情報提供資料 ブラジルの投資環境 2013年12月9日 今 月 の ト ピ ッ ク ス 金融政策の注目点 11月27日の通貨政策委員会(COPOM)で政策金利(Selic)の誘導目標は6回連続で引上げられ ましたが、声明文からインフレ抑制に関するコメントが消えたことから、利上げは最終局面に差し掛 かっているとの見方が強まっています。 そこで、今後の動向を占うため、前回の利上げ最終局面を振り返ってみます。前回の利上げ局面は、 2011年7月に終了しましたが、その3回前の4月には利上げ幅が0.5%から0.25%に縮小され、その 後2回、0.25%の利上げを続けました。当時の声明文や議事録によると、2011年4月にはインフレ懸 念と国内外の景気不透明感の両睨みとなり、6月にはインフレ見通しの改善が示されました。 足元の景気は、12月3日に発表された7-9月期の実質GDPが前期比▲0.5%と2009年1-3月期以 来のマイナス成長となり、一連の利上げで成長が鈍化しました。ブラジル中央銀行(以下「中銀」) は景気に対する配慮の必要性を強く認識したとみられます。一方で物価については、11月のインフレ 率は前年比+5.77%とインフレ目標内に収まってはいますが、過去に比べて低下ペースが鈍い状況で す。背景には輸入品が多い家電などの価格上昇があり、レアル安による物価上昇懸念も強いものとみ られます。次回のCOPOM(1月14-15日)は、①利上げの有無や幅、②中銀のインフレ見通しの変 化などが注目されます。 政策金利とインフレ率(前年比)の推移 (%) 14 実質GDP成長率の推移 (2010年11月~2013年11月) 政策金利:左軸 インフレ率:右軸 12 (%) 8 6 (%) (2010年7-9月期~2013年7-9月期) 10 8 GDP成長率(前年比) GDP成長率(前期比) 6 10 4 8 2 インフレ目標2.5%~6.5% 6 10/11 11/11 12/11 0 13/11 4 2 2.2.% 0 ▲0.5% -2 10年7-9月期 11年7-9月期 12年7-9月期 13年7-9月期 (年/月) NEWS 主要2国際空港を民営化、落札価格は合わせて約280億レアルに ブラジル政府は、サッカーW杯の開催地となる 主な民営化入札 8,000 2都市の国際空港の民営化に向けた空港運営権の 落札額 6,000 月/日 件名 売却入札を行いました。 (億レアル) 4,000 落札価格は、約208億レアル(9,131億円*) 150 2,000 10/21 リブラ油田開発権 190 と、ブラジル人の航空機利用拡大による収益増を 0 11/22 ガレオン国際空港運営権 18 -2,000 11/22 コンフィス国際空港運営権 見込んだ投資家の需要を集め、順調な結果となり 11/28 石油・天然ガス鉱区 1.65 -4,000 ました。なお、今後も各種インフラの民営化入札 -6,000 が計画されています。 *1レアル=43.9円(2013年11月末現在)にて換算 03/09 06/09 09/09 12/09 出所:ブルームバーグおよび各種資料が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※当ページの図表は、将来における政策金利とインフレ率、実質GDP成長率の推移および主な民営化入札を示唆、保証するもので はありません。 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、 その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ ん。 1/4 11月の市況と今後の見通し 11月の市況 レアルは米ドルに対して下落しました。1米ドル=2.25レアル近辺で始まったレアルは、足 元のレアル高を受けて中央銀行の通貨安防衛姿勢が弱まるとの観測を背景に月初から軟調な展 開となりました。 中旬には次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長のイエレン氏が、上院公聴会において米国 量的金融緩和の維持を示唆する発言をしたことなどから投資家心理が改善し、2.26レアルまで 反発したものの、月末にかけて財政収支の悪化などを背景に再び下落する展開となり、結局 2.33レアル台で月末を迎えました。 なお、レアルは円に対してほぼ横ばいとなりました。 今後の見通し ブラジル経済については、2013年7-9月期のGDP(国内総生産)成長率が前年比+2.2%と 市場予想を下回るなど、先行きに対する不透明感が漂っています。 レアルについては、今年4月以降、継続的に実施されている利上げによる経済活動への影響 が懸念されることや、財政収支の悪化による国債の格下げが現実味を帯びていることなどから、 引続き上値の重い展開が見込まれます。 しかし、当局が物価上昇の要因ともなる通貨下落への警戒感を解いていないことなどから大 きな下落とはならないものと見込まれます。 プラス要因 ・主要国対比での大きな金利差 ・当局によるレアル安抑制策の実施 マイナス要因 ・国内景気の先行きが不透明な中での当局による金融引締め策の実施 ・投資家のリスク回避による資金流出 ・財政収支悪化などによる国債格下げ懸念 ブラジルレアルの為替レートの推移 レアル高 (2008年11月末~2013年11月末、月次) (レアル/円) (米ドル/レアル) 90 1.1 レアル/円:左軸 80 1.3 米ドル/レアル:右軸(逆目盛り) 70 1.5 (基準日:2013年11月末) 対円 13年11月末 1ヵ月前 レアル安 60 1.7 6ヵ月前 50 1.9 1年前 40 30 20 08/11 2.3 09/11 10/11 11/11 12/11 2.5 13/11 (年/月) 2.33 43.9 (▲ 0.1%) 46.9 (▲ 6.5%) 38.6 (13.6%) 2.1 3年前 対米ドル 43.9 48.8 2.24 (▲ 4.2%) 2.14 (▲ 8.2%) 2.14 (▲ 8.5%) 1.72 (▲ 10.1%) (▲ 26.5%) 5年前 41.1 (6.7%) 2.33 (▲ 0.2%) ※カッコ内は基準日までの期間騰落率 (▲はレアル安を意味) 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来におけるブラジルレアルの為替レートの推移を示唆、保証するものではありません。 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、 その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ ん。 2/4 主要国の政策金利の推移 主要通貨の短期金利 (%) 10 NDF活用 (2013年11月末) 8.76% 8 (%) (2008年11月末~2013年11月末、日次) 14 12 ブラジル 10.0% 10 6 8 4 6 2.56% 4 2 0.11% 0 円 米ドル 豪ドル ブラジル レアル 豪州 2.50% 米国 0%~0.25% 日本 0%~0.10% 2 0.17% 0 08/11 09/11 10/11 11/11 12/11 13/11 (年/月) ※各通貨の短期金利はそれぞれ、円:Libor1ヵ月物金利、米ドル:Libor1ヵ月物金利、豪ドル:BBSW(豪州銀行間取引金利)1ヵ月 物、ブラジルレアル:JPモルガンELMI+(*)を使用しています。 ※日本の政策金利については、2013年4月以降、日銀は金融政策決定会合において、金融市場調節の操作目標を政策金利からマネタ リーベースに変更しています。 *JPモルガンELMI+とは、JPモルガン社が算出し公表している新興国の現地通貨建ての短期金融市場の収益率を表す指数で、主に新 興国のNDF取引等を基に算出される指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はJPモルガン社に帰属します。 またJPモルガン社は、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。 ブラジルのマクロデータ (2008年11月~2013年9月、月次) (%) 08/11 15 09/11 (2008年11月~2013年10月、月次) 10/11 11/11 12/11 経済活動指数(前年比) 実質GDP(前年比) (%) 30 10 20 5 10 0 0 -5 鉱工業生産(前年比) -10 ※実質GDPのデータは四半期毎 -10 08/11 09/11 10/11 11/11 12/11 (年/月) -20 08/11 (2008年11月~2013年10月、月次) 貿易収支 (10億米ドル) 所得収支 8 経常収支 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 -12 -14 08/11 09/11 10/11 サービス収支 経常移転収支 09/11 10/11 11/11 12/11(年/月) (2008年11月~2013年11月、月次) (%) 8 インフレ率(前年比) 7 6 5 4 インフレ目標 2.5~6.5% 3 11/11 12/11 2 08/11 (年/月) 09/11 10/11 11/11 12/11 13/11 (年/月) 出所:ブルームバーグおよびデータストリームが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記グラフは、将来における主要通貨の短期金利、主要国の政策金利、ブラジルのマクロデータを示唆、保証するものではありません。 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、 その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ ん。 3/4 ブラジル株式(ボベスパ指数)のパフォーマンス (2008年11月末~2013年11月末、月次) (基準日:2013年11月末) 80,000 騰落率 70,000 13年11月末 - 60,000 1ヵ月前 ▲ 3.3% 50,000 6ヵ月前 ▲ 1.9% 1年前 ▲ 8.7% 3年前 ▲ 22.5% 40,000 30,000 08/11 09/11 10/11 11/11 12/11 5年前 43.4% 13/11 ※騰落率は基準日までの期間騰落率 (年/月) 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記グラフは、将来におけるブラジル株式(ボベスパ指数)の推移を示唆、保証するものではありません。 [投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項] ●投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨 建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動します。し たがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元 金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資 信託は預貯金と異なります。 投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。 ●投資信託に係る費用について みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担いただ きます。 ■直接ご負担いただく費用 購入時手数料 : 上限3.675%(税抜3.50%) 換金時手数料 : 換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率等を示すこと ができません。 信託財産留保額 : 上限0.5% ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.10%(税抜2.00%) ※基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の加算に よってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等により 変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。 ■その他の費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認 ください。 ●投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登録金融 機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信託委託会社が 行います。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につき ましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用に おける最高の料率を記載しております。 投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または同時にお渡しいた しますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご確認のうえ、 お客さまご自身が投資に関してご判断ください。 商 号 等/ みずほ投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号 加入協会/ 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、 その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ ん。 4/4
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