【ご参考資料】 2013 年 8 月 27 日 野村アセットマネジメント株式会社 インド為替・債券市場の最近の動向と投資環境について 【インド為替・債券の投資環境】 インドをはじめとする新興国の金融市場は、5月にFRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が、米 国の量的金融緩和を早期に縮小する可能性に言及したことから、投資資金が流出するとの懸念が生じ、不安 定な値動きとなっています。特に資金調達を海外からの資金流入に依存している経常収支赤字国において 影響が大きくなっています。 インドはアジアの中でも高金利国ですが、その背景として、高い成長率と同時に、高いインフレ率、財政収 支の赤字、経常収支の赤字という特徴を有しています。そのため、金融市場が混乱する局面では、懸念が高 まりやすい国でもあります。こういった環境の中、8月26日の外国為替市場では、2013年4月末比較で、インド ルピーは対米ドル、対円ともに▲16%程度のルピー安となっています。 インド準備銀行(中央銀行)は、通貨を下支えするために、7月に市中銀行へ資金を貸し出す際の貸出金 利を引き上げたほか、資金供給枠も制限するなど、様々な流動性引き締め策を実施しています。また、インド 企業の海外への投資制限を強めたほか、海外投資家によるインド債券への投資枠引き上げなどの対策を導 入しています。 また、インドは、お祝い用の宝飾品の需要などから、金の輸入量が世界的にも多い国です。今年の4月以降、 金価格が下落した局面で、金の輸入が急増し、貿易収支の悪化要因となりました。インド政府は、金などの貴 金属の輸入規制を強化することで、貿易収支の赤字を縮小し経常収支の改善を図ろうとしています。 債券市場においては、同中銀による流動性引き締め策や、債券市場からの資金流出懸念などにより、債券 価格が下落(利回りは上昇)しています。5年国債利回りは、2013年4月末の7.55%から8月26日には8.96% (1.41%上昇)となっています。 インドルピーの対円・対米ドルレートの推移 (期間:2008年1月1日~2013年8月26日、日次) (円/インドルピー) 3.0 (インドルピー/米ドル) インド 25 ルピー高 対円(左軸) 30 対米ドル(右軸、逆目盛) 35 2.8 2.6 2.4 40 2.2 45 2.0 50 1.8 55 1.6 60 1.4 65 1.2 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 インド 70 ルピー安 13/1 (年/月) (出所)ブルームバーグデータに基づき野村アセットマネジメント作成 インド5年国債(インドルピー建て)利回りの推移 (期間:2008年1月1日~2013年8月26日、日次) (%) 12 10 8 6 4 2 0 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 (年/月) インド5年国債はブルームバーグジェネリックを使用。 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではあり ません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基 づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、当資料作成日現在の当社の見解で あり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に 関する決定は、お客様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書 (交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 1/2 【ご参考資料】 【今後の見通し】 インド経済にとって、インフレの抑制、財政赤字の改善、経常赤字の改善が大きな課題となっています。 それぞれについて見ると、まずインフレについては、代表的な物価指数である卸売物価指数の前年同月比 伸び率は足元では、通貨安などを受けて高まっているものの、年初の水準からは低下しています。 財政収支についても改善が見られます。経常収支については、2013年1-3月期は181.7億米ドルの赤字と、 前期の317.7億米ドルの赤字に比べて赤字幅が減少しています。2013年4-6月期は金の輸入増加によって 再び悪化することが予想されますが、その後は貴金属の輸入規制強化などを受けて徐々に改善する可能性 があると考えています。 これらの経済指標に改善が見られれば、同国の為替・債券市場にとってプラスの要因になると思われます。 また、米国の量的金融緩和の解除は緩やかに行なわれるものとみられます。そのため、米国の金融政策に 対する不透明感が後退してくれば、インドを含む新興国市場に投資資金が戻り、インドの金融市場は落ち着 きを取り戻すものと考えております。 長期的な観点からは、海外からの直接投資に関する外資の出資制限の緩和や、複雑と言われている税制 の見直しなど、構造改革が行なわれることが経済成長の下支え要因になると思われるほか、人口の多さや中 間層の拡大などにも注目でき、継続的に海外から投資資金が流入すると考えております。 (%) 12 インド卸売物価指数(前年同月比)の推移 (期間:2005年4月~2013年7月、月次) 10 (%) 2 インドの経常収支と財政収支の推移 (期間:2005年1-3月期~2013年1-3月期、四半期) (10億米ドル) 20 0 0 8 -2 -20 -4 -40 -6 -60 6 4 2 0 -8 経常収支(右軸) 経常収支(対GDP比、左軸) 財政収支(対GDP比、左軸) -80 -10 -100 -2 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3 05/4 06/4 07/4 08/4 09/4 10/4 11/4 12/4 13/4 (年/月) (年/月) (出所)ブルームバーグデータに基づき野村アセットマネジメント作成 以上 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではあり ません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基 づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、当資料作成日現在の当社の見解で あり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に 関する決定は、お客様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書 (交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 2/2
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