=2015/11/04付 西日本新聞朝刊= 核兵器廃絶を目指し議論するパグウォッシュ会議世界大会のメーン会場、宿泊施設となったのは長崎市・伊王島。ふだんは家族連れ でにぎわう温泉リゾートホテル「やすらぎ伊王島」は、約40カ国の約180人の外国人で貸し切り中だ。相部屋や、露天風呂、自慢の日 本食など伊王島のもてなしは世界トップの研究者たちにも好評のようだ。 ホテル自慢の天然温泉。ホテルは、男女でのれんの色が違うことや、体を洗ってから浴槽につかるマナーなどを記した英語の説明書 を全員に配布。ロシアから初参加のアナスタシア・バラニコバさん(33)は「夜空を眺めながらで気持ちいい」と気に入った様子。 ホテルはコテージなど家族連れ対象の部屋が多く、参加者たちもほとんどが相部屋だ。エジプトの研究者(37)は「夜もみんなでいろ んな意見を交わすのが楽しいよ。研究者が寝食を共にして語り合ったという昔のパグウォッシュ会議に戻ったみたい」と喜ぶ。 ホテル側が最も気にしていた食事。菜食主義者や豚肉が食べられないイスラム教徒のために、料理にはイラスト入りで食材を表示し た。会議の幹部は巻きずしをほおばりながら「日本食はうまい」と笑顔。 グループ会社から英語が堪能なスタッフも応援に入った。宿泊支配人の山川玲奈さんは「長崎は被爆地として重要な場所だが、楽し い場所として思い出に残るよう最大限にもてなしたい」と話す。
© Copyright 2024 ExpyDoc