ではない。本稿では、リサーチエビデンスを基がまさしくこの心房細動であるといっても過言者に活かすのかというＥＢＭの本質に迫る疾患で、リサーチエビデンスをどのように個別の患心房細動患者の多様化も進んでいる。その意味のようなリサーチエビデンスの発展と同時に、り多くの臨床試験が続々と発表されている。この原因疾患として注目された結果、今世紀にな罹患人口の増加とともに心原性脳梗塞、心不全︵レートコントロール︶﹂という記載が多く見トロールすることにより患者症状の軽減を図るを紐解けば﹁致死的でないため、心拍数をコンであり、その治療の歴史は古い。過去の教科書引き起こした。心房細動は古くからある不整脈と報告され、世界中に大きなセンセーションをに関する大規模臨床試験の結果が欧米から続々２１世紀になり、それまでになかった心房細動リサーチエビデンス（１０２４）るようになり久しい。社会の高齢化が進む中、心房細動が﹁古くて新しい不整脈﹂と呼ばれはじめにの選択法について述べたい。礎にリズムコントロールとレートコントロールレリーズトムココンントトロローールルのと選択法心房細動不整脈治療最前線山下武志 CLINICIAN ’08 NO. 573 22 な差は認められなかった。すなわち、薬物療法間に生命予後、脳梗塞、心不全悪化の点で有意驚くことにこの試験においても、両治療方針の試告験さはれす︵べ図て " 決︶着、が一つ連いのたリとズいムう vs 現レ状ーにトあのる２）比。較 23 り証明されたことは、不整脈界にとっては大きこのような結果が複数の大規模臨床試験によ全患者を対象としたの結果が報明らかにしたのである。解決はなされていなかったが、２００７年心不が同時に数多くなされた。そして、コントロールの優劣を比較するという臨床試験世紀になり、このレートコントロールとリズムの選択は経験的になされてきたが、欧米では２１多くなる。これまでこの２つの異なる治療方針心血管イベント発症率に有意な差がないことを数調節治療法の間に、生命予後、脳卒中などの関連を有する心不全患者についてはこの問題のれ２亡点いロ梗示れをしたつ・か状ー塞す１）た指か。の心ら況ルの。臨しし治不Ｊにといこ床示あレずの大しま療全だ方・Ｒるーれ図規て残針脳Ｈ。トのに模いるに梗Ｙそコ視示試る砦有塞Ｔしン点さ験。と意・Ｈてトをれの図しな大Ｍ遅ロとるメ ! て差出試れーっよタに、は血験てルてうアこ心なのが本のもにナれ房い発な邦優、、リま細こ症さで劣リ生シで動と率れもをズ命ス欧とがにた同決ム予の米密実こが様めコ後結で接証れ、ながン、果ななさら死視たト脳をさ CLINICIAN ’08 NO. 573 床試験は、このような洞調律維持治療法と心拍、、など一連の臨コントロール︶のが一般的である﹂との記載が不整脈薬を用いて、洞調律を維持する︵リズムられる。一方で、最近の教科書では﹁様々な抗 − な衝撃であった。少なくともこれらの報告は、 AFFIRM 心房細動患者を洞調律に維持しようという介入 study RACE study STAF study 操作が必ずしも患者の最終的結果︵アウトカム︶ AF-CHF study によい影響をもたらすとは限らないということ（１０２５） !リズム vs レートコントロール：メタ分析 "AF-CHF study 主要結果（１０２６） CLINICIAN ’08 NO. 573 24 能不全患者に対してＩ群抗不整脈薬を投与する 25 合、リスクが過大になる患者が存在する。心機してよい。一方で、患者嗜好のみに依存した場無症候の患者はレートコントロールを望む。医師はその患者嗜好をベネフィットと考えて選択という概念からは離れるものであり、れらの差は医療で重視されるが低いという結果が得られている。しかし、、こコントロール群は治療方針自身に対する忍容性症状の強い患者はリズムコントロールを望み、望む治療法に沿った治療を行うことは、現在の医療では当然のことかもしれない。多くの場合、 CLINICIAN ’08 NO. 573 で行われたＪＲＨＹＴＨＭ試験では、レート因の大半は電気的除細動のためであった。日本ズムコントロール群で多いとされるが、その原嗜好という一点に尽きるだろう。また、患者がンスとして両治療方針に差がない以上、患者のこの場合、ベネフィットについては、エビデ − ことは死亡率を上昇させる。あ同る時。にこれまでの臨床経験から当然のことでも mortality リズム・レートを選択する視点 morbidity 現実の医療はリサーチエビデンスのみに依存験では、あらゆる原因の入院率を比較するとリの差異を指摘することができる。欧米の臨床試いても全く差がなかったかというと、いくつかでは、これらの臨床試験ではその他の点においうのが、現在のリサーチエビデンスである。う観点において、両治療方針の間に差はないとに関する限り、生命予後・脳梗塞・心不全とい選択してよいと教えてくれているのである。患者におけるリスクとベネフィットから自由にることを支持していると考えたほうがよい。各いというより、どちらの治療法にも妥当性があ細動に関するエビデンスは両治療方針に差がなて決定されるべきであろう。その意味で、心房するわけでなく、診療経験と患者嗜好を合わせ（１０２７）ートしている。細動に関するエビデンスはそれを積極的にサポる残された仕事は各患者との対話である。心房リサーチエビデンスが揃ったとき、要求されおわりに視点といえるだろう。合が、リズム・レートを選択する今後の唯一のにして、エビデンス・診療経験・患者嗜好の統が各医師の診療経験に根ざしている。このよう必要となるだろう。そして、この評価能力こそクが高いと判断するときには治療方針の再考がよって異なるため、これを的確に評価し、リス物投与を行った場合に生じるリスクは各患者にあてはまる。このように患者嗜好に合わせて薬トコントロールのために用いる薬物についても ∼ ∼ （１０２８）薬の通常投与は、抗不整脈薬のリスクを増加さまた、肝・腎機能障害患者に対する抗不整脈１）文献 de Denus, S., et al. : Rate vs rhythm control in patients with atrial fibrillation : a meta-analysis. Arch. Intern. Med., 165(3), 258 262(2005) Roy, D., et al. : Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure Investigators. Rhythm control versus rate control for atrial fibrillation and heart failure. N. Engl. J. Med., 358(25), 2667 2677(2008) ２）せるだろう。これは抗不整脈薬に限らず、レー CLINICIAN ’08 NO. 573 ︵︵財︶心臓血管研究所研究本部長︶ 26