数理統計学第11回

数理統計学 第11回
西 山
前回のポイント
1.
サンプル平均の確率法則


2.
サンプル平均は正規分布する
どう分布するか ⇒ 定理8が最重要!
サイコロの目は、平均とは違う


母集団の分布=札の数字に着目
サンプル平均=とった札全体の平均をみ
る
例題【1】正規分布を母集団にとる
旅客機利用客の体重は、全体として平均55Kg、標準
偏差10Kgで正規分布していると言われる。では、定
員400人が満席の時の旅客総ウェイトの最大値をいく
らと見込むとよいか?
これは平均値の
確率法則を利用
する問題
総ウェイト= 400 
(400人の平均体重 )
無作為データ
=
サイコロの目
全体を母集団
集めたデータをサンプル
と呼びます
今回の標本分布
母集団
どんな400人が
多いか
【1】の解答
最後は理論を使っ
て回答してください
コンピューター実験で解答しましょう・・・400人のデータ抽出を1000回反復
標本平均の分布
250
200
150
100
50
53
.53
-5
3.
53
.83 83
-5
4.
54
.14 14
-5
4.
54
.44 44
-5
4.
54
.75 75
-5
5.0
55
5
.05
-5
5.
55
.35 35
-5
5.
55
.66 66
-5
5.
55
.96 96
-5
6.
56
.26 26
-5
6.5
7
0
最大値
最小値
平均値
分散
56.56709
53.53117
55.00031
0.256368
理論的な解答―母集団の確認から
  55
2
2
  10
正規分布の
3シグマの法則
400人がサンプル
EX   55
100
V X  
 0.25
400
SDX   0.5
平均56.5Kgを超
えないはず!
例題【2】
2号館に設置されているエレベーターの定員は11名であ
り、最大積載量は750Kgと明示されている。定員一杯の
とき、平均68.2Kgだと「乗れない!」ということになる。こ
のエレベーターの安全性について、統計上の観点に
たって、考えるところを自由に述べなさい。 但し、上のエ
レベータに乗るかもしれない人たち(=母集団)の体重
分布は、N(55,225)としておく。
簡単のため11人満員の時の状況だけを考える
【2】の解答
合計の分析=平均値の分析
11人の総体重=
11人11人の平均体重
EX   55
11人の平均体重は最大の
ときで
225
V X  
 20.45
55  3 411
.52  68.56
SDX   20.45  4.52
3シグマで最大値を予測しておけばよい。ないし、4シグマ。
練習問題【1】
サイコロを30回振った時に出る目の数を平均し
てサンプル平均を調べる。
1. サンプル平均の値が4.0以上になるのは、ど
の位の確率ですか?
2. サンプル平均はどの程度の値になるか
95%範囲を出しなさい。
母集団のμとσ2、そしてサンプル数nを確認してください!
練習問題【1】の解答
EX   3.5
2.92
V X  
 0.0973
30
SDX   0.0973  0.31
サンプル平均の確
率分布を図に書い
てください
① 値4.0を標準化すると、1.61
授業はここまで
② 95%範囲とは2シグマ区間のこと!
練習問題【2】
日本人の体重分布には正規分布N(55,225)が
当てはまっているとする。11人のサンプルをとる
として・・・
1. サンプル平均の値が60Kg以上になるのは、
どの位の確率ですか?
2. サンプル平均の値が50Kg台になるのは、
どの位の確率ですか?