■STEP ５：電話というメディア…２電話コミュニケーションの特性〜緊張と悦楽のメディア緊張＝メディアの敷居悦楽＝メディアという快楽＝ノリの快感 ※普段意識することもない、電話「声」のコミュニケーションについて考えてみましょう。 2015/9/30 1 ●対面の代替：儀礼的語り電話を嫌いな人は必ずいる ‖ 電話の〈メディアの敷居〉を高く感じる儀礼的コミュニケーションの負荷感私たちの前提としての対面神話：〈対面・日常・秩序〉＝リアリティ対面が重い＞〈電話の軽さ〉 2015/9/30 2 ●電話の〈暴力性〉相手の生活に割り込む暴力的・強迫的わずらわしさ ▼ 番号通知機能 ▼ 選択的コミュニケーション？ 2015/9/30 3 ●〈話ことの強要〉・「沈黙」が許されないメディア電話＝〈声〉＝制限メディア「間」を作れないというプロトコルプロトコルとは＝コミュニケーションの作法・取り決め接合フォーマット、会話作法 2015/9/30 4 ●〈共在感覚の補完〉・「あいづち」の必要性中断を許されないメディア言葉で補完する「え〜」「うん」「はあ」 VS ・対面世界には、「アイコンタクト」がある視線合一例：「目は口ほどにものを言う」 2015/9/30 5 ●〈電話を切る儀礼〉・切るタイミングがやっかい ▼ いいわけ（モーティブ・トーク）いろんな決まり文句ある意味では、相手も了解「うそ」「いつわり」「演技」 →負荷感 2015/9/30 6 ●〈固有のリアリティ〉・電話空間（通話によるメディア空間）固有のリアリティの魅力メディアと共生する快感〈対面・日常・秩序〉世界と異なる（？）メディア空間 ‖ 電話声の身体性＝耳元でのささやき＝没入感 2015/9/30 7 ●「おしゃべり」感覚・コンサマトリーな快感 ‖ 一種のモノローグ（独白）的な表出の連鎖？おしゃべりの「場」に「居る」快感山田登世子『声の銀河系』声とフェミナン・・・・女と電話とおしゃべり 2015/9/30 8 ●〈声のフェティシズム〉・電話のおしゃべりは、なぜこんなにも私たちを魅了するのか？ ‖ メディアの野生＝声イメージの実体化（メディア本来がもっている幻惑増幅力）・電話のなかで幻想される身体（吉見俊哉）・〈声〉という〈イメージの実体化〉＝コピーの方が、リアリティがあるリアリティの比重反転（加藤）・声のフェティシズム（鈴村）（部分 2015/9/30 愛・倒錯愛） 9 ●距離のパラドックス・電話の身体性＝「耳元」＝フェティシズム ‖ 距離の近さ・でも、目の前にはいない「電話と距離のパラドックス」ガンパート『メディアの時代』1990 例テレビドラマ『・・・・・・』 2015/9/30 10 ●『魔女の条件』第３回「ふりだけの秘密」（4/29/99）・部屋にもどっくる。バックから指輪を取り出して眺める→指輪をする→携帯が鳴る男○もしもし→女●あたし→○いまどこ？ ●うちだよ、そっちは？→○目の前にいるよ間 ●えっ？→○俺さ、指輪しているから ●じゃ、私いまどんなかっこしてる？ ○今日着ていたやつだろ。早く着替えろよ。 2015/9/30 11 ●『魔女の条件』２ ●じゃ、今何してた？ ○うんと、指輪見てた。 ●なんでわかんの？ ○しょうがないじゃん。本当にそばにいんだから。 ●私もいまそっちいったよ。 ○じゃ、当ててみて。俺が今、何着ているか。 ●パジャマ。色は紺→○あたった・・・沈黙・・・ ○もしもし ●会わなきゃわかんないよ。やっぱり ●会いたい。いますぐ、会いたい!・・・・ 2015/9/30 12 ●〈顔という牢獄からの解放〉・「声による擬制的な身体的なふれあい」 ‖ 情報の「制限・欠損」を補完して、自己イメージを自分でつくる〈顔（対面）という牢獄〉からの解放積極的な構築〜消極的な構築自己の構築・自己編集・変身可能装置？ 2015/9/30 13