■STEP 5:電話というメディア…2 電話コミュニケーションの特性 〜緊張と悦楽のメディア〜 二面性 緊張=〈メディアの敷居〉が高い。 悦楽=〈メディアという快楽=ノリの快感〉がある。 ※普段意識することもない、電話「声」のコミュニケーションに ついて考えてみましょう。 2015/10/1 1 ●対面の代替:儀礼的語り 電話を嫌いな人は必ずいる。 ‖ 〈メディアの敷居〉を高く感じる。 電話は苦手! 儀礼的コミュニケーションの負荷感 私たちの前提としての対面神話: 〈対面・日常・秩序〉=リアリティ 対面が重い >〈電話の軽さ〉 リアルとは? 2015/10/1 2 ●電話の〈暴力性〉 相手の生活に割り込む 暴力的・強迫的 わずらわしさ ▼ 番号通知機能 ▼ 選択的コミュニケーション? 2015/10/1 3 ●〈話ことの強要〉 ◎「沈黙」が許されないメディア 電話=〈声〉=〈制限メディア〉 ・・・だから補完が必要 「間」を作れないプロトコル ※プロトコルとは= コミュニケーションの作法・取り決め 接合フォーマット、会話作法 2015/10/1 4 ●〈共在感覚の補完〉 ・「あいづち」の必要性 中断を許されないメディア 言葉で補完する 「え〜」「うん」「はあ」 VS ・対面世界には、「アイコンタクト」がある 視線合一 例:「目は口ほどにものを言う」 2015/10/1 5 ●〈電話を切る儀礼〉 ・切るタイミングがやっかい ▼ いいわけ(モーティブ・トーク) いろんな決まり文句 ある意味では、相手も了解 「うそ」「いつわり」「演技」 →負荷感 2015/10/1 6 ●〈固有のリアリティ〉 ◎電話空間(通話によるメディア空間) には 固有の リアリティ! ◎〈対面・日常・秩序〉世界と 異なる(?)メディア空間 ‖ 電話声の身体性=耳元でのささやき=没入感 2015/10/1 7 ●「おしゃべり」感覚 ◎コンサマトリーな快感 ‖ ・一種のモノローグ(独白)的な表出の連鎖? ・おしゃべりの「場」に「居る」快感 おしゃべり ◎山田登世子『声の銀河系』 声とフェミナン・・・女と電話とおしゃべり 2015/10/1 8 ●〈声のフェティシズム〉 ◎電話のおしゃべりは、なぜこんなにも私たちを魅了す るのか? ‖ メディアの幻惑力→声イメージの実体化 ・電話のなかで幻想される身体(吉見俊哉) ・〈声〉という〈イメージの実体化〉 =コピーの方が、リアリティがある リアリティの比重反転(加藤) ◎声のフェティシズム(鈴村)(部分 2015/10/1 愛・倒錯愛) 9 ●距離のパラドックス ・電話の身体性=「耳元」=フェティシズム ‖ 距離の近さ ・でも、目の前にはいない 「電話と距離のパラドックス」 ガンパート『メディアの時代』1990 例 テレビドラマ『・・・・・・』 2015/10/1 10 ●『魔女の条件』 第3回「ふりだけの秘密」(4/29/99) ・部屋にもどっくる。バックから指輪を取り出して 眺める→指輪をする→携帯が鳴る 男○もしもし→女●あたし→○いまどこ? ●うちだよ、そっちは?→○目の前にいるよ 間 ●えっ?→○俺さ、指輪しているから ●じゃ、私いまどんなかっこしてる? ○今日着ていたやつだろ。早く着替えろよ。 2015/10/1 11 ●『魔女の条件』2 ●じゃ、今何してた? ○うんと、指輪見てた。 ●なんでわかんの? ○しょうがないじゃん。本当にそばにいんだから。 ●私もいまそっちいったよ。 ○じゃ、当ててみて。俺が今、何着ているか。 ●パジャマ。色は紺→○あたった ・・・沈黙・・・ ○もしもし ●会わなきゃわかんないよ。やっぱり ●会いたい。いますぐ、会いたい!・・・・ 2015/10/1 12 ●〈顔という牢獄からの解放〉 ◎「声による擬制的な身体的なふれあい」 ‖ 情報の「制限・欠損」を補完して、 自己イメージを自分でつくる それは、 牢獄 ◎〈顔(対面)という牢獄〉からの解放 ◎積極的な構築〜消極的な構築 自己の構築・自己編集・変身可能装置? 2015/10/1 13
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