創作料理の店「蔵よし」(黒石市)

ユニーク商品、気配り、
お手ごろ価格で評判集める
厳しい商い環境を乗り切る一策は
“ストーリー性”!
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創作料理の店「蔵よし」
〒0360368 黒石市横町13
TEL0172532111 FAX 0172532500 URL=ht
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ネーミングの面白さとそのボリュ
ームで、テレビや観光ガイドブック
からの取材依頼も多く、今ではすっ
かり店のイチオシ商品に成長した。
菊
地
尚
則
さ
ん
■看板商品は“世界一の天ざる”
「世界一天ざる」
( 1440円)、さらに
その上に
「世界一上天ざる」
(2
0
4
0
円)
というユニークな名のメニューがあ
る。天ぷら、ざるそばはもちろん、
握りずしや腕もの、デザートまでつ
いた名前通りの豪華仕立てで、来店
者の3人に1人は頼むという
「蔵よし」
の看板メニューである。
このメニューは昭和60年の黒石青
年会議所創立30周年の際に、同会議
所が世界一のねぷたと太鼓を製作し
たことに協賛して考えられた。期間
限定であったが、評判を呼んだこと
から店の新たな定番メニューに採り
入れた。
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■ハイセンスでありながら低価格で
店は25年前の昭和55年、黒石市の
中心商店街にオープンした。かつて
作り酒屋で使用していた土蔵を活用
した。代表の菊地尚則さん
(4
6
)
は
「当
初はそばとうどんの店でしたが、
お客様のニーズに合わせて、メ
ニューは多様化していきました。
心がけてきたのは、同じ和食で
も、ハイセンスでありながら低
価格であること」と話す。「お客
様にとってやさしい値段でなけ
れば」と、仕入れなどを工夫しな
がら、ここ10
年間は値上げをし
ていないという。
コストを抑える工夫は、ほか
にも見受けられる。商品写真は
すべて菊地さんが撮影し、メニ
ューもパソコンを駆使した手づ
くり。名刺もお手製。さらに、
ホームページも作り方を知人に
教わり、7年前に自ら立ち上げ
ている。商品代金に販促費用を
できるだけ反映させないように
して、手ごろ感のある価格設定
に努めている。
■プラスアルファは“楽しめる仕掛
け”
接客のモットーは
「常に目配りして、
お客様が望んでいることを察知する
こと、お客様が店に一歩入ったら、
敷居が高く感じさせないようなあい
さつをすること、お帰りの際はでき
るだけお見送りすること」。ユニーク
な商品とお手ごろ価格の料金も相ま
って、リピーターのお客様が非常に
多い。
お客様の半数以上は、黒石市外か
らやってくる。ホームページをプリ
ントアウトして訪れる人もあれば、
観光ガイドブックを見て秋田県や岩
手県からやってくる人もいる。
菊地さんは「地元以外からでもせ
っかく足を運んでくれるのですから、
単にものを食べていただくだけでな
く、もっとストーリー性を提供した
い。メニューにしても店舗づくりに
しても、お客様が楽しめる仕
掛けをいろいろ考えていきた
い」と話す。景気の低迷、中
心商店街の衰退など、取り巻
く環境は厳しいというが、
「お
客様が楽しめる仕掛け」を接
客のプラスアルファにして、
顧客の定着化を図り、来店頻度を高
めようとしている。
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