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労働災害の書類送検事例
2014年1月~2月
業務上過失致死傷罪
送検日
2014/1/16
送検先
新潟地検
対象
建設会社の作業所長(54歳)と現場代理人(46歳)
2012年5月、新潟県南魚沼市の八箇峠のトンネル建設現場で、作業員4
人が死亡、3人が重軽傷を負う爆発事故が発生した。
状況
2人はトンネル内に可燃性ガスが出ることを予測できたにもかかわらず、それ
までの測定結果からガスがたまることはないと思い込み、トンネルに入る際に
はガス検知をするよう指示せず、4人を死亡させ、3人に重軽傷を負わせた
疑い。
現場検証や関係者への事情聴取から、坑口から約1300メートルの地点に
あった送風機の配電盤の点検作業中に引火した可能性が高い。
2
業務上過失致死傷罪
送検日
2014/1/27
送検先
神戸地検
対象
日本触媒姫路製造所の幹部ら数人
状況
2012年9月29日、同製造所で生産していた高級紙おむつ向け吸水性樹
脂の原料となる液状のアクリル酸の保管タンクが爆発し、消防隊員1人が
死亡し、36人が重軽傷を負った。
タンク内のアクリル酸の温度が上昇、圧力が上がってタンクに亀裂が入り爆
発したと事故原因を特定。内部の温度を均一にする冷却作業を怠るなど
管理体制に不備があった疑い。
3
業務上過失致死罪
送検日
2014/2/6
送検先
福岡地検
対象
作業の管理をしていた元部長(50歳)と現場責任者(60歳)
2012年4月、日本コークス工業北九州事業所で、ボイラーの点検作業中、
配管の中にたまった可燃性のガスが別の工事で出た火花で引火して爆発
し、吹き飛んだ部品に当たった42歳の男性が死亡した。
状況
ボイラーの点検を行う前には、配管に残ったガスを窒素などを注入して完
全に抜く必要があるが、2人は、点検前にこれを怠ったうえ、配管のバル
ブを閉めなかったためガスが漏れ出た状態だった。
さらに、2人は、すぐ近くで火花を伴う工事が行われていることを知っていたと
いう。
4
業務上過失致死罪、労働安全衛生法違反
送検日
2014/2/12
送検先
鹿児島地検
対象
建設会社と現場責任者だった元役員(死亡)
2013年4月、宇検村の土砂捨て場で拡張工事をしていた元役員(当時
69歳)と元土木作業員(当時62歳)が崩れた盛り土によって生き埋め
になり、死亡した。
状況
現場の地盤の強度が軟弱だったにもかかわらず、防護網を張るなどの措置
を取っていなかった疑い。
また、工事を請け負った建設会社についても労働安全衛生法違反の疑い
で書類送検した。
5
労働安全衛生法違反
送検日
2014/2/20
送検先
千葉地検木更津支部
対象
船舶改修会社(袖ケ浦市)と男性社長(61歳)
2012年7月、千葉県富津市新富の港で停泊中の土砂運搬船から出火し、
船内で改修作業を行っていた男性作業員3人が一酸化炭素中毒で死亡
した。
状況
同社らは、船内で配管の取り換え作業を行う際、爆発や火災を防ぐため
に配管から作動油を除去するなどの措置を行わず、3人にガス溶断作業
を行わせた疑い。
火災の原因については調査中だが、作業中の炎や飛び散った火花が作動
油に引火したとみられる。
6
労働安全衛生法違反
送検日
2014/2/20
送検先
宇都宮地検
対象
NPO法人(東京都港区)と湯西川営業所の所長(66歳)
状況
2013年10月26日、日光市の湯西川ダム湖で、水陸両用バスの運行補
助作業として小型モーターボートに乗り流木などを除去していた男性従業
員(65歳)が転落して溺死した。
同法人らは、水上作業の際におぼれないよう救命胴衣を着用させるなど
必要な措置を怠った疑い。
水陸両用バスの運行をめぐる事故で立件されるのは異例。
7
業務上過失致死罪
送検日
2014/2/21
送検先
福岡地検久留米支部
対象
JX日鉱日石金属の元幹部社員(61歳)ら4人
状況
2010年3月31日、福岡県筑後市のラサ工業羽犬塚工場で、リチウム電
池の破砕試験中に爆発があり、男性社員(当時47歳)が死亡した。
8
労働安全衛生法違反
送検日
2014/2/22
送検先
津地検
対象
林業を営む男性(51歳)
状況
2013年11月14日、三重県松阪市の山林で、男性作業員(当時44
歳)が、枝を除去していた場所の上方から転げ落ちてきた木材に挟まれ、
外傷性ショックで死亡した。
男性は、山林の斜面で、従業員に伐採した木材の枝を除去する作業など
を行わせた際、木材が斜面を転落する危険があったのに、歯止めやくい止
めを付けるなどの措置を怠った疑い。
9
業務上過失致死傷罪
送検日
2014/2/24
送検先
静岡地検
対象
運航会社の前社長(66歳)、船頭2人(1人は事故で死亡)、
安全管理担当の営業課長(55歳)、船頭主任(65歳)
2011年8月、浜松市の天竜川で川下り船が転覆し、女性や幼児を含む5
人が死亡、5人が負傷した。
状況
前社長らは、船頭の教育プログラムや訓練マニュアルを作らず、幼児用の救
命胴衣を備えないまま運航を続け、事故を防ぐための安全管理義務を
怠った疑い。
船頭2人は、川底から湧き上がる渦「噴流」への対策を考えないまま船を
出したため、噴流で操船を誤り、岩場に乗り上げて船を転覆させ、乗客を
死傷させた疑い。
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業務上過失致死罪
送検日
2014/2/24
送検先
佐賀地検
対象
ヤクルト本社佐賀工場の当時の現場監督(41歳)
状況
2012年7月10日、高所作業車で高さ約10メートルの地点にダクトを取り
付ける作業中、男性会社員(当時28歳)が転落し、死亡した。
現場監督は、安全ベルトなどの転落防止措置を指示する業務上の注意
義務を怠った疑い。
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