課題 1(2015 年冬学期)の解答 1 (5 点)末尾に添付の手書きの解答を参照のこと。 2 (5 点)今,0 年に発行されて T 年に元利償還される利付債券を考えると。クーポンレ ート(c)と最終利回り(i)が等しい場合,T-1 年に残存期間が 1 年の当該利付債券の 価格は,以下のように額面(B)に等しくなる。 B + cB =B 1+ i この議論を T-2 年に残存期間が 2 年の当該利付債券に適用しても,債券価格は,再 び B となる。この議論を発行年(0 年)までさかのぼって繰り返していくと,発行時の 債券価格も B に等しいことになる。 3 (10 点) 添付の手書きの解答を参照のこと。 また, 添付エクセルファイル(PS3_2015_3) も参照してほしい。エクセルファイルには,連続時間の計算も含めている。 4 (5 点)この新聞の金利期間構造を前提とすると, 「4 年先の 1 年物予想金利」がマイ ナス 2%になってしまう。通常,名目金利は,負値をとらないことから,A 君は疑問を 呈した。 5 (10 点)金利期間構造から 2 期間物の金利は,向こう 2 年間の 1 期間物の金利に等し い。すなわち, s2,t = s1,t + s1,t +1 2 ( となる。この式からは, s1,t +1 − s1,= 2 s2,t − s1,t t ) を導 出できる。もし,金利期間構造の関係が実際のデータで成り立っているとすると,横軸 に長短スプレッド,縦軸に金利変化をとったグラフの傾きは,正となり,その係数は, 2 に等しくならなければならない。しかし,図 1 は,傾きは正である点では,金利期間 構造の関係と整合的であるが,係数が 1 を下回っている点では整合的でない。 6 (10 点)2012 年半ばごろまでは,当面短期金利がゼロ近傍で推移するという予想が反 映して,長期国債の利回りが低下した。2013 年になると,連邦準備制度(米国の中央 銀行)がゼロ金利政策を転換する蓋然性が市場関係者の間で考慮されたことから,将来 の短期金利の上昇が見込まれて長期金利が上昇した。そうした蓋然性が弱まる局面で は,短期金利は再び低下した。 7 (5 点)準備預金の金利が年 0.1%の水準を下回らないという意味では,短期金利が将 来低下する余地はほとんどないことから,短期金利の水準が下げ渋った一方で,そうし たゼロ近傍の短期金利が当分,おそらくは,何年も続くという予想が織り込まれて,超 長期債利回りが低下した。その結果,長短スプレッドが縮まり,イールドカーブはフラ ット化した。
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