P2 - 佐竹ガラス

サークル流工房 会報第4号
2007.06.01. p.2
⑦地玉の形を作り 、 その上にツイス ト 棒を巻き付ける 。
⑧馴染ませた後全体にク リ アーをかけて完成する 。
2 0 0 7 年 、 新年早々の 1 月 6 日 、 流工房の新しい教室の完成を記念し
て 「 工房開き 」 があり ました 。 二十数名の受講生が出席し 、 佐竹ガラス社
長の佐竹保彦さん 、 流工房世話役の玉置 演さんの挨拶に続いて流工房の
4 名の講師陣によるデモン ス ト レーシ ョ ンがあり ました 。
ケーンによる点打ち 、 ス ク
ラ ッ チ 、 マスキングを組み合
わせて複雑な幾何学模様を構
成する 。 幾何学模様の最小単
位は 「 点 」 、 次いで点を組み
合わせて 「 モジュール 」 、 そ
して繰り返しの 「 パターン 」
の構成へと進む 。 デザイ ンの
参考となるのは自然界の生物の他 、 家紋 、 江戸小紋 、 イ スラ
ムのモザイ ク紋様などがある 。 色々と失敗を重ねている中で
偶然にデザイ ン のア イデ ィ アが浮かぶことがある 。 これを
「 セレ ンディ ピティ serendipity 」 と言う 。
① きまった場所にきまった大きさの点が打てるように練習
② 全体だけでなく 、 一部を加熱する場合もある 。
所詮 、 玉の温度管理につきる 。
③ 3 , 4 , 5 , 6 ・ ・ 分割といった割付をするとき 、 目安
になる小道具を作り 、 有効に活用しよう 。
ミルフ ィ オ リ の周囲に不自
然な透明な痕跡を残さないよ
う 、 不透明のガラス棒を使っ
てミルフ ィ オ リ を作る 。
① 鉄芯の先端に花芯となる
色ガラスを 2 重に巻き付
け 、 円柱状にする 。
② その上に 、 ソーダの白を
6 本置く 。
③ 白と白の間を赤のガラス
を溶かして流し込む 。
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
白のガラスの先端をピ ンセ ッ ト で挟む 。
赤のガラスを押し広げるように押さえ 、 白のガラスを押す 。
針を使って端をまとめ 、 そこへ ( ポンテ ) 鉄芯をつける 。
反対側もまとめて鉄芯をつける 。
加熱してまとまったガラスをラグビーボール状にする 。
適度に軟化してから引き延ばす 。
地玉にツイ ス ト 棒をグニャ
グニャ に巻き付けて作品に仕
上げる 。
① 3 cmの長さに切っ た 2 色
のガラス棒をそれぞれ 2 本
ずつを交互に束ね 、 輪ゴム
でとめる 。
② そのガラス棒の束をさ ら
にステン レ スの針金でし っ
かり と巻く 。
③ ガラス棒の束の端にポン
テをつける
④ ガラス棒の境界に白のケ
ーンを 4 箇所挟む 。
⑤全体にク リ アーをかけてな
じませる 。
⑥ 一方の端をまとめ 、 ピ ンセ ッ ト で挟んでゆっ く り と引き延ばす ( 片引
き) 。
(1) 干支の 「 イ ノシシ 」
異なった色のガラス棒を
数本束ねて溶融 、 別に作った
ポンテにく っつけながら イ ノ
シ シ の頭部を作る 。 足 、 目
玉 、 尾などをつけ 、 ポンテを
はずすと知らない間にバラン
ス良く疾走するイ ノ シシが出
来上がる 。
バーナーワークの動物造り
を知らない者にと っては要所
要所の説明は良く理解できな
かった 。 一つだけ分かったことは 、 炎から逃がさないように絶えず暖めて
おく必要があるとのこと 。
(2) 束取り ( 稲田取り )
先年亡くなられた稲田先生が良く されていた方法 。 色の異なった数本
のガラス棒を針金で縛り 、 先端から溶かして離型剤をつけた鉄芯に巻き取
る 。 色の違いが流れ模様を作り 、 マーブル玉になる 。 作品は作者の個性と
技術にかかっている 。
(3) 木の葉とパンダ
以上 、 4 名のデモ ン ス ト レ ーターには新年早々よ り 頑張って頂き ま し
た 。 日頃からお世話になっている方々であるため 、 質問も出来 、 終始和や
かな雰囲気に進めて頂きま した 。 そして本当に役に立つ意義深い工房開き
でした 。 今後のバナーワークやとんぼ玉作り に活かしていきたいと考えて
います 。 本当にありがとうございました 。 ( 中村 糺史 記 )
Artist and glassblowerと して有
名なLouis Leloup氏 ( ルイ ・ ル
ルー ) の創作活動の写真集が大
谷史朗氏 ( ルイ ・ ルルー美術館
事務局 ) の手で出版 されま し
た 。 溶融したガラスを自在に扱
い 、 大胆で優美な曲線をもつカ
ラフルな作品が創り出される過
程を丁寧に撮影されています 。
創作のプロセスに重きを置いて
いるので 、 作品の掲載は多くはあり ません 。 5 0 部限定出版 、 購入する場
合は上記事務局まで問い合わせてください 。 ¥8,750
Janet Cores & Robert Budwig著 、 世界
の伝統的なビーズの写真と解説書 。 日本のビ
ーズについては 、 管状のビーズ 、 銀製品のイ
ヤリ ングなどが中心で 、 現代のとんぼ玉は記
載されていない 。 世界各地のビーズの特徴や
背景を研究する場合には参考になる 。 25$
1 7 名のビーズ リ ス ト に よ る作品
集 。 イラス ト と写真が美し く 、 楽し
く見ることが出来る 。 見せる編集と
しても素晴ら しい 。 ¥2,400
文責 萱村善彦