http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt 包括的環境影響評価に関する 国内外の動向 松田裕之(横浜国大) 於日本船舶海洋工学会シンポジウ ム:日本大学理工学部 1 http://glossary.eea.europa.eu/EEAGlossary/I/integrated_environmental_assessment 包括的環境評価IEAの定義 • The interdisciplinary and social process, linking knowledge and action in public policy/decision contexts, and aimed at identification, analysis and appraisal of all relevant natural and human processes and their interactions which determine both the current and future state of environmental quality, and resources, on appropriate spatial and temporal scales, thus facilitating the framing and implementation of policies and strategies. • 公共政策の文脈で知と活動と結び付いた学際的社会プロセ スとして、自然と人間活動を包括した現在と将来の環境の質 と資源を適切な時空間尺度で評価し、政策と戦略の枠組み と実施を目指す 2 包括的環境影響評価(IEA) Integrated Environment Assessment • 「環境保護に関する南極条約議定書」で多用 • Society of Environmental Toxicology and Chemistry(SETAC) の第2雑誌“Integrated Environmental Assessment and Management(IEAM)” 3 http://www.biodic.go.jp/biolaw/nan/nanhu1.html 南極条約議定書1991第三条包括的な環境評価書 2 包括的な環境評価書には、次の事項を含める(抜粋) (a) 当該計画と放置を含む可能な代替案の記述 (b) 当初の状態と放置した場合の将来予測 (c) 影響予測に用いられた方法及び資料の記述 (d,e) 計画で予想される直接間接の影響の評価 (f) 計画を考慮したほかの活動の累積的な影響の検討 (g)予見できない影響を探知するための監視計画 (h) 避けることのできない影響の特定 (i) 計画が科学的調査並びに他の活動に及ぼす影響 (j) 直面した知識の欠如及び不確実性の特定 (k)平易な要約 (l) 意見の提出先 4 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt 日本の海洋基本法 基本計画案 • 海洋の総合的管理 – 水産・エネルギー・鉱物資源、海運・行楽 – 平和・衡平・持続的な開発・利用 – 海域を持続的利用可能な適切な状態に維持 – 海洋の開発利用の可能性調査と促進を図る – 輻輳する海域利用の秩序維持を図る 5 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt 日本の海洋基本法 基本計画案 • 沿岸域の総合的管理(陸水域は一体) – 多様な用途に供される区域 – 総合的な土砂管理(土砂供給量減少=海岸浸食 – 沖縄等の赤土流出防止 – 栄養塩類汚染負荷の適正管理と循環の回復 – 漂流漂着 – 自然にやさしく利用しやすい海岸づくり 6 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt 日本のIEAについて感じたこと • 訳語の不統一 – 包括的環境評価 – 総合的環境アセスメント・・・ • Adaptive managementの訳語は順応的管理 (鷲谷・松田1998応用生態工学)がほぼ定着 • 不確実性の考慮 – 測定誤差、過程誤差(環境変動)、実行誤差 – リスク管理を徹底する 7 戦略的環境影響評価(SEA) (松田・浦野編著「生態環境リスクマネジメントの基礎」2007) • • • • • 費用をかけるほど手厚い自然保護が可能 いくら費用がかかるかも政策決定に重要 複数案を総合的に評価する=SEA 日本の環境影響評価法では検討中 内部検討経緯の公表義務もない • 政策決定の際の議論が国民に共有された経 験として蓄積されにくい問題点(加藤峰夫) 8 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt シンポジウムシリーズ 横浜から海洋文化を育む(第5回) 「統合的海洋教育の将来」国際シンポジウム • 日時: 平成20年3月21日(金)13:30-17:00 • 場所: パンパシフィックホテル横浜 B2F クイーンズグランドボールルーム • 主催: 横浜国大 統合的海洋教育・研究センター運営委 • 横浜国立大学では、社会科学系、工学系、環境情報系の各部局での 専門的な研究と教育を前提としつつ、海洋関係の研究を行う教員が 「統合的海洋教育・研究センター」を通して自由でゆるやかな連合 体を作り、実質的に日本国内では初めての文理融合型の大学院教育 プログラムを開始しました(平成19年10月)。平成20年度か らは副専攻学位授与をめざし、いよいよ本格的な教育が始まりま す。 • 今回は、海外の先進事例についてカナダ、台湾及び米国から専門家 を招き、統合的海洋教育推進のための貴重な経験を語っていただき ます。大学関係者のみならず、広く学生、市民一般の参加を歓迎し ます。(日英同時通訳付き) 9 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt 私の包括的環境評価 • 総合的海洋管理のための評価をめざす – 多様な用途の持続的利用 – 多様な利害関係者の衡平で公正な利用 – 上意下達と自主管理の併用 – 不確実・非定常な順応的リスク管理 – 生態系・沿岸管理 – 陸域海域一体の管理 – 生態系サービスの評価 – 生態的負荷(Ecological Footprint)の評価 10 生態学会シンポジウム「日本の国土の超 長期ビジョン」中山間地問題(08.3.17) 2010年 生物多様性条約締約国会議(名古屋) 2050年の日本の国土と自然のあり方を問う動き 最大の焦点=人口減少時代を見据えた中山間地のあり方 中山間地の放置=第3次生物多様性国家戦略の第2の危機 すべての中山間地の人間活動を維持することは極めて困難 中山間地がいったん荒廃しても、 100年後には回復? 放置された中山間地の生物多様性と生態系サービスがどのよ うに変化するか、その問題点は何か 中山間地の人間活動を維持するための条件 関連するさまざまな国際的な取り組みの紹介 ◦ ミレニアム生態系評価里山里海サブグローバル評価 ◦ 「限界集落」での野生鳥獣管理 11 3.なぜ里山は希少種の宝庫なのか -福井県中池見での議論- 人間の生産活動として持続可能なだけでなく、 生物を絶滅させずに存続させてきたという副 次的な効果もある。 なぜ、原生自然ではない中池見に多くの湿地 性の希少種が残っていたのか? 有史以前には里山依存性 の希少種はどこに生育して いたのか? 12 5.流域管理からみた日本の特徴 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 島国であり、大陸より小規模なので管理しやすい 一つの政府なので河川上流も含めた管理可能 多雨森林山地で、頑健な生物多様性をなお維持 河川が短く洪水氾濫域に人口と資産が集中 人口過密だが既に人口は減少に転じた 経済競争力が高く自然保護に努力する余裕 公共投資によって過疎地の巨大開発が繰り返し 国民の衛生水準と健康志向が高い長寿国である 13 台湾の例 • 西海岸は平野部広く、人 口密集した人工海岸 • 東海岸は平野が狭く、過 疎で自然海岸 • 東海岸を流域ごと保全 せよ 撤退するなら流域単位 14 http://www.esj.ne.jp/hozen/EMCreport05j.html 石西礁湖 生態系管理専門委員会 「自然再生事業指針」 保全生態学研究 10: 63-75 松田裕之・矢原徹一・竹門康弘・波田善夫・長谷川眞理子・ 日鷹一雅・Hotes Stefan・角野康郎・鎌田麿人・神田房行・加 藤真・國井秀伸・向井宏・村上興正・中越信和・中村太士・ 中根周歩・西廣(安島)美穂・西廣淳・佐藤利幸・嶋田正和・ 塩坂比奈子・高村典子・田村典子・立川賢一・椿宜高・津田 智・鷲谷いづみ 釧路湿原 大台ケ原 アサザプロジェクト (アサザ基金HPより) 15 http://www.esj.ne.jp/hozen/EMCreport05j.html#P13 回復力活用の原則 日本生態学会委員会2005自然再生事業指針 自然の回復力を活かし、人為的改変は必要最小限 自然再生はできるだけ自然が持つ回復力を活かせ しばしば無用な手を加え、自然の回復力をますます失う 遷移と撹乱のつりあいの変化 富栄養化、治山事業 × 遷移と撹乱を両方止める ○ 何か人為的な撹乱を付加、富栄養化の低減するなど 遷移と撹乱のつりあいという維持機構そのものを生かして多 様性を維持する方法を工夫することが望ましい。 16 生態学会中山間地シンポジウム での私の結論 • 流域単位の生態系管理を • 経済的自立を目指す里山維持を • 撤退するなら下流ごと!(防災の維持 費用の試算が必要) • 回復力活用の原則! • 100年後を見越した環境政策を! 17 津田智氏より改変 小清水原生花園自然再生 事業(火入れ) http://www.abashiri.pref.hokkaido.lg.jp/ts/kks/kokuteikouen.htm オホー ツク海 国道より北側は砂丘 原生花園の範囲 濤 沸 湖 国道より南側は湿地 網走国定公園 小清水原生花園風景回復対策事業 •火入れ(堆積した枯れ草を燃やす) •鱗翅目幼虫の除去(エゾスカシユリ、 ハマナスなどの食害防止) •ネナシカズラ、ヨモギの抜き取り(景 観の保全) 小清水原生花園の火入れ時の温度測定 (‘98.05.07.北海道小清水原生花園) 津田智研究室HP http://www.green.gifu-u.ac.jp/~tsuda/gallery3.html 18 マサバ漁獲物の年齢組成 欧州2000-04 日本1970 日本1995 19 地球環境変化Gobal change 人間の福利Human well-being 生態系サービスEcosystem services 供給サービス 生物多様性 Biodiversity 文化的サービス 支持サービス なぜ自然を守るのか? 生態系機能 Ecosystem functions 調節サービス (MA2005) 20 持続可能性 =次世代の人間が生態系 サービスを享受できるよ う、自然を守る (米生態学会委報告 1996) http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080223.ppt 生態系サービスと人間の福利 (MA 2005より) 生態系サービス 矢印の色 社会経済的認知度 低い 中間 高い 供給サービス 安全保障 •食料 •淡水 •木材と繊維 •燃料 その他 •個人の安全 •資源利用の保障 •災害からの保障 調整サービス •気候調節 •洪水制御 •疾病制御 •水質浄化 その他 文化的サービス •審美的 •精神的 •教育的 •娯楽的 その他 生存権の基盤 •適切な生活条件 •十分な栄養ある食料 •住居 •生活用品の提供 健康 •活力 •快適さ •きれいな空気と水の提供 よい社会関係 •社会の連帯感 •互恵 •扶助の能力 を一 選 達人 択 成一 と す人 るが 行 能や 動 力り の た自 い由 こ と 、 大 切 に し た い こ と • • 一支 次持 生サ 産ー 、ビ そス の 他栄 養 素 の 循 環 、 土 壌 形 成 、 人間の福利の構成要素 矢印の太さ 繋がりの強さ 弱い 中間 強い 「強さ」と「確かさ」 21 生態系サービスの価値 • • • • 生物資源 農林水産物 約140兆円/年 生態系service 物質循環 約1700兆円/年 資源価値<<生態系サービス 漁場の自然価値>漁業補償 22 海洋基本法のもとでの漁業・水産業の在り方を模索する 日本水産学会特別シンポジウム「生態系サービスと水産」 水産学会水産政策特別委員会、漁業懇話会・水産利用懇話会・増殖懇話会・環境保全委員会 • • • • • • • • • • • • 日時:平成20年4月25日(金)13:00~17:45東京大学農学部3号館 趣旨説明 黒倉寿(東大院農) 海洋の生態系サービス 古谷研(東大院農) 漁業の生態系サービス監視機能 牧野光琢(中央水研) 流通過程での保全とプロセス管理 金庭正樹(中央水研) 魚類養殖の環境インパクトと持続的生産 横山寿(養殖研) 生態系サービスの保全-知床の事例 櫻井泰憲(北大院水産)・松田裕之 生態系サービスをめぐる市民と漁業の連帯 清野聡子(東大院総合) 生態系保全のための資源経済学的アプローチ 有路昌彦(アミタ) 全体討論 総括 會田勝美(水産学会会長) 懇親会 23 Risk of human lives by climate change Parry et al., (2001) IPCC報告書 24 Effect on ecosystems by climate chage Global mean temperature increase above pre-industrial Hare, W. L. (2003). Assessment of Knowledge on Impacts of Climate Change – Contribution to the Specification of Art. 2 of the UNFCCC. http://www.wbgu.de/wbgu_sn2003_ex01.pdf. 25 http://www.5thwfc2008.com/index.html 5th World Fisheries Congress Fisheries for Global Welfare and Environmental Conservation Yokohama, 20-24 Oct 2008 Session 7 Biodiversity and Management (H.Matsuda) 7-1. Biodiversity Cons. & Sustainable Fish. Mngmnt of Salmonids 7-2. Adaptive management of cetaceans and other marine species 7-3. Species/genetic diversity and conservation for fisheries 7-4. Assessment of biodiversity and ecosystem services 7-5. Ecosystem and habitat assessment and management 7-6. Inland Fisheries --The Hidden Crisis 7-7. Eel ecology and its sustainable stock management 7-8. Stock Structure and Habitat of Pacific Swordfish & … 8-8. Territorial use rights in fisheries and spatial management 1-5. Role of hatcheries in management and conservation 1-6. Stock assessment methods: status and recent innovations 1-7. Fisheries by-catch 1-8. Seamount fisheries 5-5. Ecosystems and fisheries (general) 26 8-2: Resource Management and Millennium Ecosystem Assessment 最大持続生態系サービス Ecosystem services V(N, C) • V(N, C) = Y(C) – cE + S(N) • • • • Provisional Service (Fisheries Yield) … Y(C) Fishing Cost… cE Utility of standing biomass… S(N) C… catch; E… fishing effort; N… stock biomass 27 Regulating services S(N)= SN2/(B2+N2) (S, B) = (100,10) (S, B) = (50,50) Stock abundance N 28 Mathematics • • • • • • • Stock dynamics … dN/dt = (r – aN)N – C, Catch and yield … C = qEN, Y(C) = pqEN, Regulating service … S(N) = SN2/(B2+N2), Equilibrium … N*(E) = (r – qE)/a Service at N* … V*(E) = pqEN* – cE + S(N*) Optimal effort Eopt satisfies that V*/E = 0 Maximum Sustainable Ecosystem Service Eopt = (pqr – ac)/2pq2 29 Maximum Sustainable Ecosystem Service (S, B) = (100,10) (S, B) = (50,50) (S, B) = (0,-) 30 MSES from food webs • Community dynamics … dNi/dt = (ri + ajiNj – qiEi)Ni • Yield from foodweb… Y(E) = Ei(piqiNi – ci) • Total ecosystem services...V(E) = Y(E) + Si(Ni) • Si(Ni) = SiNi2/(Bi2+Ni2) • We obtained EMSES ↑ Y(E) and EMSY ↑V(E) 31 3 (a) 6 4 (b) 5 6 (c) 5 6 30 (d) 5 6 5 4 4 4 4 3 3 3 3 1 2 (e) 1 2 (f) 6 1 15 5 1 2 (g) 6 5 1 2 6 5 (h) 6 5 4 4 4 4 3 3 3 3 2 1 2 1 2 1 2 32 生態学的負荷 Ecological Footprint 10 生 態 学 8 的 負 6 荷 ( ヘ 4 ク タ ー 2 ル ) 0 WWF 2002 住居建設 エネルギー 漁場 森林 牧草地 農作物 生物的収容力 33 森林が多く、耕地面積が狭いことは悪いことなのか? 京都ズワイガニ漁業の海洋保護区(MPA) Construction to protect spawning/breeding area (by public expenses) (Sited from Kyoto Institute of Oceanic and Fishery Science HP) 34 牧野光琢博士 Implementation Process Phase1 Phase2 Phase3 Phase4 120 100 80 60 40 20 Temporal Fishing Ban(%) MPA Construction (km2) 0 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 年度 図2 京都府沖合海域における各施策の経年変化 Fiscal Year 35 牧野光琢博士 1000 yen Changes in Estimated Profits Resource management Fiscal year 36 牧野光琢博士 地球研アムール・オホーツクプロジェクト Ice core Sea sediment core Hydrochemical River nutrient supply 37 横浜国大COE「生態リスクマネジメントの基本手順」 (Rossberg et al. 2006 Lands Ecol Engin) 社会的 合意形成 社会 0. 問題提起 科学者 科学的 手続き 1. 問題点の吟味 2.管理範囲の絞込みと利害関係者の招待 3.協議会・科学委員会などの設置 合意できないと きは再設定 4.「避けるべき事象」の定義 5. 定量的評価指標の列挙 6. 影響因子の分析とモデル構築 7. 放置した場合のリスク評価 非 現 実 的 な ら 目 標 の 修 正 8. 管理の必要性と目的の合意 9.数値目標の仮設定 10.モニタリング項目の決定 11.制御可能項目・手法の選定 13.リスク管理計画と目標の合意 12.目標達成の実現性の評価 14.管理の実施とモニタリング 15. 管理とモニタリングの継続 必要に応じ改訂 16.目的・目標の達成度の評価 管理計画終了 38 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2004/edu04.html レヴィン「持続不可能性」の8戒 • • 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 自然を畏れ敬え (≠安全安心) 野生生物に餌を与えるな(以上松田追加) 不確実性を減らせ(Reduce uncertainty!) 不測の事態に備えよ(Expect surprise!) 不均一性を維持せよ(Maintain heterogeneity!) 生態系のモジュール構造を維持せよ(Sustain modurality!) 無駄なものをすぐに捨てるな(keep redundancy!) フィードバックを強化せよ(Tighten feedback!) 信頼関係を築け(Build trust!) あなたが望むことを人にも施せ(Do unto others as you would have them do unto you!) 39 褒めてあげたい 10の秘訣 ③ 科学委員会を組織する ② 協議会の人数が多すぎると機能不全 ⑥ 関わりの程度に応じて協議会メンバーの役割を分担 ⑩ 全体計画において長期目標・目的を合意 ⑦ 土地問題、既得権益を適切に解決する ① 実施・全体計画は薄くする。本文は要点を絞って書く ④ 全体構想案・実施計画案を意見照会にかける ⑤ 信頼関係を築き、参加者が楽しめる事業にする。 ⑧ 事業計画を見直す時期と方法を明示する ⑨ 専門家が積極的に協議会を褒める 40 してはいけない 8つの戒め ④目的の合意なしに事業計画をつめるな、 ①手を広げすぎるな ②一通りだけの未来を描くな ⑧予算を無視して議論をするな ⑤科学委員と利害関係者を混同するな ⑥二項対立に陥るな ⑦事実を無視して思想(理念)に走るな、 ③来年自分が何を言うかの想定を怠るな 41 ② 協議会の人数が多すぎると機 能不全に陥りやすい 阿蘇草原 121 釧路湿原 118 石西礁湖 89 くぬぎ山 78 霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区69 荒川太郎右衛門 67 : : 多摩川源流 38 神於山保全活用推進 38 八幡湿原 36 竹ヶ島海中公園 35 蒲生干潟 26 森吉山麓高原 23 自然再生推進法に基づく自然再 生事業における協議会構成員 数のTop 6とBottom 6 協議会開催自体に莫大な経費 が必要 ある事業では1回○百万円? 会議に年間4億円!!! 主体的議論に最適な人数に は上限があるはず。 42 順応的リスク管理 7つの鉄則 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 用いた仮説を明記する 方策の変え方を予め決めておくこと 評価基準を定めること 不確実性を考慮したリスク管理を行うこと 想定内を増やすこと 信頼関係を築くこと 現在の判断が間違いかも知れないと自覚 43 ⑤想定内を増やす • リスク管理=仮想現実モデル 数理モデルを立てなくてもできること • (一通りではなく)さまざまな事態を予想し • それぞれに対する対策を立てる(想定内) • 1年後、3年後、10年後に自分とその後任者 が何を言うかを様々に想定し、準備する 44 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/1/niijima/kotu/kotu.htm 「だろう運転」と「かもしれない運転」 危険を予測した運転を ○ 「危険がある」と認識 → ~ かもしれない運転(自分に 厳しい予測をたてて運転) × 「危険はない」と認識 → ~ だろう運転(自分に都合の良 い予測をして運転) http://www.hongwanji.or.jp/minna/2003/min030510.htm ②一通りだけの未来を描くな ③来年自分が何を言うかの想定を怠るな 45 ⑥信頼関係を築くこと • 管理計画の前提、検証計画 • 想定されたリスクと方策アルゴリズム – これらを様々な利害関係者と合意を図り、 – 信頼関係を築き上げる • Build trust! – Simon Levin 46 6 知床世界遺産海域管理計画 Brown bear Sea eagles Fisheries Steller sealion Seabirds S 5 Tooth whale Shark Ray Yellowtail Trophic level 4 O OP BT Cods G R Salmonids Walleye pollock F 3 Squids Baleen whale PH SC Crabs SL Prawn Sea cucumber Bivalves Snails Sea squirt 1 Legen d Cold current species Polychates Anchovy Sardine Zooplankton (copepods, euphausiids) Phytoplankton (ice algae) Detritus Sea weed and Sea grass PS Other fishes 2 Echnoids Mackerel SF A.G. Starfish Tuna Warm current species Animals other than fishes (Drawn up by the Marine Area WG of the Shiretoko World Natural Heritage Site Scientific Council) 47 tons Fisheries catch statistics in Shiretoko Area Made by Mitsutaku Makino 48 三橋弘宗氏作成一部改変 安室川における 自然再生事業の紹介 地域密着型の 自然再生の方法 兵庫県立人と自然の博物館 三橋 弘宗 作成(感謝!) 49 三橋弘宗氏作成一部改変 安室川自然再生の目標 再び! チスジノリ配偶体出現条件を解明 洪水で石が動くと発生仮説研磨区、 河床撹乱の野外実験区(地元上郡中学校が実施) 出現機構を活かす対策の開発 川を耕し、石を手で動かせ フラッシュ放流による微粒成分の除去 順応的管理 仮説を立て、 それに基づく対策を立て 効果を検証しつつ事業を実施 シャントランシア体 ダムからの放水とラバー堰の転倒を 組み合わせたフラッシュ放水 50 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080319OT.ppt 私の包括的環境評価 • 総合的海洋管理のための評価をめざす – 多様な用途の持続的利用 – 多様な利害関係者の衡平で公正な利用 – 上意下達と自主管理の併用 – 不確実・非定常な順応的リスク管理 – 生態系・沿岸管理 – 陸域海域一体の管理 – 生態系サービスの評価 – 生態的負荷(Ecological Footprint)の評価 51
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