金融政策は「物価」が最大の焦点に(PDF/376KB)

オーストラリアの投資環境
情報提供資料
2016年5月13日
金融政策は「物価」が最大の焦点に
4月下旬から5月上旬にかけて、豪州では重要な経済指標の発表が目白押しとなりました。
①4月27日:1-3月期の消費者物価指数(CPI)
CPIは、足元の豪州経済を見るうえで物価の伸びの鈍化が最大の懸念材料と考えられていることか
ら、極めて注目度の高い指標です。結果は、豪州準備銀行(RBA)が政策運営で重視するトリム平
均ベースで前年比+1.7%となり、インフレ目標である2.0%~3.0%を下回ったほか、市場予想も大
幅に下回りました。
②5月3日:RBA定例理事会
理事会では、政策金利の0.25%引き下げが決定されました(2.00%→1.75%)。声明文では、
経済状況が良好であることを認めつつも、足元のインフレ率が極めて低水準であることが利下げの主
要因である、と指摘しました。
③5月6日:RBA金融政策報告書
2016年末のインフレ率見通しが、2月時点の2.0%~3.0%から1.0%~2.0%へ、大きく引き下
げられました。賃金上昇圧力の低下、小売店の価格競争激化、住宅市場の落ち着き、原油安なども指
摘されました。一方、今年・来年の経済成長見通しは前年比2.5%~3.5%に据え置かれました。
一連の経済指標の発表は、豪州の物価の伸びの鈍化を改めて意識させられる内容となっています。
声明文や金融政策報告書では、物価に対する言及が多いことなどから、「金融政策の判断基準が景気
動向よりもインフレ目標達成に転換している」ことがうかがえ、今後の金融政策は物価に軸足を置い
た判断がなされると思われます。
一方、経済成長率は2.5%~3.5%を見込んでおり、豪州のファンダメンタルズが相対的に強いこ
とに変化はありません。利下げは一時的に豪ドルの押し下げ要因となりますが、一方で経済の下支え
効果があることから、さらなる経済成長に寄与することが期待されます。ファンダメンタルズが再評
価されることによって、豪ドルは底堅い値動きを取り戻すと考えられ、中長期的には上昇すると予想
します。
豪州 CPI基準トリム平均の推移
(前年比、%)
3.0
(2011年1-3月~2016年1-3月:四半期)
2.8
2.6
*CPI基準トリム平均とは
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
11年3月
1.7
13年3月
CPIを構成する品目の中から比
較的変動率が高かったものを
除外して計算したもの。RBA
は、金融政策を決定するうえ
で、このトリム平均値と加重
中央値を重視しています。
15年3月
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における豪州のCPI基準トリム平均の推移を示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
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4月の豪ドル相場は対米ドル、対円共に下落。
相場動向
4月の豪ドルは、対米ドル、対円共に下落しました。【図表1ご参照】。資源価格の上昇などが豪ドル
の上昇要因となりましたが、月下旬に発表された豪州の1-3月期消費者物価指数が予想比弱い結果と
なったことなどから下落しました。
今後の見通し
底堅い推移を予想
豪ドルは対米ドルで底堅い推移になると予想します。消費者物価指数(CPI)の低下によるさらなる
追加利下げ観測などが、上値を抑える要因になると思われますが、豪州経済が依然として底堅いことな
どが、上昇要因になると考えられます。
プラス要因
マイナス要因
・豪州経済の改善
・豪州経済のリバランス(鉱業輸出中心の経済から、
農産物・乳製品輸出などの拡大によるバランスのと
れた経済への移行)
・米国の早期利上げ観測の後退
図表1:豪ドルの推移
図表2:中国向け鉄鉱石価格の推移
(2016年3月31日~2016年4月29日:日次)
(2013年4月30日~2016年4月29日:日次)
(円)
88
豪
ド
ル
高
・CPIの低下によるさらなる追加利下げ観測
・RBA当局者による豪ドル高牽制発言
豪ドル/円(左軸)
豪ドル/米ドル(右軸)
(米ドル)
0.80
86
0.78
84
0.76
82
0.74
(米ドル)
180
150
120
90
豪
ド
ル
安
60
80
0.72
78
3月31日
0.70
4月10日
4月20日
30
0
13年4月
14年4月
15年4月
図表3:豪州実質GDP成長率
図表4:豪州 住宅着工許可件数と住宅ローン件数
(2005年10-12月~2015年10-12月:四半期)
(2011年3月~2016年3月:月次)
(前期比、%)
2.0
(万件)
8
(万件)
4
住宅着工許可件数(左軸)
住宅ローン件数(右軸)
1.5
3
6
2
4
1
2
1.0
0.5
0.0
▲ 0.5
▲ 1.0
05年12月
08年12月
11年12月
14年12月
0
11年3月
0
13年3月
15年3月
出所:ブルームバーグおよびデータストリームが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における豪ドルの推移、中国向け鉄鉱石価格の推移、豪州実質GDP成長率および豪州の住宅着工許可件数と住宅ローン件数を示唆、
保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
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豪ドルの為替レートの推移
(円)
110
豪
ド
ル
高
豪
ド
ル
安
(基準日:2016年4月末)
(米ドル)
1.2
(2013年4月末~2016年4月末:月次)
100
1.1
16年4月末
90
1.0
1ヵ月前
80
0.9
6ヵ月前
70
0.8
豪ドル/円(左軸)
60
0.7
豪ドル/米ドル(右軸)
50
13年4月
1年前
3年前
14年4月
0.6
16年4月
15年4月
対円
80.96
-
対米ドル
0.7609
-
86.20
(▲ 6.1%)
86.11
(▲ 6.0%)
94.37
(▲ 14.2%)
101.05
0.7657
(▲ 0.6%)
0.7139
(6.6%)
0.7906
(▲ 3.8%)
1.0371
(▲ 19.9%) (▲ 26.6%)
※カッコ内は期間騰落率
主な先進国の政策金利の推移
(%)
(基準日:2016年4月末)
(2013年4月末~2016年4月末:日次)
4
3
政策金利
ニュージーランド(NZ)
豪州*
2.00
ニュージーランド
2.25
*5月3日に1.75へ引き下げ
ユーロ圏
0.00
米国
米国
0.25~0.50
日本
▲0.10~0.10
豪州
2
1
ユーロ圏
0
※
日本
▲1
13年4月
14年4月
15年4月
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌
日物)からマネタリーベースに変更されています。また、2016年1月の金融政策決定会合では、日銀
の当座預金の一部に▲0.1%のマイナス金利の導入を決定しました。
主な先進国の10年国債利回りの比較
(%)
4
(2016年4月末)
2.85%
3
2.52%
1.83%
2
1
0.27%
0
米国
▲0.08%
豪州
NZ
▲1
日本
ドイツ
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における豪ドルの為替レートの推移、主な先進国の政策金利および10年国債利回りを示唆、
保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
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オーストラリアのマクロデータ
(2013年4月~2016年3月:月次)
(前月比、千人)
100
(2013年4月~2016年4月:月次)
(%)
7.5
雇用者数(左軸)
失業率(右軸)
80
7.0
60
6.5
40
6.0
20
5.5
0
5.0
▲ 20
4.5
▲ 40
13年4月
4.0
14年4月
15年4月
(前年比、%)
10
ウエストパック消費者信頼感指数(右軸)
8
120
6
110
4
100
2
90
0
80
※小売売上高データは2016年3月まで
▲2
13年4月
(2013年4月~2016年4月:月次)
14年4月
15年4月
70
16年4月
(2013年4-6月~2016年1-3月:四半期)
(%)
4
ナショナル・オーストラリア銀行企業景況感指数
20
130
小売売上高(前年比)(左軸)
ナショナル・オーストラリア銀行企業信頼感指数
インフレ率
インフレ率加重中央値
15
3
10
5
2
0
1
▲5
▲ 10
13年4月
14年4月
15年4月
16年4月
0
13年6月
(2013年4月~2016年3月:月次)
(億豪ドル)
30
貿易収支
20
インフレ目標
2~3%
14年6月
15年6月
(2013年4月~2016年4月:月次)
(10億豪ドル)
100
外貨準備高
80
10
0
60
▲ 10
40
▲ 20
▲ 30
20
▲ 40
▲ 50
13年4月
14年4月
15年4月
0
13年4月
14年4月
15年4月
出所:ブルームバーグおよびIMFが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来におけるオーストラリアの各種経済指標の推移を示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
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[投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項]
●
投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨建
資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動します。した
がって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元金
を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資信
託は預貯金と異なります。
投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ
スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。
●
投資信託に係る費用について
みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担いただ
きます。
■直接ご負担いただく費用
購入時手数料 : 上限 3.78% (税抜3.50%)
換金時手数料 : 換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率
等を示すことができません。
信託財産留保額 : 上限 0.5%
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16% (税抜2.00%)
※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の
加算によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等
により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。
■その他の費用
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認
ください。
●
投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登録金
融機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信託委託会
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上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につき
ましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用に
おける最高の料率を記載しております。
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しますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご確認のうえ、
お客さまご自身が投資に関してご判断ください。
商 号 等 / みずほ投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号
加入協会 / 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
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