経営統計とデータ分析 応用 中心極限定理・母平均の推定 担当:岩村 英之 2008年1月7日 1 推測統計のイメージ 母集団 母平均 標本 標本平均 X 2 母分散 母標準偏差 標本分散 標本標準偏差 ˆ 2 ˆ 推測 今回は,標本平均をヒントに母平均の値を推定する方法を学ぶ. 2 標本平均は確率変数(1) この100人が選ばれた ときの平均 =171cm この100人を選ばれた ときの平均 =173cm この100人を選ばれた ときの平均 =167cm 母集団 (高3男子全体) どの100人が選ばれるかによって, 出てくる平均身長の値も様々な可能性を持つ 標本平均は確率変数 3 標本平均は確率変数(2) 標本平均が確率変数ならば,どの数値が出やすく, どの数値が出にくいか,つまり確率分布を持つ. 確率密度 このあたりの値は 出やすい このあたりの値は 出にくい 標本平均 4 標本平均の確率分布 高3生の身長の母平均が168cmであるとすると… 確率密度 確率密度 168 高3生の身長 (=選ばれた1人の身長) の確率分布 X 168 選ばれた100人の身長の平均 (=標本平均)の確率分布 X どちらも最も出やすいのは168(母平均)だが, 標本平均のほうが168に近い値が出やすくなっている. 5 中心極限定理 母集団 平均 分散 2 サイズnの標本平均 平均 分散 2 n 近似的に正規分布 6 中心極限定理つづき サイズnの標本平均 平均 分散 2 n 近似的に正規分布 標本平均 n 平均 0 分散 1 近似的に正規分布 要するに標準正規分布 7 今,高校3年生男子の身長の母分散が152である (=母標準偏差は15cm)とわかっているとする. 母平均を推測する目的で,100人の高3生男子を無作為に 選んで身長を測定すると,平均は165cmであった. 確率密度 標本平均 母平均(未知) 標本平均165cmをヒントに,中心極限定理を利用して 母平均の値を推測することができる. 8 母平均の区間推定の考え方(1) 確率密度 95% 160 163 95% 165 166 予想 A 166 否定できない 予想 B 171 否定できる 予想 C 163 否定できない 予想 D 160 否定できる 95% 171 95% X 母平均の予想として 否定できない「区間」が残る 母平均の推定区間 母平均の区間推定の考え方(2) “ぎりぎり”の予想を見つける 確率密度 B 165 A X この区間の予想ならば,165cmによって 否定されることはない. 母平均の推定区間 10 母平均の区間推定(1) 標本平均の確率分布 95% N ( B ,152 100) N ( A ,152 100) B A 165 95% X X の確率分布 15 / 100 N (0, 1) 95% 165 A 15 / 100 1.96 0 165 B 15 / 100 1.96 X 15 / 100 母平均の区間推定(2) 165 A 1.96 15 / 100 165 B 1.96 15 / 100 15 A 165 1.96 167.94 100 15 B 165 1.96 162.06 100 母平均の95パーセント信頼区間は162.06cmから167.94cmである. 12 母平均の区間推定(一般ケース) 標本平均の確率分布 95% N ( B , 2 n) N ( A , 2 n) B A X0 95% X X の確率分布 / n N (0, 1) 95% X0 A / n 1.96 0 X 0 B / n 1.96 X / n 母平均の区間推定(2) X0 A 1.96 / n X 0 B 1.96 / n A X 0 1.96 n B X 0 1.96 n 母平均の95パーセント信頼区間は X 0 1.96 である. から X 0 1.96 n n 14 定期試験に向けて 1 計算ミスをした場合でも部分点がもらえるように, 途中のプロセスを書こう. 注:自分が後で見て分かるように, しかし解答欄に収まるように. 2 中間試験の問題を解けるようにしておこう. 3 再試験になってしまったら,定期試験の問題を 解けるようにしておこう. 15
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