労働災害の書類送検事例 2014年5月~6月 労働安全衛生法違反 送検日 2014/5/1 送検先 大津地検 対象 解体会社(甲賀市)と男性社長(67歳) 状況 2013年11月、民家の解体現場で、解体中の民家のひさしが倒壊したた め、男性作業員(59)が脚立(高さ約1.4メートル)から落ちて頭を 打ち、3日後に死亡した。 解体作業時には作業指揮者を置かなければならないが、事故当時、作業 指揮者を務める社長が現場におらず、危険防止措置を取っていなかった 疑い。 2 労働安全衛生法違反 送検日 2014/5/8 送検先 金沢区検 対象 電気設備建設会社(金沢市)と当時の常務(70歳)ら3人 状況 2013年12月3日、能美市内で電線の撤去工事をしていた30代の男性社 員が電線を巻き取る滑車に左手を挟まれ指を切断した労災事故について、 同社らは、金沢市内で別の作業中に起きたと偽って同署に報告した疑い。 3人はいずれも安全管理の責任者だった。 昨年秋ごろにも労災事故があり、今回の事故で発注元の電力会社の信 頼を失わないために虚偽報告をしていたという。 3 労働安全衛生法違反 送検日 2014/5/13 送検先 福島地検 対象 除染下請け業者(東京都中央区)と同社福島支店長(53歳)ら3人 2013年9月17日、葛尾村の住宅の除染工事現場で、同社の男性従業 員(当時37歳)が樹枝を切り落としていた際にはしごから転落し、骨盤を 折るなど全治2カ月の重傷を負ったのに、同社は監督署に労災があったこ とを約3カ月、報告していなかった。 状況 監督署が匿名の通報を受けて同社を調査した際、福島副支店長(42 歳)らは従業員のけがについて「仕事が終わった後、寮の階段で転倒して 負傷した」と虚偽の説明をしたという。同支店は監督署の調べに「元請けか ら仕事を切られると思って報告しなかった」と話している。 福島労働局によると、除染業者による労災隠しの立件は初めて。 4 労働安全衛生法違反 送検日 2014/5/22 送検先 山形地検 対象 機械部品製造会社(河北町)と、副部長(50歳)と課長(51歳) 2013年10月5日、社員の男性(当時30歳)が、パワーショベルの油圧部 品を製造する加工機械とロボットアームの間に胸を挟まれ、窒息死した。 状況 副部長と課長は、産業用ロボットとの接触防止用の囲いの扉が故障し、稼 働中のロボットアームに挟まれるなどの危険性がある状態だったにもかかわら ず、扉の修理など事故防止の措置を講じなかった疑い。 囲いの扉は開けるとロボットアームが停止する仕組みだったが、2人は扉の安 全装置が機能していないのを認識しながら放置したという。 5 労働安全衛生法違反・業務上過失致死罪 送検日 2014/6/6 送検先 広島地検 対象 元請けの建設会社(本社・東京都) 当時の建築事業部長(56歳)と現場所長(42歳) 2013年6月28日、同社が請け負った呉市のマンション建設工事現場で、 作業員(当時44歳)が土砂崩れで死亡した。 状況 同社らは、土砂の崩落防止のために十分な柱や板を設けるなどの危険防 止措置を怠った疑い。 また、11日、建築事業部長と現場所長を、業務上過失致死容疑で書類 送検した。 6 業務上過失致死傷罪 送検日 2014/6/10 送検先 大阪地検 対象 男性船長(73歳) 2012年12月、砂利運搬船(約55トン)でガス爆発事故が発生し、船員 (当時68歳)が死亡、船長と船員、別の船の船員1人が重軽傷を負った。 状況 船長は、ガスボンベを風通しの悪い倉庫に置いたままにするなど安全管理 義務を怠り、事故を起こした疑い。 船長は2009年7月、近畿運輸局の定期検査で指導を受けていた。 7 労働安全衛生法違反 送検日 2014/6/24 送検先 岡山地検 対象 状況 合成樹脂製品製造・販売会社と、前代表取締役(49歳)、取締役工 場長(42歳) 2013年12月19日、同社の製造工場で、男性作業員(30歳)が製造 機械の調整作業中、指を挟まれて、休業4日以上のけがをしたにも関わら ず、前代表取締役は、報告書を提出しなかった疑い。また、工場長は 2014年2月4日、「労働災害は発生していない」などと虚偽の供述をした 疑い。 2014年1月、労災事故があったのに同署に報告がされていないなどといった 匿名の情報提供があり、事故が発覚した。 8
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