PowerPoint プレゼンテーション

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カ
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G
、
海
域
W
G
205/6/27
知
床
世
界
遺
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科
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日
域
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管
の
環理
計
1
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060923Aba.ppt
今日の献立
1. 漁民が守る海の自然
•
•
•
•
遺産登録の経緯
日本で初めて海域を登録
漁業を営む自然遺産
Dam、サケ孵化放流、トドの駆除
2. 世界遺産登録の意義と課題
3. 今後の日本の水産行政
205/6/27
2
• 推薦海域内の保護強化
• 推薦地と周辺のMPA設定調査
世界遺産登録までの迷走
• サケへのdamによる影響調査を
急ぐこと
• 04年1月 知床遺産管理計画公表
– 漁業者に新たな規制は求めないと公約
• 04年8月 IUCN dam、海域など書簡
• 11月 科学委助言を無視して政府回答
• 05年2月 IUCNが再書簡「海域拡大を」
• 3月 科学委助言 規制なき保護強化
• damの問題:魚道設置以外の選択
• 7月 UNESCO世界遺産登録
肢の抜本的な検討が不可欠
• 06年 海域管理計画素案策定
• 持続的漁業の為の海洋保護区の検
•205/6/27
07年 IUCN調査団の招聘
3
討、水産庁の関与、海域WG設置
世界遺産登録までの迷走
• 海域管理計画の作成促進、規
• 04年1月 知床遺産管理計画公表
制を強化
– 漁業者に新たな規制は求めないと公約
• 推薦地海域部分の十分な拡張
• 04年8月 IUCN dam、海域など書簡
• 11月 科学委助言を無視して政府回答
• 05年2月 IUCNが再書簡「海域拡大を」
• 3月 科学委助言 規制なき保護強化
• 7月 UNESCO世界遺産登録
• 06年 海域管理計画素案策定
•205/6/27
07年 IUCN調査団の招聘
4
科学委員会・海域WGの課題と解
•
読売新聞
205/6/27
政府は漁協に遺産に伴う新たな規
制なしと公約(後日、環境省と北
海道が公文書にて確認)
• IUCNは保護レベル強化を求める
→ 漁協の自主規制強化しかない
• 3年後に海域管理計画(1年後に素
案)
• 登録海域を1kmから大陸棚がほぼ含
まれる範囲まで拡大
5
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2005/050314Shiretoko.html
読売新聞より
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205/6/27
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理
解
6
問題山積の
遺産登録
•
•
•
•
•
ダム問題、観光客問題
3年後の海域管理計画策定を急ぐこと
その中で海域保全の強化方策と海域部
分の拡張の可能性を明らかにすること。
2年後に調査団を迎えること(異例)
205/6/27
石城座長「重く、具体的な課題」
7
http://hokkaido.yomiuri.co.jp/shiretoko/rensai/sekai_20050602.htm
海域保全強まる要求 漁業者
「これ以上何を…」
• 「こうなることを心配していたんだ
……」
• 北海道・知床の世界自然遺産登録が、確
実となった31日午後。たまたま読売新
聞北海道支社を訪れた羅臼町の脇紀美夫
町長は、出来上がったばかりの夕刊を手
に取り、読み進むうちに絶句した。
• 「知床が遺産に登録されると、漁業規制
がどんどん膨れあがるのではないかとい
う羅臼の漁民の心配が、現実となった」。
登録確実を伝える新聞を手にしたときの
205/6/27
喜びの表情は、脇町長から消えていた。
8
海域管理計画の論点
多利用型統合的海域管理計画(案)
“Multiple-use integrated marine management plan”
• 現在行っている漁業管理を明文化する
– 「既に建っている家の設計図を描く」(松田)
• 目的:漁業と生態系保全の両立
–
–
–
–
豊かな海洋生態系が育む持続可能な漁業の維持
知床と隣接する海洋生態系を一体のものとして保全
陸と海の生態系相互作用の保全
観光資源の持続的利用
• 長期的にはロシアとの共同管理を目指す
205/6/27
9
(表現は松田による)
知床の食物連鎖(部分図)
6
ウミワシ類
ヒグマ
漁業
鰭脚類
トド
海鳥類
サメ類
イルカ類
5
エイ類
タコ類 アイナメ類
マダ
カレイ類 ラ
TL
4
メヌケ キチジ ソイ類
3
2
サケ類
スケト
ウダラ
コマイ
髭クジラ類
ハタハタ
イカナゴ類
エビ類
ニシン
1
ナマコ
巻貝
二枚貝類
デトライタス
海藻
ホヤ
サンマ
カタクチイワシ
マイワシ
その他魚類
動物P
ウニ類
サバ
イカ類
ホッ
ケ
ヒトデ類
カニ類
ブリ マグロ類
多毛類
植物P
知床の海域生態系と漁業の特徴
•
•
•
「
漁
種
日
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を
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地
成
を
205/6/27
11
管理計画策定への合意形成
陸と海の生態
系相互作用
の保全
魚サ
のケ
河科
川魚
遡類
上野
の生
促繁
進殖
205/6/27
サ
ケ
マ
ス
管
理
計
画
化サ
放ケ
流類
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業業
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観光資源
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利用
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業続
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岸
漁
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図
(
松
田
案
)
知床周辺の
海洋生態系
保全
獲海
・鳥
捕類
獲、
管鰭
理脚
類
の
混
策漂
・流
由漂
来着
調ゴ
査ミ
対
漁家経営の後継者確保・
基盤強化
日露生態系共同管理に向けた研究者
間・漁業者間ならびに政府間の交流
水産物需給の変動予測
ロシア漁業の実態調査
地球規模での気候変化に伴う海洋生態系の変動(現状の把握と予測)
12
http://abchan.job.affrc.go.jp/digests17
TACスケトウダラ問題
(根室海峡系群)
• 国後島側の漁場では漁法の全く
異なる大型トロール漁業
• ロシア水域での分布・回遊の情
報欠如
• 本海域のように狭い海域で、産
卵群を対象に漁獲を行なえば、
その効率は索餌期に比べれば
高いと考えられる
• 日露共同研究・管理の重要性
• 205/6/27
知床世界遺産の問題点
13
原図:牧野光琢氏
スケトウダラ漁業の自主管理
~1995年177隻操業
減船して2004年86隻(49%)
ほぼ漁組の予算で廃業者、転漁業者に補償
1995年~ 3/20から漁期終了まで禁漁
産卵場
1995より操業制限
205/6/27 2005より操業制限追加
14
海域管理の指標(松田案)
• スケトウダラ資源管理(自主管理・TAC法)
• サケマス類の資源管理
– 種苗放流は漁業のため
– 天然魚の保護が保全指標
• 海鳥類・鰭脚類の保全
• 海洋レクリエーションの適正化
• 漂流漂着ゴミ対策・由来調査
• 日露生態系共同管理に向けた交流
205/6/27
15
課題(松田案)
• 沿岸漁業自主管理の国際的認知
• スケトウダラ根室系群の資源管理
効果解析(資源回復計画の立案)
– 産卵量調査、漁獲量調査、CPUE(VPA)、
加入率変動解析、ロシア側漁獲量
• サケの種苗法流効果の検証実験
• トドの捕獲影響解析、責任ある捕獲
205/6/27
中西準子氏2006.1.20
化学工業界でも自主管理
が奨励されている
January 20, 2006
詳細リスク評価書が開いた扉
中西
準子
独立行政法人産業技術総合研究所
化学物質リスク管理研究センター
http://unit.aist.go.jp/crm/
17
多くの人に
中西準子氏2006.1.20
リスク評価が出来るようになってもらおう
1.濃度推定モデルとツールの開発、公表、講習
2.Risk Learning
3.RiskCaT-LLE
18
中西準子氏2006.1.20
評価結果を使う:
自主管理の意思決定(産構審)に使って貰う
平成8年
大気汚染防止法で大きな改正
有害大気汚染物質対策について、事業者の責務が追加
Pledge & Review方式の自主管理の実施
自主管理だから、主体的に判断しなければならない
この判断に、リスク評価が使われた
2005年5月12日:産構審化学・バイオ部会リスク管理
小委員会有害大気対策WG
19
中西準子氏2006.1.20
今後:
化学物質管理はほとんど自主管理になる
自主管理のために、リスク評価結果が必須になるし、
また、指針にも援軍にもなる
国、自治体、事業所が、それぞれ自分で、自分の関心
のある範囲でのリスク評価をしなければならないだろう
市民との対話の材料になる
やがて、市民もリスク評価をするようになるだろう
20
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060923Aba.ppt
今日の献立
1. 漁民が守る海の自然
2. 世界遺産登録の意義と課題
–
–
–
–
IUCNが評価した自然
科学委員会の役割
日本型自主管理の特徴
日露共同管理への展望
3. 今後の日本の水産行政
205/6/27
21
IUCN評価書
基準(ⅱ) 生態学的プロセス
知床は、海洋生態系と陸上生態系の相互作用ととも
に特異な生態系の生産性を示す顕著な見本であり、 北半球にお
いて最も低緯度に位置する季節海氷域の影響を大きく
受ける地域である。 このプロセスは、流氷がもたらす栄
養分を育む植物性プランクトンの形成に役立ってい
る。アイス・アルジーや他の植物性プランクトンの大発生は、他の海氷
域に比べて早く氷が溶ける早春の頃に起こる。植物性プランクトンは海
洋生態系の基礎生産者であり、小魚や甲殻類、貝類の餌となるオキア
ミや動物性プランクトンに餌資源を供給している。これらは、海洋
あるいは陸上の種の餌資源となり、推薦地の顕著な生態学
的プロセスの基礎をなしている。IUCNは、距岸3㎞の海域を含む推薦
地が、海洋と陸上の複合的な生態学的プロセス及び生態系の顕著な見
本であると考える。したがってIUCNは、推薦地が本クライテリアに該当
すると考える。
205/6/27
22
IUCN評価書 基準(ⅳ) 生物多様性
及び絶滅のおそれのある種
知床は、海洋性及び陸上性の多様な種に
よって特異な重要性を有している。これらの中には、
シマフクロウやシレトコスミレなどいくつかの絶滅危惧種や
固有種が含まれている。推薦地は、 サケ科魚類ある
いはトドや鯨類を含む海棲哺乳類にとって国
際的にも重要である。また推薦地は、国際的な希少種
である海鳥の生息地として重要であるとともに 渡り鳥に
とっても重要な地域である。さらに推薦地は、限られた地域
のなかに見事な森林生態系の見本を有している。従ってIU
CNは、推薦地が本クライテリアに該当すると考える。
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23
科学委員会の役割
(藤原千尋:農業と経済2005No.6)
• 屋久島・白神山地にはない「候補地の自然
環境に対する調査研究・モニタリング・評
価とその結果に基づく順応的な保全・管理
を進めるため、専門家による委員会を設置
して、科学的な立場からの助言を得ていく
ものとする」(管理計画)
• 「連携は上からの行政主導ではなく、地域
主導で進めるほうがうまくいく気がする」
(第1回科学委員会)
205/6/27
24
生態環境リスクマネジメントの基本手順(横浜国大COE)
社会的合意
形成手続き
社会
科学者
0. 問題提起
科学的
手続き
1. 問題点の吟味
2.管理範囲の絞込みと利害関係者の招待
3.協議会・科学委員会などの設置
情報公開
合意できないと
きは再設定
4.「避けるべき事態」の定義
5. 定量的評価指標の列挙
6. 影響因子の分析と予測方法の構築
7. 放置した場合のリスク評価
8. 管理の必要性と目的の合意
9.数値目標の仮設定
10.モニタリング項目の決定
11.制御可能項目・手法の選定
リスクコミュニケーション
13.リスク管理計画と目標の合意
リスクコミュニケーション
12.目標達成の実現性の評価
14.管理とモニタリングの体制決定
15. 管理とモニタリングの実施・継続
必要に応じ改訂
205/6/27
順応的管理
16.目的・目標の達成度の評価
管理計画終了
25
非
現
実
的
な
ら
目
標
の
修
正
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科学委員会の構成
•
•
•
•
•
•
•
•
•
2004.1.16管理計画策定後の2004.7.16に召集
植物:石川幸男、工藤岳、高橋英樹
森林生態:五十嵐恒夫、(石城謙吉)
哺乳類:大泰司紀之、梶光一
鳥類:中川元
魚類:小宮山英重、帰山雅秀
砂防・河川生態:中村太士
海洋生態:桜井泰憲、佐野満廣、小林万里
沿岸海洋学:服部寛
その他:松田裕之、金子正美、
小林昭裕
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海洋保護区MPA ≠ 禁漁区No-take Zone
日本におけるMPAの種類
(Simard 1995、高橋紀夫2004)
• 国立公園普通地域、海中公園地区
(自然公園法)
• 海中特別地区(自然環境保全法)
• 保護水面(水産資源保護法)
• UNESCOのMAB(Man and Biosphere Program)に
おける生物圏保護区(biosphere reserve)
• 自主管理による(漁期一部の)禁漁区
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27
IUCN評価書
5.3
知床と近隣の諸島には、その
環境や生態に類似性がある
のは明確かつ明らかである。
この地域の生態については
日本とロシアの研究者間の非
公式の交流もある。将来、こ
れらの案件の保全の促進を
両国で同意することが可能で
あれば、この案件を広範な
「世界遺産平和公園(World
Heritage Peace Park)」として
205/6/27
発展させる事も可能である。
近隣諸島
門「
ビ
家ザ
交な
流し
」専
シェパード部長
読売新聞HP
28
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060923Aba.ppt
今日の献立
1. 漁民が守る海の自然
2. 世界遺産登録の意義と課題
3. 今後の日本の水産行政
–
–
–
205/6/27
日米漁業法制度の比較
高木委員会報告(欧米化!)
自主管理の有効性
29
牧野光琢氏
現行漁業制度の理念
• 漁民らが構成する漁業調整委員会の広範な権限
• 漁業権の私的財産権的性格を制限
• 関係漁民の総意による漁場計画+委員会指示
=水面の総合的利用
• 漁業の持続的生産を達成
「資源利用者による資源の保護・培養」
という理念は受継がれている
205/6/27
30
牧野光琢氏を改変
日本型の資源管理制度の構造的欠陥
1. 科学的・定量的な管理概念がより希薄
2. 特に商品価値の高い魚種が中心
3. 沿岸の漁業生態系ベース資源管理が困難
4. 各漁種、漁協、地方行政単位の資源管理
5. 種苗放流事業での広域協力体制の不足
明治維新の際、欧米型制度を導入したが
失敗し、排他的な漁業権制度を追認した法
体系をもつ ← これは悪いことか?
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31
「魚食をまもる水産業の戦略的
な抜本改革を急げ」
水産業改革高木委員会 緊急提言
2007.2.2 (社)日本経済調査協議会
1.水産資源を無主物としての扱いではなく
日本国民共有の財産に
2.水産業の抜本的な構造改革をー水産業
への参入のオープン化ー
3.水産業の戦略的な抜本改革のため水産
予算の弾力的な組替え
32
日本の漁業制度の特徴
日本
米国
• 資源管理の主体は地
元の漁業者
• 漁業権制度
• 入口管理中心
– 海洋法から出口管理
導入(TAC)
• TAC(ABC規則)に予
防措置を明記
205/6/27
•
•
•
•
政府による資源管理
一般市民の資源利用
自由参入
出口管理中心
– ITQ(譲渡可能個別割当
量)
• 生態系アプローチ
TAC=漁獲可能量
33
小松正之氏2007.4.13より
米国の水産業政策
マグナソン・スティーブンス漁業保存管理法の修正案
①予算:約3000億円/7年間(2007年~2013年)
②過剰漁獲を完全になくす明確な期限(2010-11年)
③科学ベースの資源管理の徹底
④操業モニターと取締り制度の強化
⑤マーケットに基づいた漁業の推奨
⑥IFQ(Individual Fishing Quata)制度の強化のた
めLAP(Limited Access Privilege)制度の導入
⑦漁獲能力削減プログラムの実施
⑧生態系の保護政策と漁業管理に生態系アプロー
チの導入
34
205/6/27
主要国における漁業管理制度の概要
TAC管理手法
TAC設定
IQ方式
ITQ方式
アイスランド
●
●
ノルウェー
●
●
イギリス
●
●
スペイン
●
●
ニュージーランド
●
●
オーストラリア
●
●
アメリカ
●
●
日本
●
オリンピッ ク
方式
●
35
小松正之氏2007.4.13を改変
水産資源の共有財産を定めている法的規定の例
国連海洋法条約:第1部(前文)
・・・国の管轄権の及ぶ区域の境界の外の海底及びその下並びに
その資源が人類の共同の財産(as well as its resources, are the
common heritage of mankind)であり、・・・
EU共通漁業政策:序論
・・・漁業資源はわれわれの共有財産の一部である(Fish
resources are part of our common heritage)。
ブラジル憲法:第20条
大陸棚及び排他的経済水域の天然資源は連邦政府の資産。
米国(NOAA Statement)
天然資源は、公共信託法理(public trust doctrine)に基づく公共
資産で、個人の所有によるものではなく(incapable of private
ownership)、政府は被信託者として、その管理の権限と責任を
36
有している。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2004/Shiretoko.html#1104
知床世界遺産海域WG
松田の2004.11.4書簡
• 海洋保護区(MPA)という言葉を使っていないのは大問
題・・・漁業活動を管理する新たな取り組みを決め、モニ
タリング項目も専門家(科学委員会と理解)の意見を求め
つつ策定・・・これは評価できます.
• 多利用型統合的海域管理計画の訳語が問題・・・「利用」
だけが前面に出て,protected areaとは理解されないでしょ
う.・・・MPAは明確な定義がない・・・あえて相手の助言
を否定する道を選びました.
• また自主管理をどう訳すかも問題・・・community-based
managementならよいが,voluntary regulationなどと訳すと
評価されない = (voluntary tight restrictionsと回答)
“Multiple-use integrated marine management plan”
205/6/27
37
水産政策の二種類の誤り
http://www.fandango.co.jp/talent_prf/
×欧米化
• 自由参入型漁業の導入
• 自主管理型漁業の否定
• 出口管理の徹底(ITQ)
×守旧派
• 漁業権の特権維持
• ABCとTACの乖離の
維持
• 科学的管理、生態系的取組み
• 説明責任の徹底
• 生産者+他の利害関係者との合意形成
• 自主管理の推進(沿岸漁業の入口管理)
• 漁業権の維持
205/6/27
ABC=水産総研セが答申する生物学的許容漁獲量
38
CoML
規制の度合いで評価し、保全の結果で評価
していない(自主管理は評価されない)
海洋保護区によるさんご礁の保全状態
39
Mora et al. (2006) Science 312: 1750 - 1751
まとめ
• 保護と持続的利用の両立を
– トド・ヒグマ保護管理計画の策定を
– 日本型“海洋保護区”の認知を
– 漁業者と観光客とトドと羆と鹿の共存を
• 北方四島と総合した海域保護管理の実行
• 科学的合意形成と自主管理(“Comanagemnt”)の基本形の定着を
– 科学委員会制度の定着を
205/6/27
– 自主管理制度の世界的認知を
40
謝 辞
•
•
•
•
知床世界遺産科学委員会各位
小松正之(水産総研センター)
中西準子(産総研CRM)
牧野光琢(中央水研水産経済部)
• 藤原千尋(知床財団)
• 加々美康彦(元海洋政策研究財団)
• 高橋紀夫(2004)絶滅危惧種の保護対策「ワシントン
条約附属書掲載基準と水産資源の持続可能な利用」
松田裕之ほか編著,自然資源保全協会,105-110
• 藤原千尋(2005)「知床世界自然遺産候補地科学委員
会と地域社会-研究者と地域住民の対話の始まり」
205/6/27
41
農業と経済 2005年6月号65-70