KYTの改善

労働災害の書類送検事例
2015年1月~2月
労働安全衛生法違反
送検日
2015/1/5
送検先
鹿児島地検
対象
マグロ研究所(鹿児島)と社長(48歳)
状況
2014年10月25日、湾内で男性社員(当時28歳)が、クロマグロ養殖用
いけすの点検作業中、入水して約1時間後に海底に沈んでいる状態で見
つかり、水死した。
同社らは、潜水士免許を持たない男性社員に潜水業務をさせた疑い。
2
労働安全衛生法違反
送検日
2015/1/20
送検先
長崎地検
対象
建設会社(西海市)と社長(66歳)
状況
2014年8月27日、南島原市内の肥料製造施設の破損屋根改修工事で、
高さ約5メートルの屋根の上で作業中、男性作業員(63歳)が屋根を
踏み抜いてコンクリート床面に転落、頭の骨を折るなどの重傷を負った。
同社らは、幅30センチ以上の歩み板を設けたり、防護網を張るなどの措
置を怠った疑い。
3
労働安全衛生法違反
送検日
2015/1/20
送検先
長崎地検
対象
建設会社(熊本県天草市)と社長(63歳)
状況
2014年9月12日、島原市内の豚舎新築工事で、高さ2メートル以上の
場所で屋根の部材を取り付ける作業中、男性作業員(59歳)が高さ約
4.6メートルの屋根の部材上から転落し、頭の骨を折る重傷を負った。
同社らは、防護網を張ったり作業員に安全帯を使用させたりする措置を
怠った疑い。
4
労働安全衛生法違反・業務上過失致死罪
送検日
2015/1/30、2/9
送検先
大分地検
対象
潜水工事業者(佐伯市)と社長(64歳)
2012年3月17日、津久見市のブイ撤去作業工事で発生した3潜水士死
亡事故で、雇い入れた労働者に対し、潜水業務を行わせる際に危険性の
周知や事故発生時の応急措置を教育しなかった疑い。
状況
また、必要な措置を怠って潜水作業員3人を溺死させた疑いで、海保は業
務上過失致死罪で書類送検した。社長の過失として▽作業員を救助す
る潜水士を海上に待機させなかった▽十分に空気供給できるタンクを装
着させなかった▽作業員の体調やタンク内の空気残圧の確認を怠った
−−の3点を認定した。同社は撤去工事の3次下請け。海保は3点とも社
長の過失と判断し、元請け業者らは立件しなかった。
5
業務上過失傷害罪
送検日
2015/2/4
送検先
神戸地検
対象
状況
当時の市環境局主幹で担当責任者だった同施設所長(58歳)と市の
元主幹(61歳)、施工業者(同市)の当時の現場責任者(49歳)
2010年3月、兵庫県姫路市のごみ焼却・再資源化施設「エコパークあぼ
し」の建設工事中、地中で発生した可燃性のメタンガスが1階床下に充満
し、ガスバーナーの火に引火して爆発し、作業員10人が重軽傷を負った。
送検容疑は、有機廃棄物を埋め立てた地中からメタンガスが発生する可
能性が極めて高いにもかかわらず、安全対策を検討しなかった疑い。
6
労働安全衛生法違反
送検日
2015/2/5
送検先
福島地検
対象
1次下請け会社(東京)と当時の工事責任者(52歳)
2014年3月、低レベル放射性廃棄物などを保管する貯蔵庫の基礎部分
の補修工事で地面に掘った穴の周囲の土砂やコンクリートが崩落し、掘削
作業をしていた男性作業員(当時55歳)が生き埋めになって死亡した。
状況
同社らは、土砂が崩れないよう板などで支える措置を怠り、法令で定め
た掘削作業主任者も選任していなかった疑い。
同社は「3日後に迫った工期に間に合わせようと急いでいたため、危険防
止措置をとらなかった」などと話しているという。
7
業務上過失致傷罪
送検日
2015/2/9
送検先
横浜地検
対象
保守点検会社の川崎営業所長(52歳)ら同社社員5人
2014年1月8日、川崎市の武蔵小杉駅構内で、連絡通路にあるエスカ
レーターが急停止して逆走し、利用者5人が重傷、6人が軽傷を負った。
状況
同営業所は、2013年3月の法定検査で、基準を超えるチェーンの緩みを
発見しながら放置していた。2014年1月3日に安全装置が作動してエスカ
レーターが急停止した際も、担当者がチェーンが緩むと接触するよう設置さ
れていたセンサーの位置をずらし、装置が作動しないよう細工していた。
8
業務上過失致死罪
送検日
2015/2/17
送検先
福岡地検
対象
整形外科医院(福岡市)の院長(47歳)
2013年10月11日、鉄筋コンクリート地下1階、地上4階建ての医院が全
焼し、入院患者8人と、院長の両親である前院長夫妻が一酸化炭素中
毒で死亡し、患者ら5人が重軽傷を負った。出火原因は「トラッキング現
象」としている。
状況
院長は防火管理の責任者だったが(1)防火扉の一部に紙やストッパー
を挟み閉まらないようにしていた(2)防火扉の煙や熱を感知する部品が
壊れていたのに、点検を怠り放置した(3)避難出口となる1階裏口の扉
の鍵を当直の看護師に持たせず、玄関も内側のドアノブに鎖を巻いて容易
に開かないようにした(4)認知症だった院長の母親(当時72歳)を防
火管理者としていた−−などの疑い。
9
労働安全衛生法違反
送検日
2015/2/18
送検先
佐賀地検
対象
食肉加工販売会社(西松浦郡)と取締役工場長(56歳)
状況
2014年9月18日、加工工場で鶏肉を部位ごとにカットする作業中、切断
機の内部に落ちた肉片を取りだそうとした従業員2人が腕を挟まれ骨折など
の重軽傷を負った。
同社らは、作業中に機械を止めたり、肉片を安全にかき出す器具を近く
に設置するなどの対策をしていなかった疑い。
10
労働安全衛生法違反
送検日
2015/2/20
送検先
佐賀地検
対象
機械部品製造会社(武雄市)と経営者(34歳)
状況
2014年11月、旋盤加工中に金属製パイプ(長さ4.2メートル、直径5セン
チ)が固定具から外れ、男性作業員(当時28歳)の頭に当たり死亡し
た。
同社らは、旋盤加工機に接触防止用の安全カバーを取り付けていなかっ
た疑い。
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労働安全衛生法違反
送検日
2015/2/24
送検先
神戸地検
対象
解体業者(神戸市)と代表(48歳)
2014年4月3日、神戸市中央区の解体工事中のビルで、足場が倒壊して
通行人がけがをした。
状況
同社らは、必要な作業責任者を選任せず、危険防止策などを盛り込んだ
作業計画を立てなかったほか、資格のない作業員に鉄骨をガスで溶断す
る作業をさせた疑い。
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