理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄 講義スケジュール 1. 2. 3. 4. 5. 6. ことばとは何か-思考・表現・コミュニケーション 文化とは何か-社会・文化・場面 ことばと文化の関係-文化リテラシーとしての言 語習得 総合活動型日本語教育のめざすもの ことばと文化はなぜ統合されなければならないの か 言語教育のめざすもの 4. 総合活動型日本語教育の めざすもの 4-1. 自分の「考えていること」を 表現する学習 言語文化能力は「私」の体験として育成される 「ある一定の内容や構造を教授」 から 「学習者自身の〈考えていること〉をどのように引 き出すか」 へ 例:教材読解中心型から自己発信表現型へ 学習者が主体的に表現するためには 何が必要か? 聞・話・読・書,という4つの形態に支えられ た「総合活動型コミュニケーション活動」 常に当面の具体的な対象と目標を前提にして 機能 達成感のある言語活動を期待 学習者自身の明確な意思を発信する 言語学習へ バーチャル・リアリティ(仮想現実)の言語 学習から脱却 学習者一人一人の「個の表現」を保証する 試み 4-2. 問題発見解決学習としての総合 活動型言語教育 例:「レポートを書く」 I. 「私」をくぐらせたテーマ設定 II. インタビュー・原稿の推敲・クラス内ディスカッシ ョン・相互評価 III. ステレオタイプの剥ぎ取り インターアクションと自己相対化 動機と結論の一致による他者説得の論理獲得 思考と表現の往還による言語活動の活性化 学習者の認識と発信意識の育成 → 学習者主体の表現活動とその組織化 学習者自身が自ら「考えていること」を発信しようと する行為を支援する 学習者自身の「考えていること」を引き出す 教材のヒエラルキィーの排除 学習者と担当者あるいは学習者間の〈個の文化〉の接触 他者との信頼関係が取り結べたという達成感 個の自己実現 4-3. 問題発見解決学習の内容・方 法・考え方 1. 総合活動型日本語教育にはルール・ブッ クがない 2. 総合活動型学習の陥りやすい問題点 3. 総合的な活動の「中身」(内容)・「型」(方 法)・「方法論」(考え方)の確立 4-3. 問題発見解決学習の内容・方 法・考え方 以上は,言語教育の「教授法」(メソード)ではなく, 言語教育/学習に関する,担当者の基本的な立 場・考え方(アプローチ)である。 そしてすべては,担当者の日本語教育への考え 方・立場(あなたはどうするのか)へ撥ね返ってく る。 関連文献 細川英雄 「崩壊する「日本事情」-ことばと文化の統合をめ ざして-」『21世紀の「日本事情」2号』 2000 細川英雄 「問題発見解決学習と日本語教育」『早稲田大学 日本語研究教育センター紀要 14』 2001 細川英雄編『合本 留学生とともに考える「日本事情」』(早 稲田大学日本語研究教育センター)1999 細川英雄編『合本 個から社会へ,社会から個へ』(早稲田 大学日本語研究教育センター)2000 細川英雄編『南アジア作文ワークショップレポート集』(言語 文化研究室)2001
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