMC」は、「FRB」の理事7人とニューヨーク連銀総裁、他の地
区連銀から選ばれた4人の総裁で開催し、市場の短期金利の誘
導目標である「公開市場操作」など金融政策を決めます。もし、誘
導目標に変更があれば、ニューヨーク連銀が市場で債券の売買を
行なうことで、FFレートという金利の水準を誘導するんだそうです。
(次のページに続きます)
□当資料は、日興アセットマネジメントが金融用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありま
せん。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点の
ものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもありま
す。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
ご参考資料
「FOMC」会合後、当日中に「FOMC声明文」が発表されます。こ
こには金融政策の決定事項とともに、参加メンバーが経済情勢を
どう見ているか簡潔に書いてあります。
さらに市場関係者は、FOMCの2週間前に出る「ベージュブック」
という、会合での議論のたたき台になる地区連銀がまとめた経済
レポートから金融政策の内容を予測するとともに、FOMCの3週間
後に発表される「FOMC議事録」の発言内容から今後の金利動向
FOMCは6週間ごと、
年間で8回開催されま
すが、市場が急変すれ
ば臨時開催もします。
の先行きも考えるんだとか。
2.雇用統計
アメリカの雇用統計は世界で最も注目される経済指標のひとつで、
もし番付があれば“横綱級”…というのは決して言いすぎではない
ですよね。雇用統計では、「失業率」とともに「就業者数」も重要なん
だとか。
失業率は[失業者÷労働人口×100]と計算されます。失業者と
は、[仕事がない&仕事を探している人]を指します。だから、アル
バイトを始めたり、求職活動を止めてしまうと“失業者”としてカウン
トされなくなるので、短期的な失業率の変動だけで景気を判断する
ことには注意が必要みたいです。
週次の「失業保険新規
申請件数」も、月次の雇
用統計を占うデータとし
て参考にされるそうです。
だからアメリカの雇用統計では、実際に仕事に就いている人を調
べる「非農業部門就業者数」という統計も注目されています。これ
はサラリーマンなど農業以外で、どれくらいの就業者に給料を支
払っているかに着目しているため、失業率より景気の動きに一致す
るといわれています。業種別のデータも揃っていて、その中でも製
造業の変動に注目が集まるそうです。
この2つは労働局が毎月第1金曜日に発表しますが、その2日前
に出る民間調査の「ADP雇用統計」というものもあります。「ADP」
は給与計算を代行する企業で、全米で
55万社・2,000万人以上のデータを持って
いるんだそうです。ただ、必ずしも労働局
のデータと同じ結果が出るわけではない
ので、2日後の雇用統計を占う先行指標
として見られているようです。
□当資料は、日興アセットマネジメントが金融用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありま
せん。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点の
ものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもありま
す。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
ご参考資料
3.個人消費
雇用統計に注目が集まるのは個人消費への影響が大きいから
ですが、当然、個人消費そのものの指標も要チェックですね。
一番注目されるのは、百貨店など小売業の売上をまとめた「小
売売上高」で、毎月第2週に商務省が前月のデータを発表してい
ます。商品項目別のデータがありますが、その中でも自動車は
シェアが大きいとともに変動も激しいため、「自動車を除く小売売
上高」という指標のチェックも欠かせないみたいです。
勤労感謝祭明けからの
クリスマス商戦で、年間
小売売上高の30%を
稼ぐといわれています。
11・12月の「クリスマス商戦」 や8・9月の「新学期商戦」といった
イベント的に盛り上がる消費動向も大事ですよ。なぜなら、このタ
イミングで新商品が発売されたり、値引き合戦が繰り広げられるた
め、アメリカ経済への影響も大きいといわれているからです。
また、「消費者信頼感指数」という一般の人の“消費マインド”を
指数化したものがあります。これはアンケート調査で経済や雇用
について楽観か悲観で答えてもらっていて、実際の消費行動との
連動性が高い指標だそうです。「コンファランス・ボード」という民間
の研究所と「ミシガン大学」の調査によるものがあります。
4.住宅市場
住宅市場は金利や個人所得など、経済情勢の影響を大きく受け
るとともに、家電や家具など耐久財の消費に影響を与えます。「新
築住宅販売件数」は商務省から、「中古住宅販売件数」は全米不
動産協会からそれぞれ毎月25日ごろ発表されます。毎月第3週に
商務省から発表される「住宅着工数」や、その先行指標といわれ
る「住宅建築許可件数」も注目されます。
住宅関連指標は自動
車販売件数と並んで、
景気への反応が早い
指標といわれます。
アメリカは中古住宅市場も発達していて、販売件数は新築の10
倍以上です。だから“資産”としての住宅価格も重要になりますが、
それは「S&Pケース・シラー住宅価格」という指数が参考になるそ
うです。これはスタンダード・アンド・プアーズ社が調べた全米20都
市の売買価格で、2000年1月を100とし、毎月の最終火曜日に
前々月のデータが発表されています。
今回、個人関連の話が多くなったのは、やは
り個人消費がアメリカGDPの70%を占めて
いるからでしょうか。企業活動の指標も重要
ですが、こちらはまたいつか調べます。
次回は新興国に
ついて調べます!
□当資料は、日興アセットマネジメントが金融用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありま
せん。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点の
ものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもありま
す。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。