市場調査室レポート - マネースクウェア・ジャパン

2014 年 1 月 30 日(目)発行 No.003
市場調査室
TOPIC REPORT
FOMC、淡々と QE の縮小継続へ?
・28-29 日の FOMC では前回(12/17-18)に続き QE(資産購入)を 100 億ドル縮小
・景況感の改善が QE 縮小を決定した根拠
・新興国市場の動揺など世界情勢への言及なく、政策決定への影響は限定的だった模様
・バーナンキ議長最後の FOMC で、政策決定は 2011 年 6 月以来の全会一致
・イエレン議長が指揮を執る次回 FOMC(3/18-19)でも、よほどのことがない限り縮小継続か
QE は月 750 億ドル→650 億ドル、2 か月連続で 100 億ドル縮小
今回の FOMC では、前回(12/17-18)に続き、QE(資産購入)縮小が決定されました。QE は毎月 750
億ドル(国債 400 億ドル、住宅ローン担保証券 350 億ドル)から 650 億ドル(同 350 億ドル、300 億ドル)
へ縮小されます。
前回強化されたフォワード・ガイダンス、「失業率が 6.5%を下回っても、物価が FOMC の目標の 2%を下
回り続けるなら、ゼロ金利を長く続ける公算が大きい」との文言に変更はありませんでした。
景況感の改善が QE 縮小の根拠
声明文は前回とほぼ同じ内容でしたが、冒頭の景況判断の部分がやや上方修正されました。「ここ数四
半期、経済活動は高まっている」、「労働市場の指標はまちまちだが、総じて一段と改善した」、「家計支出
や設備投資は、ここ数か月加速した」などです。
新興国市場の動揺などへの言及なし
声明文には、先週からの新興国市場の動揺や、世界的な株価の下落に関連する記述はありませんでし
た。考慮しなかったわけではないでしょうが、それらが米国経済や世界経済を下押ししているとの具体的な
材料を得るまでは、政策決定への影響は限定的なのかもしれません。
それよりも、QE を「段階的」に縮小していくことや、金融緩和の主軸を QE から、利上げに至るまでの道筋を
示す、フォワード・ガイダンスにシフトさせつつあることを、市場に改めて認識させたかったのかもしれません。
バーナンキ議長最後の FOMC は全会一致
政策決定は 10 対 0 の全会一致でした(2 理事が空席)。全会一致での決定は、2011 年 6 月まで遡り
ます。その後は主に金融緩和の縮小を求める「タカ派」の総裁が反対票を投じてきました。年 1 回のローテ
ーションで、今回から投票権を得た「タカ派」とされる総裁たちも、QE 縮小の決定に賛成しました。
次回 FOMC(3/18-19)でも QE 縮小へ?
次回 FOMC(3/18-19)からイエレン新議長が指揮を執ることになります。今後の金融政策は「景況次
第」とのスタンスは変わらないでしょうが、基本路線は「QE を段階的に縮小して、年内に停止」「金融緩和の
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主軸は QE からフォワード・ガイダンスへシフト」だと思われます。景気に変調がみられる、あるいは株価がさら
に大幅に下落して米国景気への影響が懸念される、新興国市場の動揺が拡散して世界経済を下押しする
などの状況がない限り、次回 FOMC 以降も淡々と QE 縮小が続けられる可能性が高そうです。
(チーフアナリスト 西田明弘)
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