僕は異世界にバリアフリーのダンジョンを建設することに決めました Truth タテ書き小説ネット Byヒナプロジェクト http://pdfnovels.net/ 注意事項 このPDFファイルは﹁小説家になろう﹂で掲載中の小説を﹁タ テ書き小説ネット﹂のシステムが自動的にPDF化させたものです。 この小説の著作権は小説の作者にあります。そのため、作者また は﹁小説家になろう﹂および﹁タテ書き小説ネット﹂を運営するヒ ナプロジェクトに無断でこのPDFファイル及び小説を、引用の範 囲を超える形で転載、改変、再配布、販売することを一切禁止致し ます。小説の紹介や個人用途での印刷および保存はご自由にどうぞ。 ︻小説タイトル︼ 僕は異世界にバリアフリーのダンジョンを建設することに決めま した ︻Nコード︼ N6308CA ︻作者名︼ Truth ︻あらすじ︼ 異世界のダンジョンマスターのアルバイトに応募したのは身体障 害者だった!? 車椅子と松葉杖を装備し、襲い掛かる冒険者をなぎ払う。 そんな彼が目指す理想は﹁全年齢対応のバリアフリー仕様ダンジョ ン﹂だった。 身障者だってダンジョンを楽しみたいじゃない? というアイデア 1 で作りました。校正して、連載小説にしたいと思ってます。よけれ ば感想よろしくお願いいたします。 2 ・バリア︲フリー︻barrier−free︼ 障害者や高齢者の生活に不便な障害を取り除こうという考え方。道 や床の段差をなくしたり、階段のかわりにゆるやかな坂道を作った り、電卓や電話のボタンなどに触ればわかる印をつけたりするのが その例。 地下牢。土牢。2 ろう マスターはア ロールプレーイングゲームなどの舞台とな ・ダンジョン︻dungeon︼ 1 る、迷路に似た構造をもつ空間。 ︵出典 goo辞書︶ ﹁ダンジョンがバリアフリーなんてありえません! ホですか! ありえないったらありえません!!﹂ ピンク色のフワフワ髪をした少女が、髪の色に負けじと顔色を真っ 赤にして声を荒げている。 ﹁大体、ダンジョンってのは危険が満載なのが当然なのです。足元 に罠仕掛けないでいったいどこに仕掛けるって言うんですか!!﹂ 少女の年齢は12・3歳くらい。身長は140センチくらい。ちょ うど小学生を卒業しようとしている妹のような感じがする。 唇尖らせて、思いっきりにらみ付けてくるけど、怖くない。かわい すぎる。 3 ﹁マスターの居た世界では冒険なんて遊び感覚って聞いてます。で も、この世界では冒険は命がけなんです。い・の・ち・が・け!﹂ 僕の顔に向かってかわいらしい指を突きつけてくる。色白でほっそ りとしたかわいらしい手だ、と僕は思う。しかし身長が足りていな いため迫力がない。かわいい。 ﹁遊びじゃなくって神様からおおせつかった大切な仕事なんです。 ダンジョンを作る、冒険者がくる、魔物を倒す、そうしてようやく 迷える魂が救われるんです!﹂ 彼女の服は全体が黒色をしている。背中には傘の骨に皮が張られた ような小さい羽がついている。コウモリの羽のようだ。 その羽が持ち主の興奮を表すようにふぁっさふぁっさとせわしなく 羽ばたかれている。 ﹁聞いているんですか! わかってるなら何か返事してくださいよ ぅ!﹂ 余りの可愛らしさに、つい返事を忘れていると、さらにお怒り度合 いを増した少女が不安そうな顔を見せたので、僕も反応を返す。 ﹁うん、わかってるよ、エル。このダンジョンが魂の浄化装置だっ て。そして攻略されたら僕が死ぬことも承知済みだ﹂ 命かかってるのに、 ﹁・・・本当にわかってますか? 冗談じゃないんですよ? その 時点でマスターの命は終わりなんですよね? わざわざ攻略されやすくするなんてありえないじゃないですか﹂ 4 ﹁でもね、人が来る方が良いんだよね? 多くの人に来てもらって、 多くの魔物を倒してもらって、そして魂を救っていく。そうするこ とで、救われぬ魂が集まりに集まって魔王になることを防ぐ、と﹂ 少女 ∼エル∼ の目線に困惑が混ざるのがよく見える。同じくら いの目線だからよく見えるんだ。 ﹁だから多くの人が簡単に訪れられるようにしたいのさ。ほら、バ リアフリーなら子供からお年寄りまで楽しめるアドベンチャーラン ドにできるでしょ?﹂ ﹁理屈はわかりますけどぉ・・・そうすると、マスターが死ぬ確率 が高まりますよ? そこまでしてバリアフリーにしたいのは﹂ エルが、今も乗っている僕の愛車を指差してから、 ﹁実は、マスターがダンジョン攻略を楽しみたいだけなんじゃない ですか?﹂ と、僕にとっては痛い点を正確についてきた。 僕は苦笑半分で、正直に告白する。 ﹁実は、そうなんだね﹂ ﹁・・・マスターはダンジョンを作る側であって、攻略する側では ないんですけど﹂ エルのジト目をよそに、僕は、自分が乗った”車椅子”を軽く反転 させた。 5 そして、軽くブイサイン。 ﹁大丈夫。僕には自信があるんだ。足元のトラップなし、段差なし、 手すりあり、要所には点字ブロックもつけちゃう﹂ いいながら、車椅子の前輪を上げてウィリーで格好をつけながら、 ﹁それでいて、誰にも攻略不可能で、誰もが楽しめる、そんな夢の ようなダンジョンを、君と、僕を雇ってくれた神様にお見せいたし ますよ﹂ と笑ってみせた。 6 PDF小説ネット発足にあたって http://ncode.syosetu.com/n6308ca/ 僕は異世界にバリアフリーのダンジョンを建設することに決めました 2014年3月25日08時35分発行 ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。 たんのう 公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、 など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ 行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版 小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流 ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、 PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。 7
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