シ カ W G 、 海 域 W G 知 床 世 界 遺 産 科 学 委 員 松 田 裕 之 ( 横 浜 国 大 ・ 環 境 情 報 ) 生 態 系 の 保 護 管 理 と 漁 業 と の 共 存 知魚 床と 海漁 域業 管を 理守 計る 画た とめ はの 2006/3/6 1 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt 今日の献立 1. 2. 3. 4. 世界遺産登録の経緯 生態系管理としての知床海域管理 世界遺産地域での資源管理 今後の課題 2006/3/6 2 • 推薦海域内の保護強化 • 推薦地と周辺のMPA設定調査 世界遺産登録までの迷走 • サケへのdamによる影響調査を 急ぐこと • 04年1月 知床遺産管理計画公表 – 漁業者に新たな規制は求めないと公約 • 04年8月 IUCN dam、海域など書簡 • 11月 科学委助言を無視して政府回答 • 05年2月 IUCNが再書簡「海域拡大を」 • 3月 科学委助言 規制なき保護強化 • damの問題:魚道設置以外の選択 • 7月 UNESCO世界遺産登録 肢の抜本的な検討が不可欠 • 06年 海域管理計画素案策定 • 持続的漁業の為の海洋保護区の検 •2006/3/6 07年 IUCN調査団の招聘 3 討、水産庁の関与、海域WG設置 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt 世界遺産登録までの迷走 • 04年1月 知床遺産管理計画公表 – 漁業者に新たな規制は求めないと公約 • 04年8月 IUCN dam、海域など書簡 • 11月 科学委助言を無視して政府回答 • 05年2月 IUCNが再書簡「海域拡大を」 • 3月 科学委助言 規制なき保護強化 • 7月 UNESCO世界遺産登録 • 06年 海域管理計画素案策定 •2006/3/6 07年 IUCN調査団の招聘 4 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt 世界遺産登録までの迷走 • 海域管理計画の作成促進、規 • 04年1月 知床遺産管理計画公表 制を強化 – 漁業者に新たな規制は求めないと公約 • 推薦地海域部分の十分な拡張 • 04年8月 IUCN dam、海域など書簡 • 11月 科学委助言を無視して政府回答 • 05年2月 IUCNが再書簡「海域拡大を」 • 3月 科学委助言 規制なき保護強化 • 7月 UNESCO世界遺産登録 • 06年 海域管理計画素案策定 •2006/3/6 07年 IUCN調査団の招聘 5 科学委員会・海域WGの課題と解 • 読売新聞 2006/3/6 政府は漁協に遺産に伴う新たな規 制なしと公約(後日、環境省と北 海道が公文書にて確認) • IUCNは保護レベル強化を求める → 漁協の自主規制強化しかない • 3年後に海域管理計画(1年後に素 案) • 登録海域を1kmから大陸棚がほぼ含 まれる範囲まで拡大 6 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2005/050314Shiretoko.html 読売新聞より け漁 と い 遠 あ た協 は な に る と幹 あ ん 漁 専 い部 り て 業 門 うに 得 、 規 家 そ 語なん制は りいなが、 『 な か』 とこ 永 2006/3/6 な学 回 は た 科 き委 の 猛 」 学 ( 拡が I 烈 石 委 大議 U に 城 員 反委会 論C 」 N をを 発 員 意 導主 へ の。長見 き導 回 そ ) 書 出し 答 の 。 を し、 で 結 メ 「 た「 は 果 ン 無 バ 規 。 、、ー視 制科今 し 漁 業 者 北 海の 道理 新 聞解 7 問題山積の 遺産登録 • • • • • ダム問題、観光客問題 3年後の海域管理計画策定を急ぐこと その中で海域保全の強化方策と海域部 分の拡張の可能性を明らかにすること。 2年後に調査団を迎えること(異例) 石城座長「重く、具体的な課題」 2006/3/6 8 http://hokkaido.yomiuri.co.jp/shiretoko/rensai/sekai_20050602.htm 海域保全強まる要求 漁業者 「これ以上何を…」 • • 「こうなることを心配していたんだ……」 北海道・知床の世界自然遺産登録が、確実と なった31日午後。たまたま読売新聞北海道支社を 訪れた羅臼町の脇紀美夫町長は、出来上がった ばかりの夕刊を手に取り、読み進むうちに絶句した。 • 「知床が遺産に登録されると、漁業規制がどんど ん膨れあがるのではないかという羅臼の漁民の心 配が、現実となった」。登録確実を伝える新聞を手 にしたときの喜びの表情は、脇町長から消えてい た。 2006/3/6 9 読売新聞2005.6.2 科学委員会の役割 (藤原千尋:農業と経済2005No.6) • 屋久島・白神山地にはない「候補地の自然環境 に対する調査研究・モニタリング・評価とその結 果に基づく順応的な保全・管理を進めるため、専 門家による委員会を設置して、科学的な立場か らの助言を得ていくものとする」(管理計画) • 「連携は上からの行政主導ではなく、地域主導で 進めるほうがうまくいく気がする」(第1回科学委 員会) 2006/3/6 10 科学委員会を巡る組織構成 合同事務局 環境省・林野庁・(水産庁・) 水産庁 北海道(水産林務・生活環境) 科学委員会(石城委員長)* 松田「加わるべき」 知床財団 羅臼漁協 斜里第一漁協 シカWG(梶座長)* 斜里漁協 海域WG(桜井座長)* 釧路水試など 河川工作物WG(中村座長) 北水研 2006/3/6 11 IUCN/SSC鮭専門家 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt 今日の献立 1. 2. 3. 4. 世界遺産登録の経緯 生態系管理としての知床海域管理 世界遺産地域での資源管理 今後の課題 2006/3/6 12 海域管理計画素案(松田案) 多利用型統合的海域管理計画素案 “Multiple-use integrated marine management plan” • 現在行っている漁業管理を明文化する – 「既に建っている家の設計図を描く」 • 目的:漁業と生態系保全の両立 – 豊かな海洋生態系に育まれた持続可能な漁業 の維持 – 知床と隣接する海洋生態系を一体のものとして保全 – 陸と海の生態系相互作用の保全 – 観光資源の持続的利用 • 長期的にはロシアとの共同管理を目指す 2006/3/6 13 管理計画策定への合意形成 陸と海の生態 系相互作用 の保全 魚サ のケ 河科 川魚 遡類 上野 の生 促繁 進殖 2006/3/6 サ討 理 サ ケ ケ ・ 類 マ 孵 化漁 ス 放業 管 流の 自 理 事 業主 計 の管 画 検 観光資 源の持 続的利 用 漁持 業続 的 業ス のケ 自ト 主ウ 管ダ 理ラ 等 主 要 漁 沿 岸 漁 場 整 備 の海 適洋 正レ 化ク リ エ ー シ ョ ン 知床周辺の 海洋生態系 保全 獲海 ・鳥 捕類 獲、 管鰭 理脚 類 の 混 策漂 ・流 由漂 来着 調ゴ 査ミ 対 漁家経営の後継者確保・基 盤強化 日露生態系共同管理に向けた研究者 間・漁業者間ならびに政府間の交流 水産物需給の変動予測 ロシア漁業の実態調査 地球規模での気候変化に伴う海洋生態系の変動(現状の把握と予測) 海 域 管 理 イ 案メ )ー ジ 図 ( 松 田 14 海域管理の指標(松田案) • スケトウダラ資源管理(自主管理・TAC法) • サケマス類の資源管理(種苗放流) 種苗放流は持続可能な漁業を支えるとしても 健全な生態系を直接支えるものではない • 海鳥類・鰭脚類の保全 • 海洋レクリエーションの適正化 • 漂流漂着ゴミ対策・由来調査 2006/3/6 15 海域管理の目標(松田案) • 自主管理とTACによるスケトウダラ資源保全 • サケ類(シロザケ、カラフトマス)孵化放流事業の 検証 • トド千島個体群を保全のため本海域におけるトド の捕獲・混獲数等を○○頭以下に維持すること (×全面禁猟、○無責任捕獲) • 日露生態系共同管理に向けた研究者間・漁業者 間ならびに政府間の交流 • 漂流・漂着ゴミの蓄積量を減らし、由来分析 • 河川遡上を含めたサケマス管理計画は科学委 2006/3/6 16 員会として管理計画を作成 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt 今日の献立 1. 2. 3. 4. 世界遺産登録の経緯 生態系管理としての知床海域管理 世界遺産地域での資源管理 今後の課題 2006/3/6 17 IUCN評価書 基準(ⅱ) 生態学的プロセス 知床は、海洋生態系と陸上生態系の相互作用ととも に特異な生態系の生産性を示す顕著な見本であり、 北半球にお いて最も低緯度に位置する季節海氷域の影響を大きく 受ける地域である。 このプロセスは、流氷がもたらす栄 養分を育む植物性プランクトンの形成に役立ってい る。アイス・アルジーや他の植物性プランクトンの大 発生は、他の海氷域に比べて早く氷が溶ける早春 の頃に起こる。植物性プランクトンは海洋生態系の 基礎生産者であり、小魚や甲殻類、貝類の餌とな るオキアミや動物性プランクトンに餌資源を供給し ている。これらは、海洋あるいは陸上の種の餌資 源となり、推薦地の顕著な生態学的プロセスの基礎をなしている。IUC Nは、距岸3㎞の海域を含む推薦地が、海洋と陸上の複合的な生態学 2006/3/6 18 的プロセス及び生態系の顕著な見本であると考える。したがってIUCN は、推薦地が本クライテリアに該当すると考える。 IUCN評価書 基準(ⅳ) 生物多様性 及び絶滅のおそれのある種 知床は、海洋性及び陸上性の多様な種に よって特異な重要性を有している。これらの中には、 シマフクロウやシレトコスミレなどいくつかの絶滅危惧種や 固有種が含まれている。推薦地は、 サケ科魚類ある いはトドや鯨類を含む海棲哺乳類にとって国 際的にも重要である。また推薦地は、国際的な希少種 である海鳥の生息地として重要であるとともに 渡り鳥に とっても重要な地域である。さらに推薦地は、限られた地域 のなかに見事な森林生態系の見本を有している。従ってIU CNは、推薦地が本クライテリアに該当すると考える。 2006/3/6 19 http://abchan.job.affrc.go.jp/digests17 TACスケトウダラ問題 (根室海峡系群) • 国後島側の漁場では漁法の全く 異なる大型トロール漁業 • ロシア水域での分布・回遊の情 報欠如 • 本海域のように狭い海域で、産 卵群を対象に漁獲を行なえば、 その効率は索餌期に比べれば 高いと考えられる • 日露共同研究・管理の重要性 • 知床世界遺産の問題点 2006/3/6 20 スケトウダラ漁業の自主管理 ~1995年177隻操業 減船して2004年86隻(49%) ほぼ漁組の予算で廃業者、転漁業者に補償 1997年~ 産卵場保護のため4, 8, 11, 14, 23, 24, 25を3/20 から漁期終了まで禁漁 2005年には禁漁区を1, 2, 3, 5, 6, 7に拡大 2006/3/6 21 屋久島 日光白根 五島列島 全国のシカ食害の実態 Vegetation damage by deer occurs throughout Japan Doñana, Spain 世界遺産 世界遺産でシカを獲る 大台ケ原 写真:常田邦彦氏・矢原徹一氏 2006/3/6 阿寒 丹沢 22 知床岬 今日の献立 1. 2. 3. 4. 世界遺産登録の経緯 生態系管理としての知床海域管理 世界遺産地域での資源管理 今後の課題 2006/3/6 23 課題(松田案) • 自主管理の国際的認知 • スケトウダラ根室系群の資源管理効果解 析(資源回復計画の立案) – 産卵量調査、漁獲量調査、CPUE(VPA)、加入 率変動解析、ロシア側漁獲量 • サケの種苗法流効果の検証実験 • トドの捕獲影響解析、責任ある捕獲 • 海洋観光利用の適正化 2006/3/6 24 http://hokkaido.yomiuri.co.jp/shiretoko/shiretoko_article/20050604_article.htm IUCN評価書 5.3 近隣諸島 知床と近隣の諸島には、その環 境や生態に類似性があるのは明 確かつ明らかである。この地域の 生態については日本とロシアの研 究者間の非公式の交流もある。 将来、これらの案件の保全の促進 を両国で同意することが可能であ れば、この案件を広範な「世界遺 産平和公園(World Heritage Peace Park)」として発展させる事 2006/3/6 も可能である。 門「 ビ 家ザ 交な 流し 」専 シェパード部長 25 横浜国立大学公開シンポジウム 「持続可能な漁業と自由貿易を考える」 主催 横浜国立大学21世紀COE「生物・生態環境リスクマネジメント」 共催 H17年度横浜国 大教育研究高度化経費「人間生態系の次世代デザインの構築」 日時 2006年3月10日(金)13-17時 場所(横浜国立大学・教育文化ホール) 長畠大四郎(水産庁漁政部参事官) 我が国における水産物供給とWTO等貿易体制 柳赫秀(横浜国大・国際社会科学研究科)コメント 林司宣(早大・法学部教授、元FAO水産局長) 持続可能な漁業のための国際的枠組 小松正之(水産総研センター理事) 責任あるまぐろ漁業のあり方と将来展望 松田裕之(横浜国大・環境情報研究院教授 ) 漁獲可能量(TAC)制度とリスク管理 伊澤あらた(WWFジャパン)コメント 総合討論 司会 来生新(横浜国大副学長) 2006/3/6 26 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.ppt 今日の献立 1. 2. 3. 4. 5. 世界遺産登録の経緯 生態系管理としての知床海域管理 世界遺産地域での資源管理 自主管理としての知床海域管理 今後の課題 2006/3/6 27 ジンバブエのアフリカゾウ 持続的利用の自主管理 • アフリカゾウ個体数:134万頭(1979)⇒119万頭 (1981)⇒62万頭(1989) • 減少の主因:象牙めあての密猟 • 80年代象牙取引の80%が非合法(WWF) • 1989年からCITES附属書Ⅰ(輸出禁止) • 自然保護区:禁猟(資源→害獣) • 密猟を政府が監視(費用負担) 2006/3/6 28 Wildlife Industries New Development for All The Communal Areas Management Program for Indigenous Resources Windfall(1978)の失敗と CAMPFIRE (1989)の成功 • • • • Windfall(1978)の失敗 地域と野生動物の調和 利用収益を還元 原因1:意思決定に地域 社会が不参加(国家主 体) • 原因2:District Councilへ の収益の地域配分比率 が小さい • 原因3:DCから地域社会 へ常に収益が還元されて いたわけではない 2006/3/6 • CAMPFIRE の成功 • 地域社会の意思決定へ の参加 • Rural DCが主体 • 政府と地域で構成 • 野生動物利用権の拡 大 • 収入配分の見直し 政 府 Rural District Council 地 域 29 海洋保護区MPA ≠ 禁漁区No-take Zone 日本におけるMPAの種類 (Simard 1995、高橋紀夫2004) • 国立公園普通地域、海中公園地 区(自然公園法) • 海中特別地区(自然環境保全 法) • 保護水面(水産資源保護法) • UNESCOのMAB(Man and Biosphere Program)における生物圏保護区 (biosphere reserve) •2006/3/6 自主管理による(漁期一部の)禁漁区 30 ジンバブエの土地利用形態と CAMPFIRE地域 2006/3/6 31
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