新中銀総裁下の利下げ余地(PDF/332KB)

ブラジルの投資環境
情報提供資料
2016年7月8日
新中銀総裁下の利下げ余地
ブラジル中銀による6月28日公表のインフレレポート(四半期)は、テメル暫定政権下で
新しく就任したゴールドファイン総裁のもとでの初のレポートでした。ゴールドファイン氏
は、大手銀行イタウ・ウニバンコの首席エコノミストを務めていたこともあり、同氏の景気
や物価を見る目に期待が高まっています。
これまで景気後退下にあっても、通貨政策委員会(COPOM)の声明文では「前年比のイン
フレ率及びインフレ期待が政策目標から大幅に乖離しており、金融緩和の余地は乏しい」と
指摘されており、早期の利下げの可能性を見極めるうえで新総裁のもとでの物価上昇率見通
しが注目されていました。
今回のレポートでは、今年末時点の物価上昇率見通しは6.9%で、インフレターゲットの上
限である6.5%(2016年のインフレターゲット)を上回っており、物価上昇率見通しからは
利下げの環境が早期には整いにくいことが示されました。
しかし、2017年末の物価上昇率見通しは前回の4.9%から4.7%へ小幅ながら引き下げら
がいぜんせい
れ、新総裁は2017年にインフレターゲットの中心値(4.5%)に接近することは蓋然性が高
いとしています。総裁は、利下げ環境につながる要因として財政政策が重要だとしており、
暫定政権の財政政策が注目されます。
政策金利とインフレ率の推移
(%)
11/6
16
14
物価上昇率(予測値)
(%)
12/6(2011年6月末~2016年6月末、日次)
13/6
14/6
15/6
16/6
政策金利
インフレ率(前年比)
12
(2016年6月~2018年6月、四半期)
14.25
10
12
6.9
10
9.32
8
8
6
6
4
インフレターゲット2.50%~6.50%
4
12/6
※ブラジル中銀の予測値
2
16/2Q
16/4Q
17/2Q
2
0
11/6
13/6
14/6
15/6
16/6
(年/月)
※インフレ率は、2015年5月までの月次データを使用。
4.7
17/4Q
18/2Q
(年/四半期)
出所:ブルームバーグ、ブラジル中銀が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記は、将来における政策金利インフレ率の推移および物価上昇率を保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
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6月の市況と今後の見通し
6月の市況
ブラジルレアルの為替レートの推移
6月のブラジルレアル(以下、レアル)は、対米ドル
で上昇しました。ブラジル中銀総裁に市場との対話
重視派であると期待されるゴールドファイン氏が起
用されたことや、四半期インフレ報告を受けて、利
下げ観測が後退したことなどが上昇要因となりまし
た。
今後の見通し
(円)
80
レ
ア
ル
高
レ
ア
ル
安
(2011年6月末~2016年6月末:月次) (レアル)
1.2
70
1.7
60
2.2
50
2.7
40
3.2
30
3.7
レアル/円(左軸)
米ドル/レアル(右軸:逆目盛り)
20
11/6
12/6
13/6
14/6
15/6
4.2
16/6
(年/月)
代行政権の誕生や、ブラジル中銀総裁にゴールド
ファイン氏が起用されたことなどは、市場の評価を
(基準日:2016年6月末)
得ました。しかし、閣僚の辞任が続いていることな
ど、政治不安を抱えていることや、依然として景気
対円
16年6月末
底打ちが見いだせないことから、レアルは上値の重
1ヵ月前
い展開が予想されます。
6ヵ月前
プラス
要因
・ブラジルの政局安定化への期待感
・原油価格の反発
・主要国対比での大きな金利差
1年前
3年前
5年前
マイナス
要因
・政局の混乱
・国内経済の停滞
・財政収支改善の遅れ
・ブラジル中銀の米ドル買いレアル売
り介入
32.1
30.7
(4.7%)
30.4
(5.7%)
39.5
(▲ 18.7%)
44.5
(▲ 27.8%)
51.3
(▲ 37.5%)
対米ドル
3.21
3.61
(12.4%)
3.96
(23.3%)
3.10
(▲ 3.4%)
2.23
(▲ 30.6%)
1.56
(▲ 51.3%)
※カッコ内は基準日までの期間騰落率(▲はレアル安を意味)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資
顧問が作成。
※上記は、将来におけるブラジルレアルの為替レートの推移を
示唆、保証するものではありません。
NEWS
リオ州政府が財政非常事態宣言を発表
6月16日、財政危機に陥っているリオ州政府は、五輪を開催する責務を果
たせないとして、連邦政府から財政支援を引き出すために非常事態宣言を発
表。同宣言を受け、連邦政府は21日に30億レアルの財政支援を決定してい
ます。
リオ州では、税収の極端な落ち込みから財政赤字状態となり、州職員に加え、
警察官や教師らの給料が払えない状態が続いています。
リオ市長は「競技場整備の大部分を担う市の財政は健全だ」と発言していま
すが、五輪会場への重要なアクセスとなる地下鉄の建設工事の遅延問題もあ
り、オリンピック開催への混乱が懸念されます。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
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主要国の政策金利の推移
主要通貨の短期金利
(%)
14
12
10
8
6
4
2
0
▲0.05%
▲2
▲4
円
(%)
16
ND F活用
(2016年6月末)
11.50%
(2011年6月末~2016年6月末:日次)
ブラジル
14.25%
14
12
10
8
1.85%
6
0.47%
4
2
米ドル
豪ドル
米国 0.25% ~ 0.50% 日本 ▲0.10%~0.10%
0
11/6
ブラジル
レアル
12/6
13/6
14/6
15/6
豪州
1.75%
16/6
(年/月)
※各通貨の短期金利はそれぞれ、円:Libor1ヵ月物金利、米ドル:Libor1ヵ月物金利、豪ドル:BBSW(豪州銀行間取引金利)1ヵ月
物、ブラジルレアル:JPモルガンELMI+(*)を使用しています。
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)からマネタリーベースに
変更されています。
*JPモルガンELMI+とは、JPモルガン社が算出し公表している新興国の現地通貨建ての短期金融市場の収益率を表す指数で、主に新
興国のNDF取引等を基に算出される指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はJPモルガン社に帰属します。
またJPモルガン社は、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。
ブラジルのマクロデータ
(2011年6月~2016年4月:月次)
(%)
11/6
15
12/6
(2011年6月~2016年5月:月次)
(%)
20
13/6
14/6
15/6
経済活動指数(前年比)
鉱工業生産(前年比)
実質GDP(前年比)
10
10
5
0
0
▲5
▲10
※実質GDPのデータは四半期毎
(2011年4-6月期~2016年1-3月期)
▲10
11/6
12/6
13/6
14/6
15/6 (年/月)
▲20
11/6
(2011年6月~2016年6月:月次)
(億米ドル)
280
貿易収支:右軸
輸入:左軸
輸出:左軸
(億米ドル) (%)
125
100
200
75
160
50
120
25
80
0
40
▲ 25
12/6
13/6
14/6
15/6
13/6
( (年/月)
15/6
14/6
(2011年6月~2016年5月:月次)
240
0
11/6
12/6
▲ 50
16/6
(年/月)
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
11/6
インフレ率(前年比)
インフレ目標
2.5~6.5%
12/6
13/6
14/6
15/6
(年/月)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における主要通貨の短期金利、主要国の政策金利、ブラジルのマクロデータを示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
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ブラジル株式(ボベスパ指数)のパフォーマンス
70,000
(基準日:2016年6月末)
(2011年6月末~2016年6月末:月次)
騰落率
60,000
50,000
40,000
30,000
11/6
12/6
13/6
14/6
15/6
16/6
(年/月)
1ヵ月
6.3%
6ヵ月
18.9%
1年
▲ 2.9%
3年
8.6%
5年
▲ 17.4%
※騰落率は基準日までの期間騰落率
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来におけるブラジル株式(ボベスパ指数)の推移を示唆、保証するものではありません。
[投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項]
●投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨
建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動します。し
たがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元
金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資
信託は預貯金と異なります。
投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ
スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。
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運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16%(税抜2.00%)
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により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。
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お客さまご自身が投資に関してご判断ください。
商 号 等/ みずほ投信投資顧問株式会社
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