ブラジルの投資環境

ブラジルの投資環境
情報提供資料
2016年4月8日
頭の片隅に入れておきたいブラジルの魅力
ブラジルでは、政局混乱と景気低迷のニュースが連日続いていますが、そのような状況下、
日本企業のブラジル撤退・生産強化という方向性の違う報道が同時期にありました。
1つは、IHI、日揮、ジャパンマリンユナイテッドの3社が共同で出資するブラジル造船
所から撤退するというものです。日本の造船業界は、海洋資源開発の需要を見込んでブラジ
ル造船会社へ出資しましたが、資源安と政局混乱で採算が悪化しています。一方で、旭硝子
が、ブラジル南東部に約180億円を投じて新工場を建設するとの発表もありました。ブラジ
ル経済は低迷が続いていますが、人口が多いことなどから中長期的には経済成長が見込める
として、現地生産の強化に踏み切るとのことです。中国需要低迷を背景とした資源輸出減少
の側面か、世界第5位の人口規模を背景とした国内需要増の側面か、どちらの視点を重視す
るかで戦略が違ってくることがうかがえます。
国連の推計によれば、2025年までのこれから10年間の世界全体の人口の伸びは+10.8%
で、日本が▲2.9%と低下するのに対し、ブラジルは+7.3%の高い伸びが見込まれています。
また、総人口の年齢中央値は、2015年現在、日本は47歳と世界で最も高く、2025年には
50歳を超える一方で、ブラジルは2015年に31歳、2025年でも35歳と、消費者としても、
労働力としても、魅力的な人口構造が続きます。政情不安はひとたび高まると、収束に時間
がかかる点には留意が必要ですが、構造的な強みは頭の片隅に入れておきたいと思います。
ブラジルと日本の年齢別人口分布
(2025年推計)
90以上
90以上
ブラジル
日本
80-89
80-89
70-79
70-79
60-69
60-69
50-59
50-59
40-49
40-49
30-39
30-39
20-29
20-29
10-19
10-19
(歳)
0-90-9
4
3
2
1
0
0
1
2
3
4(億人)
出所:国連が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記は、将来におけるブラジルと日本の年齢別人口分布を保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
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3月の市況と今後の見通し
3月の市況
ブラジルレアルの為替レートの推移
ブラジルレアル(以下、レアル)は、対米ドルで上
る汚職捜査が進行し、政権交代へ近づくとの見方が
レアル高
昇しました。原油価格の反発や、ルセフ政権に対す
広がったことなどがレアルの買い材料になりました。
(円)
80
(2011年3月末~2016年3月末:月次) (レアル)
レアル安
70
1.7
60
2.2
50
2.7
40
3.2
レアル/円(左軸)
米ドル/レアル(右軸:逆目盛り)
30
今後の見通し
1.2
20
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3
3.7
4.2
16/3
(年/月)
ブラジルの政局の混乱が収束するとの期待感が一時
的に高まったものの、混乱は長期化する可能性が高
(基準日:2016年3月末)
いと考えられ、レアルの上昇は長続きしないと予想
します。国内経済の停滞や、財政収支改善の遅れな
対円
16年3月末
ど、経済ファンダメンタルズは引き続き弱く、上値
1ヵ月前
の重い展開が続くと思われます。
6ヵ月前
1年前
プラス
要因
マイナス
要因
・原油価格の反発
・主要国対比での大きな金利差
・政局の混乱
・国内経済の停滞
・財政収支改善の遅れ
・中国景気の減速懸念
・インフレの高進
3年前
5年前
31.3
28.1
(11.7%)
30.4
(3.2%)
37.6
(▲ 16.6%)
46.6
(▲ 32.8%)
50.8
(▲ 38.4%)
対米ドル
3.59
4.02
(11.8%)
3.95
(9.9%)
3.20
(▲ 11.0%)
2.02
(▲ 43.7%)
1.63
(▲ 54.6%)
※カッコ内は基準日までの期間騰落率(▲はレアル安を意味)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資
顧問が作成。
※上記は、将来におけるブラジルレアルの為替レートの推移を
示唆、保証するものではありません。
NEWS
混迷するブラジル政権
2016年3月16日、ルセフ大統領はペトロブラス事件で捜査対象となっている、ルラ前大統領を官房長官に任
命しました。ブラジルでは官僚の捜査や起訴には最高裁の承認が必要となるため、今回、ルラ氏を官房長官に
任命したことは、「刑事捜査逃れ」が狙いではないかとみられています。ルセフ大統領自身も不正会計への関
与が疑われており、経済不況と相まって政権の支持率は10%前後に低迷しています。国民の不満が相次ぎ、大
統領の退陣を求めるデモが各地で発生しています。
29日には、最大政党のブラジル民主運動党が連立政権からの離脱を決定しました。今後も連立政権から離脱す
る動きが続く可能性があり、議会で審議が進むルセフ大統領の弾劾手続きを阻止するために必要な3分の1以上
の反対票を確保するのに苦戦しそうな状況です。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
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主要国の政策金利の推移
主要通貨の短期金利
(%)
14
12
10
8
6
4
2
0
▲ 2 ▲0.06%
▲4
円
(2016年3月末)
(%)
16
ND F活用
10.52%
(2011年3月末~2016年3月末:日次)
ブラジル
14.25%
14
12
10
8
2.09%
6
0.44%
4
2
米ドル
豪ドル
米国 0.25% ~ 0.50% 日本 ▲0.10%~0.10%
0
11/3
ブラジル
レアル
12/3
13/3
14/3
15/3
豪州
2.00%
16/3
(年/月)
※各通貨の短期金利はそれぞれ、円:Libor1ヵ月物金利、米ドル:Libor1ヵ月物金利、豪ドル:BBSW(豪州銀行間取引金利)1ヵ月
物、ブラジルレアル:JPモルガンELMI+(*)を使用しています。
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)からマネタリーベースに
変更されています。
*JPモルガンELMI+とは、JPモルガン社が算出し公表している新興国の現地通貨建ての短期金融市場の収益率を表す指数で、主に新
興国のNDF取引等を基に算出される指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はJPモルガン社に帰属します。
またJPモルガン社は、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。
ブラジルのマクロデータ
(2011年3月~2016年1月:月次)
(%)
11/3
15
12/3
(2011年3月~2016年2月:月次)
(%)
20
13/3
14/3
15/3
経済活動指数(前年比)
鉱工業生産(前年比)
実質GDP(前年比)
10
10
5
0
0
▲5
▲10
※実質GDPのデータは四半期毎
(2011年1-3月期~2015年10-12月期)
▲10
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3 (年/月)
▲20
11/3
(2011年3月~2016年3月:月次)
(億米ドル)
280
貿易収支:右軸
輸出:左軸
輸入:左軸
(億米ドル) (%)
125
100
200
75
160
50
120
25
80
0
40
▲ 25
12/3
13/3
14/3
15/3
13/3
14/3
15/3 (年/月)
(2011年3月~2016年2月:月次)
240
0
11/3
12/3
▲ 50
16/3
(年/月)
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
11/3
インフレ率(前年比)
インフレ目標
2.50~6.50%
12/3
13/3
14/3
15/3
(年/月)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における主要通貨の短期金利、主要国の政策金利、ブラジルのマクロデータを示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
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ブラジル株式(ボベスパ指数)のパフォーマンス
80,000
(基準日:2016年3月末)
(2011年3月末~2016年3月末:月次)
騰落率
70,000
1ヵ月
17.0%
60,000
6ヵ月
11.1%
50,000
1年
▲ 2.1%
3年
▲ 11.2%
5年
▲ 27.0%
40,000
30,000
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3
16/3
(年/月)
※騰落率は基準日までの期間騰落率
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来におけるブラジル株式(ボベスパ指数)の推移を示唆、保証するものではありません。
[投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項]
●投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨
建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動します。し
たがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元
金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資
信託は預貯金と異なります。
投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ
スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。
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みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担いただ
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により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。
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商 号 等/ みずほ投信投資顧問株式会社
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