微少変化と微分

微少変化と微分
y を x のある関数 y(x) とする。
x の値が x から x+Δx まで増加するときの y の増加分 Δy は
y  y(x  x)  y(x)
dy(x)
y
 lim
微分係数は
x0 x
dx
接線の傾き
y
dy(x)
dx
従って、 が十分小さければ
y dy(x)
;
x
dx
つまり
y = y(x)
y(x+Δx)
dy(x)
x
dx
Δy
y(x)
dy(x)
y ;
x
dx
と近似できる。
Δx
x
x
x+Δx
調和振動子
運動方程式

ks
m
単振動
d2y
m 2  ks y
dt
と定義すれば
バネ定数 ks
質量 m
d2y
2



y
2
dt
力 –ksy
y  Asin t   
伸び y
は確かにこの運動方程式を満たす
0
自然の長さ
時間 t が周期 T 進むと、ωt が 2π 増加するはずだから
2
 T  2 つまり  
T
y
y
調和振動子のエネルギー
y  Asin  t
運動エネルギー
ポテンシャル
エネルギー
全エネルギー
m  dy 
K  
2  dt 
ks 2
U y
2
2
のとき
dy
  A cos  t
dt
m 2 2
ks 2
2
K   A cos  t  A cos2  t
2
2
k
U  s A 2 sin 2  t
2
ks 2
E  A 時間に依らない定数
2
E  K U
y
A
t
0
運動エネルギーと
ポテンシャルエネルギー
の時間平均は等しい
E
K  U 
2
–A
ks 2
A
2
0
K
U
t
弦のポテンシャルエネルギー
波が無い状態で Δx の長さだった弦の微小部分は、
波により長さ l まで伸びる:
張力
T
l
Δl
l cos  x
よって長さの伸びは
x
 1

l  l  x 
 x  
 1 x
 cos 
cos
 =1
張力
T
θ
x
なので
Δx
x+Δx
1
1 2
1 2
; 1   と近似できるから l   x
cos
2
2
この微小部分に蓄えられたポテンシャルエネルギー ΔU
= 張力 T がこの微小部分にした仕事 = TΔl
接線の傾き
y
 ; tan  
x
U  T l
T  y 
U    x
2  x 
2
以上まとめると
弦のエネルギー密度
長さ Δx の微小部分
質量 Δm = σΔx
y
速度 v 
t
m 2   y 
v    x
微小部分の運動エネルギー K 
2
2  t 
2
全エネルギーは
   y  2 T  y  2 
K  U         x
2  x  
 2  t 
  y 
T  y 
エネルギー密度 = 単位長さ当たりのエネルギー  (x,t)      
2  t 
2  x 
特に進行波 y = f(x-vt) の場合
2
 (x,t) 
2
  x  vt として
2
  df  T  df 
2  df 
v



v
 d 
2  d 
2  d 
2
 v2  T
教科書(3.25)式
(つまり、運動エネルギー=ポテンシャルエネルギー)
2
弦のエネルギー密度
正弦進行波の場合: f ()  Asin k  Asin k(x  vt)
2
2  df 
 (x,t)   v     v 2 k 2 A 2 cos 2 (kx   t)
 d 
分散関係
  vk
を用いると
 (x,t)   2 A2 cos2 (kx  t)
1
時間平均すると cos (kx   t) 
2
1
 (x,t)   2 A 2
よって
2
2
単位時間に弦上のある点を通過するエネルギーが「波の強さ」
波の強さ = エネルギーの流れ
I   2 A2
1
I   (x,t) v   v 2 A 2
2
特に振幅 A の二乗に比例することは重要
教科書60ページ
例題3.2