景気下支えに向けた利下げまでの距離はインフレ次第

ブラジルの投資環境
情報提供資料
2016年5月12日
景気下支えに向けた利下げまでの距離はインフレ次第
国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(2016年4月)によれば、2016年の世界経済
は+3.2%の緩慢な成長が予想されており、そのような状況下、各国の金融政策や財政政策の
舵取りが注目を集めています。
ブラジルでは、4月26-27日に開催された通貨政策委員会(COPOM)において、6会合連
続で政策金利の据え置きが決定されました。声明文のポイントは、①インフレ減速への取り
組みなど、政策が進展しているという認識が示されたこと、②一方で、前年比のインフレ率
およびインフレ期待が政策目標から大幅にかい離しており、金融緩和の余地はないと指摘し
たことの2つです。
2015年は、年末のインフレ率が前年比+10.67%で、インフレターゲットの上限を大幅に
上回った状態で越年しました。年末のインフレ率がインフレターゲットの上限を超えていた
のは、2003年以来のことです。ブラジル中銀のインフレレポートによれば、2016年末に
はインフレターゲットの上限である6.5%程度(2016年のインフレターゲット*)まで低下
し、中心値である4.5%まで低下するのは、2018年に入ってからと予想されています。
インフレ率は、4月に前年比+9.28%と1月の同+10.71%をピークに低下しています。昨
年に値上げされた電気料金やガソリン価格が、前年対比で落ち着きつつあり、今後の推移が
注目されます。
*インフレターゲットは2017年より、3.0%~6.0%に縮小されます。
ブラジルの政策金利とインフレ率
(%)
11/4
16
14
(2011年4月28日~2016年4月30日)
12/4
13/4
14/4
15/4
政策金利
16/4
インフレ率(前年比)
14.25
12
10
9.28
8
6
4
インフレ目標2.5%~6.5%
2
0
11/4
12/4
13/4
14/4
15/4
16/4
(年/月)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※政策金利は日次データ、インフレ率は月次データを使用。
※上記は、将来におけるブラジルの政策金利とインフレ率を示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
1/4
4月の市況と今後の見通し
4月の市況
ブラジルレアルの為替レートの推移
4月のブラジルレアル(以下、レアル)は、対米ドル
で上昇しました。ルセフ大統領罷免に対する期待感
の高まりから、レアルは上昇しました。ただし、足
元の急激なレアル上昇を抑制する為、ブラジル中銀
は米ドル買いレアル売り介入を実施しました。
(円)
80
レ
ア
ル
高
レ
ア
ル
安
(2011年4月末~2016年4月末:月次) (レアル)
1.2
70
1.7
60
2.2
50
2.7
40
3.2
レアル/円(左軸)
米ドル/レアル(右軸:逆目盛り)
30
今後の見通し
20
11/4
12/4
13/4
14/4
15/4
3.7
4.2
16/4
(年/月)
ルセフ大統領罷免に対する期待感がレアルの上昇要
因となっているものの、国内経済の停滞や、財政収
(基準日:2016年4月末)
支改善の遅れなど、経済ファンダメンタルズが弱い
対円
状況は変わっていないため、上値の重い展開になる
31.0
31.3
(▲ 1.2%)
31.3
(▲ 1.0%)
39.6
(▲ 21.8%)
48.7
(▲ 36.4%)
51.6
(▲ 40.0%)
16年4月末
と思われます。
1ヵ月前
6ヵ月前
1年前
プラス
要因
マイナス
要因
NEWS
・ルセフ大統領罷免に対する期待感
・原油価格の反発
・主要国対比での大きな金利差
・政局の混乱
・国内経済の停滞
・財政収支改善の遅れ
・ブラジル中銀の米ドル買いレアル売
り介入
3年前
5年前
対米ドル
3.43
3.59
(4.6%)
3.86
(12.3%)
3.01
(▲ 12.2%)
2.00
(▲ 41.7%)
1.58
(▲ 54.1%)
※カッコ内は基準日までの期間騰落率(▲はレアル安を意味)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資
顧問が作成。
※上記は、将来におけるブラジルレアルの為替レートの推移を
示唆、保証するものではありません。
だんがい
ルセフ大統領の弾劾決議が下院にて可決
4月17日、ブラジル下院議会においてルセフ大統領の弾劾決議案
が賛成多数で採択され、弾劾審議要請書が上院に送付されました。
5月には上院でも決議が行われ、過半数の賛成を得て可決した場合、
ルセフ大統領は最長180日間の職務停止を余儀なくされ、その間、
代わりにテメル副大統領が暫定的に職務を行います。
その後、職務停止期間内に上院の3分の2以上が弾劾に賛成すれば、
ルセフ氏は失職し、正式にテメル氏が大統領に就任します。
一連の弾劾決議がブラジル政権にどのような影響を及ぼすのか、
今後の動向が注目されます。
今後の裁判スケジュール
4月17日
下院にて弾劾決議可決
上院にて弾劾手続き続行を判断
過半数賛成の場合
5月以降
・最大180日間、ルセフ大統領の職務停止
・テメル氏が職務を代行
・弾劾裁判を実施
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
2/4
主要国の政策金利の推移
主要通貨の短期金利
(%)
14
12
10
8
6
4
2
0
▲0.05%
▲2
▲4
円
(%)
16
ND F活用
(2016年4月末)
12.36%
(2011年4月末~2016年4月末:日次)
ブラジル
14.25%
14
12
10
8
2.02%
6
0.44%
4
2
米ドル
豪ドル
米国 0.25% ~ 0.50% 日本 ▲0.10%~0.10%
0
11/4
ブラジル
レアル
12/4
13/4
14/4
15/4
豪州
2.00%
16/4
(年/月)
※各通貨の短期金利はそれぞれ、円:Libor1ヵ月物金利、米ドル:Libor1ヵ月物金利、豪ドル:BBSW(豪州銀行間取引金利)1ヵ月
物、ブラジルレアル:JPモルガンELMI+(*)を使用しています。
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)からマネタリーベースに
変更されています。
*JPモルガンELMI+とは、JPモルガン社が算出し公表している新興国の現地通貨建ての短期金融市場の収益率を表す指数で、主に新
興国のNDF取引等を基に算出される指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はJPモルガン社に帰属します。
またJPモルガン社は、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。
ブラジルのマクロデータ
(2011年4月~2016年2月:月次)
(%)
11/4
15
12/4
(2011年4月~2016年3月:月次)
(%)
20
13/4
14/4
15/4
経済活動指数(前年比)
鉱工業生産(前年比)
実質GDP(前年比)
10
10
5
0
0
▲5
▲10
※実質GDPのデータは四半期毎
(2011年4-6月期~2015年10-12月期)
▲10
11/4
12/4
13/4
14/4
15/4 (年/月)
▲20
11/4
(2011年4月~2016年4月:月次)
(億米ドル)
280
貿易収支:右軸
輸入:左軸
輸出:左軸
(億米ドル) (%)
125
100
200
75
160
50
120
25
80
0
40
▲ 25
12/4
13/4
14/4
15/4
13/4
( (年/月)
15/4
14/4
(2011年4月~2016年4月:月次)
240
0
11/4
12/4
▲ 50
16/4
(年/月)
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
11/4
インフレ率(前年比)
インフレ目標
2.5~6.5%
12/4
13/4
14/4
15/4
16/4
(年/月)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における主要通貨の短期金利、主要国の政策金利、ブラジルのマクロデータを示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
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3/4
ブラジル株式(ボベスパ指数)のパフォーマンス
70,000
(基準日:2016年4月末)
(2011年4月末~2016年4月末:月次)
騰落率
60,000
50,000
40,000
30,000
11/4
12/4
13/4
14/4
15/4
16/4
(年/月)
1ヵ月
7.7%
6ヵ月
17.5%
1年
▲ 4.1%
3年
▲ 3.6%
5年
▲ 18.5%
※騰落率は基準日までの期間騰落率
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来におけるブラジル株式(ボベスパ指数)の推移を示唆、保証するものではありません。
[投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項]
●投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨
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たがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元
金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資
信託は預貯金と異なります。
投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ
スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。
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運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16%(税抜2.00%)
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により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。
■その他の費用
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